お笑いに詳しくない私が、この本に唸った理由
「お笑いに詳しくない」私が、なぜこの本に引き込まれたのか。読後に残ったのは、“戦略”の力だった。
今年「本を読む」ことを目標にしていた私だが、気づけば3月も終わろうとしている今、ようやく5冊目を読み終えた。生成AIにかまけすぎていたというのもあるし、単純に気軽に読める本を探していた、というのも正直なところだ。
そんな中で、人に勧められて手に取ったのが『漫才過剰考察』(令和ロマン・髙比良くるま著)だった。
正直に言うと、M-1やお笑いの世界に対して、これまで特別な興味があったわけではない。芸能全般にもそこまで明るくはない。そんな自分が読んで、果たして楽しめるのだろうか?──そう思いながらページを開いた。
だが、思っていたよりもずっと読みやすく、そして内容が“濃い”。
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お笑いと戦略の、意外な交差点
本の構成は、令和ロマンが2023年のM-1グランプリで優勝するまでの道のりを、冷静かつ丁寧に振り返る形になっている。
・そもそもM-1という大会はどう変化してきたのか
・今、どんな笑いが求められているのか
・なぜ自分たちは優勝できたのか──
こういったテーマを、著者自身の言葉で一つずつ紐解いていく。
終盤には、霜降り明星・粗品さんとの対談や詳細な注釈も収録されており、「お笑い通」ではない私のような読者でも、十分に理解と納得を得られる仕上がりだった。
センスだけでは勝てない。「選択」の戦略
特に印象に残ったのは、令和ロマンがとっていた“ネタの戦略”だ。
彼らは「これ一本で勝負する」というスタイルではなく、タイプの異なるネタを複数本、すべて本番で出せる完成度まで仕上げたうえで臨んでいた。
そして、当日の会場の空気感、他のコンビの雰囲気、客層の反応を見ながら、直前で「何を出すか」を決めている。
これは単なる「準備」ではなく、リアルタイムで環境を読んで“選択”できる状態をつくっておくという、極めて戦略的な姿勢だ。
お笑いという、一見センスや勢いが支配する世界でも、こうした緻密な選択の戦略が、大きな力を発揮するのだと感じた。
優勝を“目指さない”ことが、なぜ優勝に繋がったのか
そして何よりも驚かされたのは、彼らが「優勝を目指す」ということにこだわっていなかった、という点だ。
彼らの視点は一貫して「M-1という大会そのものを、どう面白く盛り上げるか」に向いていた。
自分たちが勝つことより、視聴者がワクワクする大会にすること。
その結果として、「この人たちが優勝でよかったよね」と多くの人に思わせる空気が自然と出来上がっていた。
この姿勢は、ビジネスや人生においても大きなヒントになる。
自分の目標に一直線で突き進むだけではなく、周囲との関係性、場の空気、他者への貢献を意識することが、結果的に自分を高める。
令和ロマンの戦い方には、そんな逆説的な成功のヒントが詰まっていた。
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おわりに──自分の中に“戦略”を持つこと
『漫才過剰考察』は、知識がなくても読めるが、知っていればもっと面白い。
お笑いにそこまで熱心でない私にとっても、読み応えのある一冊だった。
お笑い好きにはもっと面白いに違いない。
この本が教えてくれたのは、「戦略」は華やかな舞台の裏側にこそ、ひっそりと光るということ。
自分の強みを知り、それを届ける方法を考える。
それはどんな分野であっても、きっと“勝ち方”の本質なのだ。
たまには気軽に本でも読もうかなと思っている
そこのあなた、
ぜひこの本を手に取って読んでみてほしい。
知らないうちに
戦略の重要性について興味が湧いている
自分に気づくことだろう。
