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北海道の失われていく風景7 鉄道員「ぽっぽや」

平成28年(2016年)8月31日、南富良野町で明け方に空知川の堤防が決壊し、市街地等広く浸水し大被害となりました。
ところが北海道人でも南富良野町がどこにあるのかを知らない人も多くおります。学校教育では小学校3・4年生で「私たちの町」と題して、自分達の町を学びますが北海道を学ぶ機会はありません。

現在、北海道には179の市町村がありますが「私たちの北海道」を知る人は少数派といえるでしょう。


「鉄道員(ぽっぽや)」の幌舞駅 水彩画 2024年4月制作



黄色い円が根室本線の廃線となったところ 四角地区が南富良野町



JR根室本線の幾寅駅は南富良野町中心地にあります。
映画「鉄道員(ぽっぽや)」の幌舞線終着駅・幌舞駅(架空)として知られることとなりました。

旧幾寅駅舎内



1999年に高倉健主演で映画化され、当時のロケ現場がそのまま観光施設として残されてます。

2024年3月31日をもって根室本線富良野―新得間81.7kmが廃止された。
根室本線はこの廃止により、滝川―富良野間54.6kmと新得―根室間307.5kmに分断され、北海道上川地方と十勝地方を結ぶ鉄道ネットワークが分断された。廃止区間のうち東鹿越―新得間については2016年の台風災害以降不通となりバス代行輸送が続いていたが、ついに復旧されることなく廃止となった。

東洋経済


平成28年(2016)8月に北海道を襲った台風10号は、この幾寅地区に水害をもたらしました。
南富良野町は6つの集落があるのですが、町役場は幾寅地区にあります。

狩勝峠(石狩国と十勝国の一字づつの峠) 水彩画 20224年8月制作

幾寅駅は明治35年に十勝線の駅として開業。
明治40年に狩勝峠の開通に伴い、峠近くに「落合駅」が出来て、ようやく道央と十勝・釧路・北見が繋がりました。
狩勝峠の山の斜面を源とする「空知川」に沿って、国道38号線が開削され、並行して根室本線の鉄道が敷かれました。

上富良野町 水彩画 2024年9月制作

富良野といえばラベンダーが有名ですが、富良野は北から上富良野町・中富良野町・富良野市・南富良野町と4つのエリアをいいます。


中富良野町 水彩画 2024年9月制作


ラベンダーは上富良野と中富良野のことで、富良野市はラベンダーではなく「北の国から」、南富良野は「鉄道員ぽっぽや」です。


布部駅は富良野駅から一つ南の駅で廃駅となりました 水彩画 2024年4月制作


幾寅駅

幾寅駅

富良野駅を過ぎると山岳地帯に入っていきます。
富良野市は「北の国」で知られていますが南富良野は全く別格。
山を上がり一旦平地に入ったところが幾寅地区で、空知川を渡ると「道の駅南ふらの」が見え、なだらかな斜面を突き当った高台に「幾寅駅」があります。

堤防が炸裂したのは、地区の上流のため一溜まりもありませんでした。
空知川水源の標高2000mに金山ダムが作られたのは1967(昭和42)年。
集落261世帯・300戸を水没させる大掛かりな建設で、当時としては珍しい特定多目的ダムでした。総貯水容量は全道民の生活用水を三か月分賄える量に匹敵すると言われています。
しかし、この金山ダムは幾寅地区を迂回する空知川の下流になります。

旧落合駅

それだけ幾寅地区は山岳地で、「落合」地区を源流として抜ける両岸は100~150メートルの断崖になっており、道内でも名高いラフティング(ゴムボートの川下り)として人気エリアです。

上流の落合地区は倉本聰「北の国から」の元ネタとなったと思える「どろんこ野外学校」があります。
水道が無い、電気が無い、沢から水を引き、風車で電気を起こし、石で家を作るなどの世界が体験できます。

おしまい