人間の証明(主演:松田優作)
1977年に角川映画第二弾として公開され、テレビCMで
「母さん、僕のあの帽子どうしたでせうね ええ、夏、碓氷から霧積へ行くみちで 渓谷へ落としたあの麦藁帽ですよ…」
本作でも重要なキーワードとなる西條八十の詩の出だしを子供のころ
何度聞いたことでしょう。。。(あ、歳がばれる。。。って今更ジロー)
ざっくりとあらすじを伝えておきますと。。。
「ニューヨークのハーレムからやってきた黒人の青年ジョニーが
赤坂の高層ビルのエレベーター内で命を落とした。
同じころ、銀座のホステスが轢き逃げに遭い行方不明となった。
一見関係なさそうなこの二つの事件から、捜査線上にある親子が
浮かんでくる。麹町署の棟居刑事は事件の核心をつかむため
ニューヨーク行きを上司に直訴する。
空港で棟居を出迎えたシュフタン警部の掌を見た瞬間
棟居は幼少時に父親を撲〇した進駐軍達への怨嗟が噴出してくる
のであった。そしてそれは今回の事件で疑惑を向けている
人気ファッションデザイナー八杉恭子との悲しい出会いにも
つながることであった。。。
銀座のホステスを轢き逃げした恭子の息子である郡恭平は
恋人とともに渡米していた。二人の居所を突き止めた棟居は
轢き逃げしたときに恭平が現場に落としたあるものを恭平の
宿泊しているホテルのフロントに預ける。それを見た恭平は
逃亡。カーチェイスの上、彼は買ったばかりの拳銃を抜いた
瞬間にシュフタンに射〇される。
帰国した棟居はコンテストの結果を待っている恭子に恭平が
亡くなったことを告げる。恭子はコンテストでグランプリを取ったが
その場で恭平とジョニーへの思いと懺悔の言葉を話し賞を辞退し
車で逃亡する。そしてジョニー、そして彼の父親である
ウィルシャーとの思い出の地、霧積高原に向かうのであった。」
かなりざっくりとではありますが、駆け足で伝えるとこんな感じです。
この映画のポイントは
「第二次世界大戦の功罪が招いた悲劇」
「人間の素朴な”思い”は時に地位と名誉と家族を脅かす」
「幼少期に刻まれた怨嗟はなかなか消えず刻んだ相手は気づいていない」
「いつの時代も金持ちのヴァカ息子はやらかす」
ま、まとめると「戦後の日本人の業や悲しみ、そして愛のお話」
なのです。
ちなみにこの作品、平成になっても何度かリバイバルでドラマ化
されてますが、そのたびに内容がつまらなくなってます。
(あくまでアタシの感想ですが)
一番残念なのは、時代を”現代”に合わせるために
「第二次世界大戦」
というくだりが無くなってしまっていることです。
ここを変えてしまうとすべてのコンセプトが瓦解してしまいます。
・ジョニーがなぜ父ウィルシャーと共に恭子と生き別れになったのか
・恭子がなぜ幼少期の棟居と会っていたのか
・なぜ棟居の父親は進駐軍達に撲○されてしまったのか
・恭子がなぜ自分の過去を知る「昔の仕事仲間」を○したのか
・棟居はなぜニューヨークにいくことを当初上司はとがめたのか
・恭平はなぜ父親のお金でないとニューヨークに行けなかったのか
こういった内容は「昭和の日本」「戦後の日本」でないとつじつまが
合わなくなり、原作を大きく改変しないと行けなくなります。
ま、今のテレビ局ならそれもありなんでしょうが(おっと独り言・・・)
ちなみに原作にもっとも近い設定で作られたのは1978年にMBS系にて
放送されたテレビドラマらしいですが、映画版のほうが豪華キャスト
であることと、劇伴(音楽)があの大野雄二先生、監督が”巨匠”佐藤純彌さん
そして主題歌をジョニー・ヘイワードを演じたジョー山中さんが歌っているのでアタシ的には最強だ思います。そしてなんといっても棟居役を
松田優作さんが演じているのが良いのです。ちなみに上司役の鶴田浩二さん
にあいさつしたときには、あの優作さんも直立不動でいたそうです。
あとシュフタン警部役もオールドムービー好きにはたまらない
ジョージ・ケネディさんが演じているのも見どころです。
あ、恭平役の岩城滉一さんの声が「吹替」になっているのは
作品製作中に彼が「あかんお薬でオイタした」からだそうです。
のちに角川春樹さんもオイタしましたが(やめとけ
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