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フェアアイルのプルオーバーの備忘録

 初めてフェアアイルのプルオーバーを編んだ。途中、いくらか悩んだので、次に編むときのために備忘録を残す。

13色の総フェアアイル長袖ラウンドネックプルオーバー
13色の総フェアアイル長袖ラウンドネックプルオーバー

パターンについて

 パターンは、風工房先生による、「毛糸だま 2022 秋号 vol.195 (日本ヴォーグ社)」の表紙のバリエーション。巻頭特集p8のバリエーションのスワッチに惹かれて挑戦を決めた。

完成したセーターと毛糸だま 2022 秋号 vol.195
表紙のセーターの色違い

 2026年1月現在、パターン単体は手づくりタウンで販売中。単体で購入した場合でも、雑誌と同じ内容なら、バリエーションの糸の量も記載されてい るはず。
 なお、パターンの指示通りに編むと巻頭特集と一部の配色が異なるようだったが、写真の配色が好きだったので、そちらに合わせた。

スティークに変更して製作

 オリジナルのパターンは往復編みだったが、スティークを使うことにした。輪で編むのが好きだし、スティークしたかったし、カラーワークの裏編みをとてもやりたくなかった。
 身頃は前後合わせて輪に編んで袖と襟をスティーク、袖は左右一体に編んでスティークすることにした。袖をまとめた理由は、先に身頃を編んでいて、ジョグレスと糸始末が面倒だったのと、細い輪を2回編むのが面倒だったから。
 製作にあたって、スティークおよび渡し糸の処理など、カラーワークの技法は主に「ALTER KNIT STITCH DICTIONARY 200のモダンな編み込み模様(アンドレア ランゲル著、鳥古 繰子訳)」を参考にした。

パーツを編んで軽くブロッキングする

 襟以外のスティーク幅は5目にした(後述)。身頃は前後合わせて輪で柄がずれないように(後述)、袖と襟をスティークにして、肩は、編み終わりに捨て編みしてそのままはいだが、後で後悔した。袖は左右をまとめて輪で編んだだけなので特に言うことがない。
 ラウンドネックのスティークにかなり悩んだ。1週間くらい悩んだ。今回は、2目以上減らす場合、1目は2目一度で、その他はスティークの幅を増やした。最終的なスティーク幅は約20になった。編んでいる間、スティーク幅が増えていくのが不安だったが、仕立てた後に邪魔だったら切ればよいのだと自分に言い聞かせた。結局、スティーク以外では切らなかった。ラウンドネックのスティーク、他にうまいやり方があるのかしらん。
 パーツが完成したら、念のため、水に浸して平らにして干した。襟がスティークで攣れているため、気休め。今回のプロジェクトについては、しなくてもよかったと思う。

左右の袖が一体になった筒状のものと、前後身頃が一体になったもの。袖の報は中央部に模様の違う部分がある。
左:袖。中央がスティーク。
右:身頃。襟のスティークによって攣れている。

スティークを補強する

 もともと補強するつもりの幅5目なので、補強は計画通り。やり方は、「棒針編み大全(トリシャ・マルコム&カール・スコット著、西村知子訳)」の"かぎ針を使ったスティークの補強"による。糸は本体と同じ。
 5目は切る糸を絶対に間違えられないので、切るところをはっきりさせる意味でも、補強してよかった。襟は余裕があったので、補強しなかった。

左右の袖が一体になった筒状のものと、前後身頃が一体になったもの。スティークで切り開くところが補強されて強調されている。
白い毛糸で補強されたパーツ

スティークを切り開く

 補強したので、概ねトラブルはなかった。肩を先にはいだので、補強しても袖のスティークが分かりにくく、ちょっと間違って冷や汗が出た。

スティークを切り開いたあとの左右それぞれの袖と身頃が並べられている
スティークを切り開いた後

綴じ接ぎして襟を編む

 肩のスティークがちょっと怪しかったので先に綴じ接ぎしてから、襟を編んで、糸を始末して編み終わり。襟のスティークの境目から目を拾うのが難しかった。
 スティークは糸始末が楽でよかったが、輪で編んだ部分の糸始末が面倒だった。

身頃に両袖がつけられて、襟が編まれて、セーターの形になった。
編み終わり

ブロッキングして完成

 ぬるま湯に指示通りの中性洗剤を入れて、ネットに詰めたセーターを10分くらい漬けて、押し洗いして、濯いで、脱水して、平らにして形を整えた。
 形も編地も単純、サイズ補正も必要なかったため、脱水はネットごと短時間機械脱水し、整形も手で整えただけで、固定はしなかった。

全体的に平らになって、形が落ち着いたセーター。
完成

次があれば

肩下がりはあったほうが良い

 肩下がりがないため肩が落ち着かない。手がきつめでフィットの余裕が少ないのも一因かもしれない。着るなら、肩が落ちるようにハンガーで癖を付けるか、癖が付くまで適当に着るか。
 輪で編む場合でも、滑り目と掛け目で肩下がりを作ることはできる。フェアアイルの場合、最後の1ラウンドは、途中で色を切り替えることになりそうでちょっと大変そうだが、できそうな気はする。

スティークの幅は5で十分だが7あっても良い

 スティーク前の画像をざっと見たところ、5~12くらいの幅があり、奇数も偶数もあった。7~9が多いか、といった印象。
 幅に悩んだ理由は、初心者なのでリスクはとりたくないが、袖の付け根でごろごろするのも嫌だったため。ALTER KNITの巻末のパターンと、以前スティークで作ったスワッチの裁ち目が頑丈だったことから、幅は5目にした。
 5目で問題はなかったが、今にして思えば7目でもよかった。スティークで一箇所うっかりして怖かったし、綴じ接ぎをやり直すのも怖かった(綴じ接ぎが苦手)。中細なら、肩下がりを付ければ1目増えても邪魔にならないと思う。

スティークした袖と身頃を接いだ部分。接ぎ目から2目くらいの幅でスティークの裁ち目が覗いている。
中央が袖の接ぎ目。左が袖の接ぎ代で白い縁取りがスティークの補強。右の縦に糸が渡っているのが身頃。

模様ずれの処理は大変なので慎重に

 プロジェクト開始当初は、輪で編んだ方がすっきりしていいと思っていた。そこで、こちらで紹介されている方法で、模様に段差を作らないようにした。仕上がりには満足している。

 しかし、他の部分に比べて目が揃わないし、総フェアアイルでは毎ラウンド処理するのがどうにも面倒だったし、糸始末も大変だったしで、スティークにすればよかった。脇なら気にならないと思う。このパターンなら、袖も身頃もまとめて輪に編んでもよかった。

輪で編んだ時の段の変わり目の部分。模様はずれていないが、すこし目が不揃い。
左脇にある段の変わり目。画像の中央右寄りの山になっているところが段の変わり目。ずれてはいないが目が粗い。