白いワンピースの彼女 / #ボケ学会
( #ショートショート 本文881文字)
この物語はリレー小説です。前半部分はこちら。
ある日、僕は、白いワンピースを着た都市伝説の女性と出会う。彼女は僕に美しさを問うた後、マスクを外し、不気味な笑顔を見せた。彼女の前歯は虫歯で真っ黒であった。
助けを求めて、叫ぼうとしても声が出ない。
いったい僕はこれからどの様な目に遭うのか?
「こんばんは。どうしたんですか」と後ろから声がした。近所の中島くんだ。小学3年だがすごく頭が切れるらしいと噂の少年だ。
「な、な、中島くん。こんな時間にどうしたんだい?」
「塾の帰りです。そちらのきれいな女性は彼女さんですか」
違う違うと手を振る僕の顔が引きつっているのを不思議そうに見て、中島くんは都市伝説の女に挨拶した。
「こんばんは。都市伝説のきれいなおばさん」
「お、お、おばさん?」と女がショックを受けるのがわかった。
僕は彼女の呪縛が解けたように動けるようになったが、なんだかこの先の展開が面白くなりそうなのでその場にとどまった。
「大変ですね。痛いでしょ」と中島くんは女の虫歯に言及する。
「ええ。ここまでひどくなると物が噛めないのよ」と女も普通に答え始める。
「おばさんの年齢だったら当然、永久歯でしょ。神経までぜんぶ抜いちゃった方がいいですね。うちの家は歯医者なんです。インプラント、安くしておきますよ。都市伝説のお仕事じゃ一括は無理でしょうけど、低金利のローンも組めますから、ぜひ来てください。歯を治療すれば若く見えますよ」
中島くんは都市伝説の女に『中島歯科』と書かれたチラシを渡した。
僕は思わず、女が受け取ったチラシを覗き込む。
チラシには『健康な歯は平和の象徴 中島歯科』という、ちょっと何言ってんだかわからないキャッチフレーズと、キラッと歯を輝かせてピースしている院長(中島くんのお父さん)の写真があった。
女はそれを見るとぶつぶつ言いながら去って行った。僕は中島くんと途中までいっしょに帰った。
*
1年後、僕は、デートの前に定期健診を行うべく、中島歯科へ通院した。
診察券を出して保険証を提示すると、受付の女性が「じゃ、またあとでね」と言う。そう、デートの相手とはこの受付の彼女だ。
病院の待合室には、新しいポスターが貼られていた。
『都市伝説の歯医者! 中島歯科』という、やっぱりよくわからないキャッチフレーズと、キラッと歯を輝かせた白いワンピースの受付の彼女が指を一本立てて笑っていた。
指一本を立てたポーズはわかりますよね。
歯医者だけに『トゥース!』。

複数形は ”teeth"

はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
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いつもありがとうございます。よろしくお願いします。
主宰: #ボーンさん
企画: #ボケ学会
お題: #リレー小説
中島くんが出てくるお話はこちら。

では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

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