本日は人柄もよく|#アマノ文筆クラブ
私はあの男が苦手だった。
挨拶をしても返事は短く、表情はいつも固く、必要以上の会話をしない。
近づくと、どこか冷たい空気がまとわりつくようで、できれば距離を置いていた。
ところが、その日は違った。
朝、道で会ったとき、彼はいつもより丁寧に会釈をした。買い物袋を持っている人を見れば自然に手を貸し、子どもに話しかけられれば立ち止まって耳を傾けている。あの男が、だ。
私は驚きながらも、遠くからその様子を眺めていた。まるで別人のように、空気がやわらかい。何があったのだろう、と気になって仕方がなかった。
その日の帰り道、私は偶然、その理由を見てしまった。
角を曲がった先で、彼がしゃがみ込んでいた。前には、いつも散歩している小さな犬。飼い主が笑いながら犬を抱き上げ、彼の腕にそっと預けていた。
そして彼は――あの無愛想な男が、信じられないほど優しい顔で、その犬をモフモフしていた。犬は嬉しそうに尻尾を振り、彼の胸元に顔をうずめている。彼はぎこちなくも、まるで宝物を扱うようにその小さな体を抱きしめていた。
その瞬間、私は悟った。今朝の散歩のときにもモフモフさせてもらったに違いない。いや、まさか、そんなことであいつの雰囲気が変わるとは……。
夕暮れの光の中、彼は犬を返すと、少し照れたように頭を下げていた。その横顔は、私が知っている彼とはまるで違って見えた。
家に帰る途中、私はつぶやいていた。
「いつもあんなだったら、好きになったかも……」
(了)
今からでも遅くないよ。犬を飼って、毎日彼にモフモフさせてあげようよ。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
甘野充さんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
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では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。
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