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今の祭り|#アマノ文筆クラブ

#ショートショート  本文:579字)

 村の広場に赤い提灯が揺れていた。

 僕はプロデューサーとして、この祭りを仕切る責任を背負っていた。村人たちの期待を集め、屋台を並べ、舞台を整え、司会を頼んだのは――あいつだった。

 ところが前日。
「前夜祭だ!」と叫んだ彼は、屋台の人々やスタッフを巻き込み、酒を片手に踊りだした。太鼓は鳴り響き、焼き鳥の煙が夜空に昇り、祭りはすでに始まってしまった。僕の計画など、誰も気にしない。

 そして当日。
 彼は酔っ払ったまま舞台に立ち、マイクを握りしめて笑い続けた。進行表は無視され、屋台は勝手に競い合い、村人たちは踊り狂う。たこ焼きはジャグリングされ、焼きソバは宙を舞った。もう、むちゃくちゃだった。けれど、村全体が熱に浮かされたように盛り上がり、笑い声が絶えなかった。

 翌朝。
 広場はぐちゃぐちゃ。紙屑、空き瓶、倒れた提灯。僕は一人で片付けながら、心の中で何度も呟いた。――あいつを司会に呼ぶんじゃなかった。後悔ばかりが積み重なる。

 すると、まだ酒の匂いをまとった彼が現れた。
「そんな湿ったツラすんなよ。そんなのは後の祭りじゃねえか?」
 背中をドンと叩かれて僕はむせる。

 どこから出してきたのか、缶ビールを飲みながら、彼が笑う。
「祭りは今するもんだ。ほら、毎日が祭りだぜ!」

 僕はため息をつきながら、壊れた提灯を拾い上げた。
 今日も祭りは続く。それもいいかもしれない。

(了)

後ろばかり見てないで前を向いて進みましょう。人生は祭りの連続です。


はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
甘野充さんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
#アマノ文筆クラブ #今の祭り

メンバーシップやってます。メンバー絶賛募集中。

では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

#提灯 #屋台 #司会 #前夜祭 #たこ焼き #焼きソバ #後の祭り

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