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エクレア食べたい|#アマノ文筆クラブ

#ショートショート  本文:580字)

「俺は恋なんかしない」
 男はそう言い切った。

 無骨で無口、趣味は筋トレと読書(ただし哲学書限定)。
 恋なんて、ふわふわしてて、甘ったるくて、まるでシュークリームみたいだ。外は柔らか、中はとろける甘さ。そんなもの、俺には似合わない。
 男はそう思っていた。

 ところが、ある日、雨の日の書店で、男は出会ってしまった。
 傘を忘れた彼女が、哲学書の棚で立ち尽くしていた。
「それ、いい本ですよ」
 気づけば、声をかけていた。
 気づけば、傘を差し出していた。
 気づけば、彼女の笑顔に心がほどけていた。

 それは、まさしくシュークリームな恋だった。ふわふわと始まり、甘く満たされ、男は自分が変わっていくのを感じた。哲学書が恋愛小説に変わり、
筋トレの時間が、彼女との散歩に変わった。

 だが、甘さは長くは続かなかった。彼女は去った。理由は曖昧だった。
「あなたは純粋すぎる。私には重いわ」
 残されたのは、空っぽのシュークリームの袋と、雨の日の記憶だけだった。

 落ち込んで食事も喉を通らない男に、友人たちは言った。
「おまえにシュークリームは似合わないよ」
「もっとワイルドな恋がいいって」
「次は、肉まんとか、激辛ラーメンとかさ」

 腹の虫を鳴らしつつ、男はぽつりと言った。
「もうシュークリームな恋はいらない。
 次は……次は、エクレアが食べたい」

「それを言うなら、エクレアな恋がしたい、だろ!」

(了)

まずは食べたいものを食べて元気をつけなくちゃ。


はれるや( ´ ▽ ` )ノ。です。
甘野充さんの企画に参加します。
よろしくお願いします。
#アマノ文筆クラブ #エクレアが食べたい

メンバーシップやってます。メンバー絶賛募集中。

では、今日はこのへんで。
はれるや( ´ ▽ ` )ノ。

#シュークリーム #哲学書 #恋愛小説 #エクレア

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