切断
ダッシュで教室に戻る
左手首の文字は左肘と書かれている、俺は教室の対応用キットからチェーンソーを取り出した。
教室にまだ残っていた生徒たちに声を掛ける、頼む左肘を切らないといけないんだ、誰か手伝ってくれ!
医療チームがこちらを見ている、教室の中は静まり返っていた。
1つの音すら聞き逃さないというように、みんなと目があった、全員がさっと俯いて目を伏せる。
ああ、今まで色んな子達を助けてきたのに、俺の番は誰も何もしてくれないんだな。
「頼む!医療チーム俺の腕を全員で抑えてくれ!」
暗鬱とした気分でチェーンソーを起動させる。
できる限りぶれないように、でも素早く済むように俺は俺の肘を切る。
「ぐあああああ」
痛みによる叫びだったのか、悲しみによる慟哭なのか、自分でも分からない。
そのまま意識を手放した。
目が覚めると病院だった、両親は何があったのか全くわかっていないようだった。
数日分の着替えを頼んで、しばらく1人にして欲しいと頼む。
理子が見舞いに来ていたらしいが、両親以外面会謝絶だったので、とぼとぼと帰っていったそうだ。
俺は長年理子が好きだった、遊もそうだ。
2人ともお互いの気持ちを確認したことがなかったが、はっきりとわかっていた。
けれど、こんなことになって正直理子に対してその配慮のなさに苛立ちを覚えてしまっていた。
失った左肘から先はもう戻らない、あの時のクラスメートの顔が忘れられない、他人事にさせてくれというようなあの表情。
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