過去の自分を責める夜は、心の時計の針を優しく止めてみる。
今夜も、この相談室の明かりを見つけてくださり、ありがとうございます。三月も下旬に入り、ここ横浜の夜風にも、いよいよ本格的な春の暖かさが溶け込んできました。桜の蕾もほころび始めるこの季節、皆さんの心は今、どんな景色を映し出しているでしょうか。
さて、今日あなたに問いかけたいのは、ふとした瞬間に過去の失敗を思い出し、自分を責め続けて眠れなくなる夜はありませんか、という問いです。
あの時、どうしてあんなことを言ってしまったのだろう。なぜもっとうまくできなかったのだろう。
私たちは、すでに終わってしまった過去の出来事を、何度も何度も頭の中で再生しては、そのたびに新しい傷を作ってしまいます。特に夜の静寂は、そんな後悔の声を大きく響かせるスピーカーのようなものです。
昼間は忙しさに紛れて忘れられていることも、布団に入って目を閉じた途端、鮮明な映像となって襲ってくる。そんな夜は、自分の未熟さや愚かさがどうしようもなく恥ずかしくなり、朝が来るのをただじっと耐えるしかなくなってしまいますよね。
でも、今夜の燈月としては、そんなふうに過去の自分を裁判にかけるのを、もう終わりにしてほしいと願っています。
あなたが過去の失敗を思い出して苦しくなるのは、今のあなたが、あの頃よりも確実に成長しているからです。
当時のあなたには、あれが精一杯の選択でした。その時はそれが最善だと思って、あるいは余裕がなくて、そうするしかなかったのです。今の知識や経験を持ったあなたが、過去のあなたを責めるのは、あまりにも不公平なことではないでしょうか。
失敗を悔やむ気持ちは、あなたがより良い人間でありたいと願う、その優しさと誠実さの裏返しです。
過去の自分を責めそうになった夜は、心の時計の針を優しく止めてみてください。
そして、あの時不器用なりに必死だった自分に向かって、もう十分反省したよ、よく頑張っていたよと、許しの言葉をかけてあげてほしいのです。
私たちは誰もが、完璧ではありません。間違いを犯し、誰かを傷つけ、自分も傷つきながら、少しずつ角が取れて丸くなっていくのです。過去の失敗は、あなたを罰するための十字架ではなく、あなたがより優しくなるための道しるべに過ぎません。
今夜は、何度も再生してしまう後悔のビデオテープを、そっと引き出しの奥にしまいましょう。
あなたはもう、十分に自分を責めました。これ以上、過去の亡霊に今夜の穏やかな時間を奪わせる必要はないのです。温かい飲み物でも飲んで、ただ今の自分の呼吸の音だけを聞いてください。
明日の朝、目が覚めたとき。
過去という重たい荷物を少しだけ手放したあなたの背中を、春の優しい日差しが温かく包み込んでくれますように。
穏やかな夜の静寂が、あなたの後悔を優しく洗い流し、深い安らぎを与えてくれますように。
また、定時のあとの相談室でお会いしましょう。
