日和乃日和【小説】いい石の日2025年11月14日
耐えて、耐えて、耐え続ければ、
嫌なことは通り過ぎる。
石のように固くなれば、叩く人は諦めていく。
そう思った。
生きていく上で嫌なことは多い。
冷水のように日々冷やしてくる。
そして温かさから遠ざかると、
求められた手を払い、
求める手も戸惑い握りこんでしまう。
だから心を石にした。
硬く硬く、受け付けない。
嫌な人は離れた。
…嫌じゃない人も離れた。
感じにくくなった冷たさも、
気にしなくなった痛みも、
石の前には水滴に等しい。
ぬくもりも。
話すことは減った。
一人の時間は増えた。
独りの時間になった。
私の顔も石のように固くなり、
心の石は落としたらひび割れた。
助けを呼ぶ頃には周りには誰もいなかった。
転がって転がって、
角が取れた私の心。
中の宝石を信じてやまない。
日和乃
