お守り騒動
「お守り、ないじゃん!!どこなのー!」思わず叫んだ。
祖父母が旅行先で、兄弟それぞれに学業御守を選んできてくれた。お守りをもらうなんて、安産のお守り以来かもしれない。子どもたちは袋から出し、お土産と一緒に出窓へ置いた。
祖父母が帰ったあと、ふと見ると、お守りが一つだけ、カウンターの上に置いてあった。
「あれ? 一個しかない。」
「棚の取っ手にかけたよ。」
次男が言う。
「俺は出窓に置いたよ。お土産と一緒に。」
長男が言う。
出窓を見ても、ない。
「なんでないのよ。」
そういえば、祖父と次男は粘土で遊んでいた。チョコパイを食べたあと、チョコパイみたいな粘土を作って袋に入れ、「本物みたい!」と二人で笑っていた。
もしかしたら、粘土の中に紛れたのかもしれない。お菓子のゴミと一緒に捨ててしまったのかもしれないと思い、ゴミ箱の中も探した。でも、ない。
長男は棚の引き出しを整理しながら探し、次男も部屋のあちこちを探していた。ソファーを動かし、隙間をのぞき、おもちゃをガサゴソ動かし、しまいには掃除機までかけていた。
気付けば、散らかっていた部屋はすっかり片付いていた。
「部屋、めっちゃ綺麗になったね。」
長男は満足そうに部屋を見回した。
もう、いつか出てくるよね。そう思いながら、私は半分あきらめた。
残ったお守りは一つ。学業御守だから、半分にするわけにもいかない。この一つのお守りを、どちらにつけるか。しばらく考えた。
「お兄ちゃん、このお守り、弟につけてもいい?」
「……いいよ。」
長男は小さくうなずいた。次男の鞄にお守りをつけた。
夕飯の支度を始める。でも、やっぱり気になる。ふと、別の棚を開けてみた。
「あったーー!」
そこには、探し続けたお守りが入っていた。思わず、ふーっと息がもれた。
「でも、なんでそこに入ってたんだろうね。」
私が言うと、次男が真顔で言った。
「犯人は探さなくていいんじゃない?」
「え?」
思わず聞き返した。
「おばけがやったんじゃない?」
そういうことで、一件落着。
