ポジティブの魔物
ポジティブであろうとすればするほど、かえって苦しくなることはありませんか?
ポジティブになれない自分を、ダメ人間と否定してしまうことは?
でも、本当にネガティブって価値がないのだろうか。
例えば、リスク管理。
感染症や災害対策の会議で
「まぁいっか、大丈夫でしょ!」
なんて前向き全開な意見が一致してしまったら困る。
生命維持のためにはネガティブ思考もちゃんと必要なのだ。
無理なポジティブは、生存本能をねじ伏せる行為でもある。
ポジティブには危険性がある。
実は日常にもそんな瞬間があるのだ。
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中学の時、半年間ハブられていた。
部活で無視され続けた。
その間、「まぁいっか」が口癖だった時期がある。
無理にポジティブになろうとして、まぁいっかと何事も流せると思い込もうとしていた。
けれど、それは自己欺瞞で、自分の本当の気持ちを無視しているだけだった。
結果──感情がわからなくなった。
味もわからなくなった。
本当に好きなものが何か嫌いなものが何か、わからなくなった。
手脚がゴムのように感じ、自分の体が自分のものだとわからなくなった。
(これらの症状は離人症という。心当たりのある人は調べてみて欲しい。あと、病院行ったほうが良い)
無理に繕ったポジティブが、センサーを破壊し、心を殺してしまったのだ。
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受け止めきれないほどの大きな感情は、いったん心の奥へ避難させられることがある。
それ自体は、生き延びるために体が勝手にやってくれている、大事な防御反応だ。
ただ──その避難を、ポジティブで上から無理に蓋しようとするのは、また別の話だ。
本音ごと押し潰してしまいかねない。
心理の専門家や臨床の現場でも近年取り沙汰されている、
『トキシック・ポジティビティ(毒になるポジティブ思考)』という言葉がある。
無理な前向きさは、かえって心を蝕むと指摘されている。
ネガティブな感情と向き合うことはエネルギーが要る。
でも、決して無視してはいけない大事な感情だ。
責めることなく、受け止めてやりたい。
ネガティブは敵じゃない。
守ろうとしてくれた証だ。
まずは、その小さな声を黙らせずに、
「ここにいていいよ」と言ってあげられたら十分。
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