見出し画像

お金の作り方

おはようございます。🐤

今日はお金の作り方を考えていきたいと思います。
お金は日本政府、正確には日本銀行が発行できるもので、一般人はお金を作ったらダメですよね。逮捕されますよね。

そう思いますよね? でもよくよく考えてみたらお金って誰でも作れるんです、日本銀行だけじゃなくって一般の銀行も、銀行だけじゃなくって普通の会社も、会社だけじゃなくって私も、あなたも。

そんなお話をしていきたいと思います。


日本銀行のお金の作り方

まず日本銀行はどうやってお金を作っているのでしょうか。

日本銀行の役割は、お金の量をコントロールし、物価を安定させることです。そのためにお金を発行したり減らしたりします。

一番よくある発行の方法は、市場の国債を買うことです。日本銀行の資産のほとんどは国債です。(資産730兆円のうち576兆円=78.9%が国債)

第140回事業年度(令和6年度)決算等について : 日本銀行 Bank of Japan

「日本銀行はお金を発行できるんだから、ただ発行したらお金が増えるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実はお金というのはよくよく見ると「日本銀行券」と書かれていて、これは日本銀行が債務として発行する借用書みたいなものなんですね。

つまり日本銀行はお金を発行すればするほど借金(負債)が多くなります。

そして日本銀行は株式会社なので(驚き!)、財務状況もしっかり監視される対象です。なので、ただ発行するだけだと負債が増えるだけなので、対になる資産は必ず必要になります。

資産は国債の他にも、市場にある債権はいろいろ買うことができます、ETFや社債、コマーシャルペーパーなどを買うことで市場にお金=日本銀行券を流通させることができます。

日本銀行券

現在発行されている日本銀行券は、1万円、5千円、千円と三種類あります。

2024年度予算ベースでいうと、日本銀行券の製造コストは約626億円、印刷枚数は29.5億枚ということで、だいたい1枚あたり21.2円くらいで作ることができるらしいです。(参考:令和6年度経費予算について : 日本銀行 Bank of Japan令和6年度 日本銀行券製造枚数 : 財務省

これは日本銀行が発行して、私たち一般人が直接触れることができるお金です。

預金(日銀当座預金)

実は日本銀行券以外にもお金はあって、いわゆる預金です。

預金っていうのも日本銀行にとってみたら負債です。預金が増えれば増えるほど借金が増えます。日本銀行券とまったく同じですね。

第140回事業年度(令和6年度)決算等について : 日本銀行 Bank of Japan

実はお金って、紙のお金よりも預金のほうがずっと多くて、紙のお金は119兆円くらいあるのに対して、預金は577兆円もあります。

ただ、このお金=日本銀行の預金は一般人の手に渡ることはありません、これは民間銀行間のお金のやりとりに使われるための電子マネーです。(参考:当座預金取引の相手方一覧(2025年8月末・金融機関等コード順)

民間銀行のお金の作り方

民間銀行は紙幣を発行できません。

ただ、日本銀行と同様に「預金」を発行することができます。民間銀行が発行する預金も、私たち一般人からお金を借りた「借用書」の性格をもちます。

ただ、この借用書は社会的にすごく信用があって、銀行にもっていくと必ず日本銀行券と交換してくれることが約束されているので、紙の日本銀行券と同じ価値があります。

というかたぶん紙の日本銀行券よりも便利です。電子データなので北海道から沖縄までどこにいてもお金をすぐに届けることができます。

要するに、民間銀行は「預金」という社会でお金として通用する借用書を発行することができるのです。

預金の発行の方法には2種類あります。

私たちが貸した(預けた)お金と引き換え

私たちが現金を銀行に貸すと、その引き換えに「預金」が付与されて通帳に記入されます。

この「預金」はほとんどお金と同様に社会で通用します。クレカの支払いも預金でOKだし、少し大きなお買い物なら現金の支払いに代えて預金を銀行振込することで支払うことができます。

その一方で銀行は私たちが貸した現金を企業に貸し出したり債券を買ったりして運用することができます。

つまり、預かっている現金もお金だし、その借用書である預金もお金として市場に流通します。ここでお金の量が2倍に増えます。

日本銀行は完全に無からお金を生みだすことができましたが、民間銀行も自己資本をもとに「預金」というお金みたいなものを世の中に生みだしているのです。

貸出金と引き換え

銀行の資産のうち大部分を占めるのは「現金預け金」と「貸出金」です。

2025年3月期決算短信〔日本基準〕(連結) | 三菱UFJフィナンシャルグループ

このうち、貸出金は銀行の資産であり、いずれ現金として戻ってくるか、もしくは預金と相殺するものです。

ここが一番ややこしいところなので、少し丁寧に説明します。

現金で返済する場合

ある時、銀行の資産状況が上の図の左のようだったとします。ここからある企業が50の借金を現金で返済したとすると、銀行の資産は現金が50増えて貸出金が50減り、右のように変わります。

もし現金ではなくて、同じ銀行に預けている預金で返済したとすると、銀行の借金(=預金)と企業への貸出金を相殺して下の図のような形になります。

預金で返済する場合

上の例では、企業が借金を返すことによって世の中から50のお金が消えたことになります。

預金を現金で引き出しても、左側の現金と右側の預金が同額だけ減ることとなり、世の中からお金は消えます。

これとは逆に、銀行が一般企業にお金を貸し出す時は、現金ではなく預金で貸し出すことになるので、世の中に流通するお金の量は増えることになります。

一般企業のお金の作り方

さて、一般企業でお金なんて作れるのでしょうか。

ただ、民間銀行のお金の作り方をヒントにすると、なんとなく借金をして預金が生まれる時にお金が増えるように思えます。

一般企業が借金をしても預金は作ることができませんが、約束手形であれば発行することはできます。約束手形とは「将来、同額の現金の支払いを約束した有価証券」のことです。

この有価証券を発行するにあたっては、特に資産のロックは必要なく、事業等に自由に使うことができます。つまり、現預金と手形が世の中で同時に流通することによってお金が増えます。

有価証券なので、期日など一定条件を満たせば額面のお金と同じ価値があります。だけど、印紙が必要だったり支払いに手間がかかったり、小分けができないなど現金や預金とは明らかに違う不便な面もあります。

その欠点を補うように、最近では手形に代わって電子記録債権(でんさい)という支払い方法が使われています。これは支払いもネットでできて小分けもできるという、使い勝手のよい支払い方法です。

Suica、PayPayはお金なのか?

民間が発行するお金といえば、SuicaやPayPayです。本当に使える範囲が広くて、ほとんどお金です。

が、これはSuicaの場合「前払式支払手段」といって現金をチャージして加盟店で使える商品券のようなもの、PayPayマネーはより現金に近い「資金移動業の残高」ということで、残高の100%以上現預金などでの担保が必要です。新しいお金が生まれる代わりに現預金はロックされる、だからお金の流通量は増えません。

JPYCも同じで、「電子決済手段」で、残高の100%以上の現預金、国債の担保が必要になります。

そしてインフレへ…

さて、お金を作り出すことができるのは、日本銀行だけでなく、預金通貨を生みだせる民間銀行、そして「手形」を振り出せる一般企業や個人事業主と、三者三葉の方法があるとわかりました。

日本 M2マネーストック (前年比)

つまり、日本銀行の力だけでは民間市場に流れるお金の量をコントロールするのが難しいのです。放っておくと勝手に過熱して借金が増えてインフレが強くなりすぎるし、デフレの時にはどうやっても需要が増えなくてお金の量が減ってしまいます。

グラフを見ても、2013年からのアベノミクス+異次元の金融緩和の時にもたいしてお金の量が増えていないのがわかります。(年間3%~4%程度、参考ですが日本銀行が発行するお金の量=マネタリーベースは2013年から2015年までの2年間で100%以上増えています。マネタリーベースは銀行間で使うお金、マネーストックは市場のお金です)

今はお金がぜんぜん増えていないのに物価が上がっている特殊な状況です。

  • お金のコントロールは簡単じゃないこと

  • 過去ずっとインフレは続いてきたこと

  • そしてこれからもきっとインフレは続くこと

  • 預金とは銀行が発行する電子マネーであること

たぶん、今後のお金のことを考える時にこれらの基礎は必要になると思います。SuicaやPayPay、JPYCなどの電子マネーは預金とは性質が違うことも理解しておきましょう。

まとめ

お金の作り方と題して、一般的なお金(=紙幣)と、お金のようでお金でない、でもやっぱりお金だった「預金」について主に説明してきました。

預金は銀行が発行する借用書のようなもので、その借用書自体がお金のように世の中を流通することができて、一方でその対となる現金も銀行が民間企業に貸し出しすることが可能なので、世の中のお金の量が2倍に増えることになります。

また、規模は小さく使い勝手が悪いとはいえ、手形やでんさいについても民間が発行できる、ある種のお金と言えます。

景気の良い時にはこれらが乱発されることになるのですが、景気の悪い時にはどれだけ元のお金=日本銀行の預金を増やしてもなかなか市場の流通量は増えてきません。

お金の量と物価のコントロールは本当に難しいものです。

また、お金と預金とまた違うものとして、次のようなものも紹介しました。

  • Suica(前払式支払手段)

  • PayPayマネー(資金移動業の残高)

  • JPYC(電子決済手段)

あと書いてなかったですけど、クレカは後払いですね。

クレカやSuica、PayPayなどの加盟店は3%程度の手数料をとられるので、これらが日常に広まる限り、お金のうち3%はこれらの金融機関に吸い取られて金融業にばかりお金が集まってしまいます。

キャッシュレスはすべてJPYCに統一して、可能な限り金融機関にお金を落とすことがない未来が来ることを私は望んでいます。

END

いいなと思ったら応援しよう!

この記事は noteマネー にピックアップされました

noteマネーのバナー