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『霧尾ファンクラブ』4話感想 漫才コンビは常に笑顔でステージに立つ・他(2026年4月23日の日記)


生活

 雨の日だった。先日より少し寒い。
 仕事の休憩中にコーディング試験を受ける。この2年ほどはAIの補助付きコーディングに慣れ切っており、構文や標準ライブラリの関数名の一部があやふやになっていたり、簡単なアルゴリズムも忘れていたりと、能力の衰えにショックを受けてしまった。
 仕事の後は秋葉原のブックオフに行く。雨が降っていて客が少なく本格的に本を探すチャンスと思ったが、同じことを考えているオタクが何人もおり、全員雨で湿っていた。
 アニメを録画して溜めていたハードディスクの容量が満杯になりそうだったので、ヨドバシアキバに行きWDの比較的安価なHDDを購入する。しかし円安と物価高で以前に買った時の倍近い値段だった。石油危機も合わさり、何でも買えるうちに買ってしまったほうがいいのではという考えがよぎる。このところ生活のあらゆる場面が投資判断であり賭けのように感じられる。
 夜はアニメを見ながら別件の仕事を2時間ほどこなす。全部観た後に裏番組まで一通り視聴すると3時過ぎ。そのまま寝る。

きょう観たアニメの感想

Dr.STONE SCIENCE FUTURE 28話

 ポピュラーサイエンスやSFにおいては正確さや緻密さより、いかにして嘘にならない範囲でハッタリをかまして"分かった感じ"にさせるかが重要になる。ドクストは基本的にこれを少年マンガ的な方法で解決する。少年マンガなので、合成ゴムのエピソードのように本来ならプレス成形機が必要な場面で誰かが人間離れした怪力を発揮して解決してしまっても全然いい。分からないところはわからないままでも熱血のノリに身を任せていれば筋はわかる。そんな本作が今回は半導体技術がすべて失われているこの世界でコンピュータを作る。腕力のような少年マンガらしい嘘が使えない回路というものにどうアプローチするのか?今回は趣向の違う上手さがあった。
 まず旗を使ってブール代数と簡単な演算を説明し、2つの状態を持ってさえいれば0と1を表現可能なので何でも計算機にできるという話をする。これを回路を使って表現するにあたり、真空管もトランジスタもない世界でどうするのか?という問題に「フェライトコアを使った論理素子であるパラメトロンを採用する」という完璧な回答を出してくる。これは腕力とかじゃなく理詰めの合理性で確かに凄い。回路の仕組みには深入りしすぎず0と1に相当する状態を保持できるということだけ説明してしまい、簡単な加算器を作ってコンピュータへの第一歩を示してこの問題は概ね解決された扱いになる。本当は大型化・高速化も必要だし出入力装置も記憶装置も要るが一旦は大胆に無視して、この理解した高揚感のままエピソードを畳んでしまう。コイルを使っている以上は物理的なサイズもでかいし発熱も凄そうなのでこれがそのまますごいコンピュータになるとは思わないが、それでも現状の手持ちの技術からコンピュータを作るエピソードとしては、考えうるベストの回答だった。

姫騎士は蛮族の嫁 3話

 今回も戦争というセンシティブな話題に触れる。ヴォーエルはこの東方の国について教えるべく、セラを"湖畔の邑"集落に連れて行く。女性たちにもてなされる中で文化を知って蛮族という思い込みが薄れはじめたり、敵将であっても遺恨を覚えない寛容な住民たちに感化されたり、東征(侵略)が彼女たちの夫を奪ったことを知ったりする。
 一方の国を善良に・もう邪悪に描くということの危うさについては前2話と変わらないが、「東方の国の住民は侵略国であるイルドレン王国の貴族に対してすら民族的な対立感情を覚えない」という寛容さの描写には思うところがあった。確かに成熟していて、理想的な市民ではある。だがセラは侵略軍を率いる将であり、ただの住民ではなく政治的な権限も大きい存在であるので、成熟した市民であればこそ戦争責任を問うてもよいはずだ。また「侵略された国がそう思っていてほしい・思っているべきだ」という、抑圧の理屈に使われかねない見方でもある。
 この集落の女性たちは「さ」を多用した、江戸弁と東北弁を合わせたような言葉を話す。しかし東北弁話者としてはこれが気に入らない。敬語表現として語尾につく終助詞の「さ」はまだいい。だが格助詞の「さ」の使い方が誤っている。「さ」は方向や対象を指す助詞なので東京弁で言うところの「に」や「へ」に相当する。実例としては吉幾三の『俺ら東京さ行ぐだ』を覚えていればいい。だが今回は「が」や「を」まで「さ」に置き換えてしまうミスを犯している。架空の世界の架空の方言だからうるさく言うなと思うかもしれない。だが言語というものはアイデンティティであるので、東北弁話者としてはここで黙る訳にはいかない。エセ関西弁に関西人が怒る場面をよく見るが、エセ東北弁に東北人が怒ることはあまりない。話者や露出の少なさなのか抗議のしなさであるのかはわからないが、少なくともまともにキレてこなかった結果がこのクソみてえに雑なエセ東北弁であり、話者への尊重のなさである。これからもエセ東北弁にはキレていく所存である。

クジマ歌えば家ほろろ 3話

 マスコットがやってきて居候する作品はあまりに多いので、視聴者は一目見るだけでパターンに当てはめたがる。『オバQ』のような騒動系キャラ、『ドラえもん』のような能力や機会を授ける存在、『うる星やつら』のようなヒロイン、『小林さんちのメイドラゴン』のように人間社会を知っていく人外。そしてみな愛嬌があり心も通ってくる。しかし『クジマ歌えば家ほろろ』は安易な類型化を拒み、何を考えているか分からない部分のほうが多い。今回もそれが徹底している良さがあった。
 前半は新の幼馴染である真琴がクジマを見に来るが予想していたものと全く違ってビビりまくる。しかも友好の証のつもりで手を指し出したら指を押さえつけられて怒ってると誤解される。実際はクジマがいつもやっている指相撲だと誤解してしまっただけというオチ。いい話だが、クジマは顔の構造からして笑うことがなく、必ずしも心の中の全部はわからない温度を保ち続ける。顔アップのショット、どう見てもわざとホラーのようにやっている。
 後半は家族で写真を撮るが、クジマは難解なロシア語の掛け声をする。帰宅した家族が事情も分からないまま次々巻き込まれるところ、しっかりディスコミュニケーションを徹底している!そして互いにわからないものを多々抱えたままでもみな良い関係を築けてしまう。この背後にはおそらく「未知の存在であってもきっと根は善良である」というかなり強気の仮定がある。現実の我々は同じ人間同士であっても不信感に満ちているというのに!

氷の城壁 4話

 直前に見たクジマがあれほど分からなくても互いを信じる"攻めの楽観主義"だったのに、今度はベースに強い不信感があり衝突や徹底した話し合いを経てやっとわずかに信頼を持ち始めるアニメが流れている。放送されているアニメを一通りリアルタイムで見るとこういう面白さがある。
 冒頭では美姫と湊の対立的な会話のシークエンス。孤立している小雪を気にして話しかける湊の行為は、一人でいることを不幸とみなす傲慢さや舐めではないか、話しかけて依存させることで注目を引きたいだけではないかと指摘する。小雪は自分の内側を知られることに戸惑いを感じて湊との距離を作り拒んでしまう。一方で陽太は小雪の内心やトラウマの理由である五十嵐のことに感づかない。
 この年齢になって学校の嫌なシーンをこんなに生々しく追体験する羽目になるとは思わず、しばらく落ち着かない気持ちになってしまった。社会人と違って他人を一人の人間として尊重する姿勢が未発達で、内輪のノリに他人を巻き込み一方的に迷惑を押し付けることが普通に起こり、しかもそれが罰されない学校という空間への強い不信感。湊の誰かに声をかけたり心配したりせずにはいられない姿勢もナメが入っていると指摘されたようにどこか不気味で、小雪が壁を作るのと同じような周囲の目線への恐れと不信感がベースにあることが察される。

霧尾ファンクラブ 4話

 漫才という形式はすごい。漫才を見ている間は、ステージの上の2人が全てを分かち合う親友であるかのように感じてしまう。だがプロの漫才コンビの多くは徹底的にビジネスパートナーとして割り切った関係であることが多いらしい。『霧尾ファンクラブ』は漫才がもつこの性質をラブストーリーに転用した。ボケとツッコミをやっている間は2人が同じ景色を共有しているように見えるので、その裏に複雑な内面を抱えていることに気付かせない。漫才が止んだ途端に覆い隠されていたシリアスな本心が明らかになるのがこの話数だった。
 一貫して登場する消しゴムが各キャラの内心を対比する。冒頭の満田に「両想いになれるおまじない」を聴きに行くシーンでは、好意を持つこと自体が許されないと考える満田の回想が描かれ、ここでは落とした消しゴムは踏まれる。消しゴムに付いた内履きの跡をちゃんと描く。藍美が霧尾くんを好きになった本当の理由の回想。消しゴムを拾った時に好きになったというのは嘘で、本当は病院で誰かの見舞いに来ていた霧尾の笑顔を偶然見かけて惹かれたのだった。しかし霧尾はその大事な人を亡くして笑顔を失う。「涙なめなめソング」の解釈が反転する、すごいシーンだった。藍美が大事な想いを消しゴムに書いて握りしめる一方で、藍美を想う波はこの時が続いてほしいという願いを消しゴムに書いていた。だが何かを消した途端に消しゴムは割れそうになってしまい、この日々が続かないかもしれないという不安が示唆される。
 このエピソードを経由してもこの先にはまだギャグが続く。どんなことがあっても漫才コンビが笑顔でステージに立つことを連想せずにはいられない。

リィンカーネーションの花弁 4話

 東耶をスパイと疑っていた舩坂は、自分を守ってくれたからという理由で疑いを捨てる。その真っすぐな想いにから東耶は自身の過去と目的を語り始めた。病的に何らかの才能を欲し、奪いたいという執着……。その後、罪人軍からは不死身の力を持つルーデルが襲来、同じ不死である船坂が戦いを挑む。
 知っている軍人や独裁者が色々と出てきて、確かに中二病的で面白くはある。文字演出とか真っ白な雪景色の異空間とかも見栄えする。だがわれわれはもう素朴に面白いと言っていい年齢ではないので、煙たがれても文句を言わないといけない。第二次世界大戦の軍人や独裁者を出す無神経さに辟易するし、罪人の才能を持った現代人も罪人という遺伝的なスティグマもやはり問題がある。

魔物喰らいの冒険者~俺だけ魔物を喰らって強くなる~ 4話

 タイトル通りにその場で魔物を喰らってスキルを組立て窮地を脱するという、『ドミニオン』みたいなデッキ構築型ゲームみたいな感覚の話になっている。悪質な冒険者狩りに対しても毒耐性と魔物から得た予想外のスキルの組合せで勝利する。剣の腕では劣るルードが人間離れした技を繰り出すのは視聴者も驚かせて結構面白い。
 エルフのヒロインの人がまだ全然出てこない。止め絵にモーションとエフェクトを付けるライトアニメのわりにバトルパートは結構やれているとは思うが、止め絵で魅力があるものといえばキャラであり、ヒロイン不在のぶんの絵面の弱さをどうしても感じてしまう。

淡島百景 3話

 モデルになった宝塚がそうであるように、この作品における「淡島」も地名・学校・劇団の3つの意味を持つ。地元も淡島・家系も三代続く淡島歌劇学校出身であるという伊吹桂子のエピソードにおいては、家と血筋によって意図的にこの3つの意味が混ざりあう。
 前半は淡島の教員となった伊吹桂子が帰省から戻ってきた田畑若菜と会話をしつつ、祖母であり絶世の美女でもあった山路よし子の晩年を回想する。孫であっても容姿をけなし、どこまでも女優であった祖母をくそばばあと罵った記憶。同時に自分の中にある祖母と同じものを自覚する。かつて自身が退学に追いやった岡部絵美の死を知り、謝罪の相手を失ったまま人生は続く。普通ならモノローグに合わせて伊吹桂子自身のショットを入れるなら主観=画面中央に入れるのがセオリーなのに、今回はレイアウトが凝っていて意図的に端に寄せた構図を多用する。これは後半の血筋の話に通じるようでもある。
 後半はよし子の母・山路よし子・山路ルリ子・伊吹桂子の4代にわたる物語が、モノローグに合わせ複雑に視点と時系列を入替え描かれる。最期まで「淡島の大女優」であり続けたよし子。夫の寛一を早くに亡くし、ルリ子が両親に似なかったので愛しきれず辛辣な態度を取り続けた。ルリ子は「本当の家庭」を作るために結婚する。桂子はルリ子が封じてきた感情をすべて持った生き写しのような存在であった。みな他人と割り切れないゆえの因縁が絡み合う。家族であっても他人と正論を言ってしまう伊吹吉彦の何もわかっていない様子によし子が呆れるのもよくわかる。淡島の女優として生きるということは土地に縛られ、親子とも血筋による容姿の良し悪しや才能に向き合わされて逃げられないことでもある。「淡島」がもつ地元・学校・劇団の3つの意味が重なってしまうゆえに血筋や家に呪われる不幸があるのだった。『淡島百景』はどのエピソードもすごいが今回は構成も演出も物語も圧巻だった。前回のような激情もなければ演劇のステージの見栄えするシーンもない比較的淡々とした品位ある演出のなかでひたすらに心が揺さぶられ続ける回だった。

灰原くんの強くて青春ニューゲーム 4話

 竜也がコンプレックスを覚えていら立っていたことに夏希は気付かず、どこまでも自分本位だったせいで気まずい関係になってしまったことに罪悪感を覚え落胆する。しかし幼馴染の美織は落ち込む夏希を励まし、それは竜也が悪いだけだと看破する。これは1週目で夏希自身が僻みやコンプレックスを持っていたからこそ陥った問題で、2週目で解決する課題としては確かにふさわしい。竜也との和解パートの他に各キャラの掘り下げもやる。
 美織、都合がいいくらいにあまりにもいい人すぎる。ここまでしっかりメンターをやってくれているのが同級生のヒロインというのは流石にすごい。自分本位さからの脱出だって自分が痛い目を見るんじゃなくて竜也を諭す形で解決する。ちょっと前だったら夏希を顔面パンチして目を覚まさせる兄貴分キャラや強気の姉キャラが担当していただろうし弱い自分にケジメを付けるイベントもあっただろうと思うので、甘やかされすぎてないか!?と思わないでもない。おれもすっかり老害になった。

また殺されてしまったのですね、探偵様 4話

 こんなバカなクローズドサークルある!?


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