同じ会議録なのに、なぜ内容が違うのかーー信頼は検証可能性から生まれる【第3回】
今回は、小平市立学校の「いじめ対策委員会記録」を巡って起きた、極めて不可解な問題について書きます。
この問題は、3月定例会最終日に生活文教委員会に付託された請願第18号「小平市立学校におけるいじめ対策委員会の会議記録等の公文書管理体制の整備等を求めることについて」の発端となったものです。
発端は、二人の市民への情報公開
小平市立学校におけるいじめ対応の問題点については、我が会派(一人会派と維新の会)の安竹洋平議員がこれまでいじめ被害者家族と向き合い、一般質問などで追及を行ってきました。
その安竹議員が筆頭紹介議員となって提出された今回の請願のきっかけとなったのは、二人の市民が、それぞれ情報公開請求によって入手した資料でした。
本来、同じ会議録であれば、同じ文書が開示されるはずです。
しかし、実際には違いました。
同じ日付なのに、内容が違う
まずはこちらをご覧ください。

請願第18号の関係資料として生活文教委員会に提出されたものです。
左がAさんに開示された資料。
右がBさんに公開された資料です。
どちらも「令和4年11月29日」の「いじめ対策委員会記録」です。
しかし、一見しただけでも、
様式が違う
記載項目が違う
印の有無が違う
ことが分かります。
一覧化すると、さらに大きな差異が見えてきた
問題はこれだけではありませんでした。
請願資料では、他の日付についても一覧で比較されています。

例えば、
第2回(11月2日)
Aさんには「1枚」
Bさんには「11枚」第3回(11月7日)
Aさんには「2枚」
Bさんには「19枚」第4回(11月8日)
Aさんには存在せず、
Bさんには「2枚」開示
されていました。
さらに、Aさんへの開示資料には、対策委員会の「第〇回」という回数表記がありません。
一方、Bさんへ公開された資料には回数表記があります。
なぜ「回数表記」が重要なのか
この違いは、単なる様式の違いでは済みません。
なぜなら、回数表記がなければ、
「特定回だけ抜けていても分からない」
からです。
実際、第4回分はAさんには開示されていませんでした。
請願資料でも、
「Aさんへの開示資料でいじめ対策委員会の回数表記がない
→ 第4回分をAさんに開示せず隠ぺいするためでは?」
と問題提起されています。
「改ざんが疑われる」と請願で指摘
こうした差異が確認されたことから、情報公開請求者や請願者は、公文書の改ざんが行われたのではないかとの疑念を抱くことになりました。
実際、請願資料の表題にも、
「同一日付の書類が複数存在し公文書の改ざんが疑われる点について」
と明記されています。
また資料中でも、
「公文書改ざんが常習化しているのでは?」
という強い問題提起が行われています。
問題は「いじめ対策委員会」だった
ここで重要なのは、今回の対象が単なる事務文書ではないということです。
学校いじめ対策委員会は、いじめ防止対策推進法や、国・市・各学校のいじめ防止基本方針に基づき設置される重要な組織です。
つまり、子供たちの命や安全にも関わる協議記録です。
その記録について、
内容が異なる
一部が存在しない
なぜ違うのか説明できない
という状態が発覚したことになります。
そして、請願へ
こうした問題を受け、市民から提出されたのが今回の請願です。
請願では、
約3年で廃棄された経緯の公表
全市立学校の再調査
公文書管理体制の抜本的見直し
などを求めています。
問題は、単に「文書が違っていた」という話ではありません。
行政において、公文書とは、「後から検証するため」に存在するものです。
しかし今回、そもそも何が正式な記録なのか、市民側からは判別できない状態が生じていました。
これは、極めて重大な問題と考えます。
