プラナカンを旅する ペナン編
プラナカンは16世紀、明朝が派遣した鄭和艦隊の随行員としてマレー半島に渡った中国人が現地で結婚し定住した人たちが起源とされる民族です。言葉の意味はマレー語「ここで生まれたもの」を意味するそうです。現代ではシンガポール、マレーシアの国民国家による文化形成に飲まれて、消えゆく文化、絶滅危惧種になりつつあります。ということで、歴史の一ページとなる前に、まだプラナカンの生活が生きているうちに訪ねてみたいと考えました。

中国人の海外で暮らす人達、いわゆる華僑は大陸の南部、福建省を中心とした農業生産力が人口を養えない故の出稼ぎです。苦力と記される肉体労働から開始し、飲食店を営み、次第に金融資本を蓄積することで、世界各地に中華街を築き華僑ネットワークが形成されました。大規模なものではベトナムのホーチミン、チョロン地区やタイのバンコク、カナダのバンクーバーなど、横浜、神戸、長崎を含めて世界中に広がっています。彼らは中国人であり現地語を話しながら家庭や仲間内では中国語、福建や広東語を話すのが普通です。
一方でプラナカンは、こうした華僑、華人と異なり現地で妻を迎えて混血化しました。概してマレー人やタイ人にはならずに中国文化を基盤にしつつ独自の文化を維持、民族として分家していった人々たちで、ラテンアメリカのメソチーソが同種の混血民族といわれています。特にマレーシアとシンガポールは学校教育において、中国語での義務教育が認められているため、プラナカンの人達は数世代の渡り中国本土から離れながらも、完全な北京語が会話出来ます。もちろん、同等に英語、マレー語も話します。私がハワイに在住していたとき、多くの日系人に出会いましたが、日本語を話すのは一世のみで、二世世代からは英語です。この点は大きな違いかも知れません。一方、タイのプーケットではプラナカン料理店では英語での会話で中国語は(観光客以外は)耳にしませんでした。国家の教育制度の影響力はとても大きいですね。
民族としてのプラナカンの最大の特徴は経済力だと思います。華人の才能でも性質でもある蓄財は、最も現実的な安全保障です。16世紀にマレー半島へ渡来し、ポルトガルに始まりオランダ、イギリスの植民地支配下で西洋人に重用されて特権階級であり続けたことが蓄財できた理由とされますが、理由はさておき、文化は経済力のあるところで開花します。ここが重要な所で、プラナカンの特徴は圧倒的な経済力で、時代時代の最高に良いものを目利きして収集していったことにあります。前おきはこれくらいにして、旅の記録を綴ってまいりたいと思います。
1年近く、さぼってしまいました。
ペナン編、プーケット編、マラッカ編の3部に分けて投稿します。

2025年9月14日 ペナン島へ
OD873便は定刻でクアラルンプールに到着。KLの気温は東京より少し低いくらい。
入国審査は電子入国証MDACを事前登録しておくことで10人くらい並んでいたが、あっという間に通過した。米国ESTAと違って余計な手数料を取らないので、歓迎されている気がする。ただし、簡単にできるが手数料を掠め取るサイトがGoogle広告の上に来ているので引っかからない事。
国内線のエアアジアに乗り継ぐため、KLIAターミナル1から2へ移動する。時間が十分あるので無料のシャトルバスを選択。到着ゲートを出て左方向に止まる。中央の島でタバコを吸っていたら来てしまったので乗車。10分で到着した。成田の第一第二より一回りでかい分だけ距離あり。

プラザプレミアムラウンジで夕食。ラクサ面がキッチンコーナーで出してくれる。ビールもイスラム国のため酒類のフリーフローは無くオーダー式。ぜ人の手が掛かってるので上手い。
20:35発ペナン行きは、delay が表示されてなかったのでもしかして定刻で飛ぶのかと思ってボーデイング19:55の30分前にゲート待機した。エアアジア的にはdelayが表示されないのは、機材到着の見込みが立っていない事らしい。日本から撤退したのもわかる。
機材がゲートに到着したのは出発時刻の20:35そこから30分で乗せ込んで定刻出発に間に合わせたようだ。ペナンの到着フロアに10時過ぎに到着したのだが、当然、Grabはつかまらない。現地に人は夜遅いフライトは予約するのだろうか27ー34−40MYRと釣り上がっていくが車が来ない。諦めて55MYR+チップ5で空港タクシーにする。これはすぐに乗れる。ホテルに23時過ぎに到着した。
コンビニで飲料を買いがてら外に出てみる。ペナンは(1世2世から10世代以上のプラナカンを含めて)中華系が70%を占める。このため、インド人街を除けば全て中華街という見立てで看板は漢字がメイン、建物は広州やアモイで見られる一階前面が引っ込んで2階が乗っかっている騎楼と呼ばれる様式である。元々は西洋人のバルコニーが原型ということで、マラッカやペナンあるいはインドネシアのバタビアといった初期の西洋植民地から東南アジア、中国南部へ広がっていったと言われる。
明らかに西洋の影響は色濃く残存しており世界遺産指定を受けた理由のひとつ、文化の価値観の相互交流、をみることが出来る。

ジョージタウン
粿條面
粿は閩南語で米で作った餅 條面は平たいきしめん。食感はベトナムフォーと同じ。出汁はこの店では鳥がらがよく煮込まれ、魚醤が少しある鶏ガラ醤油でこれはうまい。トッピングで鳥骨付き肉の煮込み チクテー(鶏骨茶)? にんにくも効いていて複雑な味、これもうまい。💦水1.5RGはミニマムオーダーを加えて10.5RGの朝食


短時間に数センチも降るので側溝が深く掘られていて氾濫を防いでいる
チョン・ファッ・ツィーマンション(Cheong Fatt Tze Mansion)
ブルーマンションの別名で知られる19世紀の実業家張弼士の邸宅。東洋のユダヤ人と呼ばれる客家の出身。スズ採掘からアヘン貿易に至るおよそ金になるもを全て手掛けた東洋のロックフェラーとも呼ばれる人物となる。
ここの特徴は材料を美的なもの文化的なものに昇華できている事だと思う。




この施設はユネスコの世界文化遺産建築保存賞を2000年に受賞しており、文化財の保存と観光事業のバランスをうまく取っている。見学には、1)宿泊する、またはレストランで食事する 2)ガイドツアー 3)セルフガイドの三種で予約制で人数を絞っている。2)3)は25rg。
アルメニアン ストリート
アルメニアは中央アジアコーカサス地方にある人口200万の小国であるが、国外居住者が800万人という商業民族でユダヤ人とも比較される。現在では多くの場所で現地化していて問題なることは少ないようで、ここジョージタウンでも街路名としてだけ残っている。このストリートはウオールアートやアンブレラ装飾が有名で、映えトレンドにマッチさせた観光施策が奏功している。

極楽寺(Kek Lok Si)
チョン・ファッ・ツィー周辺から30分、Grabで25RGほどで、東洋一の大寺院らしい極楽寺を訪れることができる。寺院群としては高野山や比叡山がずっと規模が大きいが、ペナン市外全域を眺望できることと、中国人らしい派手さ、巨大さ、から媽祖信仰の本尊と言う感じだろう下。マカオの媽祖廟の10倍くらいの規模で、信心深い華僑たちが一体、100万円を超える仏像の寄進が今でも絶えずに行なわれている。



この寺は基本的には中国南部で行き渡る媽祖(航海守護神)で道教であるが、タイやミャンマーの高座部仏教の影響も建物からは感じられる。ただし、修行僧は見かけず、土産屋含めて拝金的な雰囲気が濃いので、敬虔な宗教感を感じることはできない。
ここペナンでも宗教を感じるのは圧倒的にイスラムで、朝な夕なにモスクからは祈りが読み上げられる。この共生がマレーシアたる所だと思う。
タンジュントコン
今回、平日は仕事をする必要があり仕事部屋を確保出来る市内観光地区から離れた家具付きマンションに4泊した。island88アイランドプラザという香港資本がマネージするショッピングモールの5階から12階がレジデンスで、部屋は9階のキングスイート65平米。洗濯乾燥機を含めて十分な設備を備える、アゴダで1泊8000円弱で、一般的な旅行者向け三つ星ホテル20平米が6000円程度と比べるとやや高価であるが、サブディスプレイを使いながら広いデスクスペースと終日業務を行うためにはコストに見合う価値はあった。日本人も含めて海外駐在員が居住する地域でもある。


ジョージタウン英国居留地
ここを拠点に主に夕方、ペナン島の各所を探訪する。当然ながら英国植民地であり、西洋式建築群も含めて世界遺産指定されている。


ナシカンダール
当地のソウルフードのひとつでナシはマレー語で米、「カンダール(肩に担ぐ)」で意訳すると、ぶっかけご飯、ねこまんまである。中華系がブルジョワジーを構成するのに対して労働者はインド系とマレー系が多く、庶民に支持されている吉野家、松屋の類である。
ライスはビリヤニ(インド式炊き込みご飯)奥の黄色がキャベツ炒め、フライドチキンに複数種類のカレー汁が掛けられている。飲み物は必ずオーダーしないといけないらしい。お代は10RG程度。

バツーフェリンギ海岸
アイランドプラザからバス(2RG)で20分で行ける、島北側のリゾート地。一昔前のパッケージツアーでよく使われた五つ星ホテルが建てられいる。マレー半島からの土砂の流入のためかペナンの海は綺麗ではない一方で、夕景の美しさは圧倒的。今回の旅行地、プーケット、マラッカも定評があるが、ここバツーフェリンギで最も美しい日没に出会うことができた。偶然、天候が西に晴れた日であったためだと思うが。。

朝食あれこれ

Penjaja コンプレックス 6RG


Penjajaコンプレックス 7RG
和食、中華

少し高いが清潔でビールも10RGでコップ付き
一品はトンポーロー
88プラザから山側に少し登った所にある綺麗な店

この店は美味しい

ビール1缶で30RG程度の最安クラス
ビール1本9.5RGは最安クラス。冷蔵庫から自分で持って来る台湾スタイル

Penjajaコンプレックスで朝食

朝7時から開いている

ヒレカツ定食 豚汁付き 40RG. 海外の日本食では最高クラス。
ハワイであれば五千円以上はする逸品
ニョニャ料理
プラナカン関連のガイドブックに載っているWinn‘s Cafe ミシュランピムグルマン店。平日の夜のためか予約なしで入れるのが良い。地元の比較的裕福なプラナカン家庭の御用達。女主人はシンガポールのプラナカン会にも出席しており、プラナカン文化の伝承者の1人。プラナカン量と言う以前に、料理として完成度が高く今回の旅行で最も美味に出会えた。

ココナッツも入る複雑な味、レモングラスも効果的




ペナン島は仕事以外で長期滞在をしている人も含めて2000人ほど在住しているそうです。滞在するほど愛着が湧く魅力があり、なぜかなと考えたのが、造られていない観光地、生きている町、ということ。もちろんマレー系、中華系、インド系と言っているのは我々だけで、皆さんが当たり前に共生きていること、つまり異邦人である私が入っても壁を感じないで暮らせる心地よさ、にあるのかと思いました。
例えば
