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mirecat
【小説】色彩の六賢者〜失われた記憶をたどる旅〜
プロローグ
朱(しゅ)、鮮やかな赤。
藍(あい)、深い青。
翠(すい)、透明感のある緑。
紫(むらさき)、雅やかな紫。
琥(こ)、温かみと安定感を持つ。
あれ?
でも、六番目の色彩は?
遥か千年前――。
六人の賢者が大いなる災厄を封じたと、古き書は語る。
その名は吟遊詩人の歌となり、石に刻まれ、祈りとともに伝えられてきた。
だが、記憶されるのは五人だけ。
六番目の名は、どこにも残されていない。
歌の中に影はなく、石碑の列にも姿はなく、ただ風に消えたように。
けれども、古の石版に刻まれた言葉は、ひっそりと告げている。
――封印が揺らぐ時、忘れられし勇者が再び呼び覚まされる、と。
静かな夜、片隅の村で一人の少年が夢に見たのは、黒き翼がひらく音と、遠い声のささやきであった。
(つづく)
