【小説】町工場の庭師
あれから25年か‥
2000年に竣工した看板が、クレーンで吊り下げられ、ゆっくりと、ゆっくりと、降ろされていく様子を見ながら、様々な思いが走馬灯のように駆けめぐる。
20代で9.11、30代で3.11
そして、40代でコロナ
いろんなことが起きたけど、
その度に乗り越えて成長できた。
今思えば、試練は、
美しい花を咲かせるために、
必要な栄養素だった気がする。
長いエンジニア生活も今日終わる。
この物語は”町工場の庭師”と呼ばれた
陰気で不器用なエンジニアの物語である。
1.本編
『町工場の庭師』
・2025年1月8日
年明けの新年会で、会社の仲間4人で集まり、行きつけの焼き鳥で別れを惜しんだ。
ひさびさに深酒し、電車を乗り過ごし、終点まで行ってしまった。
ひさびさに思いっきり飲んだな‥
終電で帰るすべもなく、二つほどの駅をまたぐ距離を、ダラダラと歩いて家に帰った。
夜中も夜中、やっとの思いで朝の3:00ごろに家に着き、ふらふらと自宅の2階の階段から降りる途中で、うっかり足を踏みはずし、アッと思った時には、床に倒れていた。
フローリングの冷たい床が頬に当り、あまりの冷たさで目が覚めた。
おもむろに立ちあがろうとしたが、全身ををひどくぶつけたようで、身体に力が入らない。
あちゃー、やっちまったな‥いったいどうなった?なんだか自分の身体が、なぜか自分の身体じゃないみたいだ。
身体中がズキズキ痛むが、特に顔面がひどい気がする。鏡で自分の顔を見てみたいが、なぜか身体に力が入らない。
ちょっと打撲したどころの痛みではない。
これは尋常じゃないな‥
そう予感したとたん、急に怖くなり、思わず妻に助けを呼ぶために叫んだ。
はずだった
しかし、声にならない
もう一度、思いっきり叫んだ。
が、声にならない。
口はもごもご動くが、声にならない、ふがふがと、まるで自分の意思とは関係なく、不気味に口もとがグニャっと傾くだけで、まったく声にならない。
‥ だめだ
俺、声がでない!
背筋が凍るような、イヤな予感がして、死にかけの魚のように、ピクピクと身体を動かすが、何も起きなかった。
2.テーマソング
『わたしに花束』〜Ado〜
3.今日のマメ知識
読みやすい記事の書きかた
note公式による、書くための10のコツ
本作は2025年に発売予定の書籍の下書きです。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
