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【研究】「卒業」山中サトシ〜恋の輪郭をつかみたいあなたに贈る物語〜

あなたは恋したことありますか?

わたしは‥



あります。

いまでも、ふと目をとじると
彼女の浴衣姿がよみがえる

若い頃のわたしは
夏のある日
夕方に仕事が終わり
あわてて彼女を
車で迎えにいく

大阪から滋賀までデミオを走らせ
湖上の花火を観にいった

どうしてあのとき
わたしには彼女の手をとる
勇気がなかったのだろうか?

どうしてあのとき
夜空を見上げる彼女の背中を
見ているだけだったのだろうか?

ああ、なんでやろ
なんかきゅんとなる

恋はよく
きゅんとなるって
表現されるけど

なんかこう‥
胸の奥のあたりが
くるしくなるんよね

うーん

なんでやろ?

不思議ですよね
なんなんやろ
これ

でもまあ
たまに”きゅん”と
なりたいじゃないすか
大人でも

じつは、そんな
”きゅん”としたいあなたに
おススメの作品があります。

じゃ、じゃん!
山中サトシさんの「卒業」です。

この作品は恋を

言えなかった感情として描き
静かに残り続ける痛みとして刻み
それでも前に進める理由として示す

あー

それだよそれ!

それだよぉ、山中サトシさん

ちまたでは選挙虫がさけび
コンビニではチョコがならぶ

さあ、あなたの世界の中心で
恋をさけんでみませんか?


『卒業』 〜山中サトシ〜

Vol.1

Vol.2

Vol.3


【総評】

大人の読者に向けた静かな青春文学

山中サトシさんの「卒業」は
恋心を「言えなかった感情」として描き
喪失を「静かに残り続ける痛み」として刻み
希望を「それでも前に進める理由」として示す

🌸恋心、🕊️喪失、🌱希望の3テーマで
山中サトシさんの「卒業」を紐解いてみる


🌸恋心

この作品の恋心は、燃え上がる情熱じゃない。
むしろ言葉にされないまま、胸の奥で静かに揺れ続ける感情として描かれている。

「好き」と言えなかったこと、
あるいは言わなくてよかったのかもしれない、という逡巡

相手の存在が日常に溶け込みすぎて、
失って初めて、それが恋だったと気づく

そんな後追いの感情が、
読み手の胸にじわっと染みてくる。

恋心が「始まり」ではなく、
”終わりの瞬間に輪郭を持つ”
という描き方が、とてもじょうずな作品だ。


🕊️喪失

山中サトシさんの「卒業」は、
別れの物語であると同時に、
取り返しのつかない時間を
抱え込む物語でもある。

卒業によって失われるのは、人だけじゃない

・並んで歩いた帰り道
・当たり前だった会話
・「また明日」と言えた距離感

それらが一気に過去へ押し流される感覚が、
派手な演出なしに、淡々と描かれるからこそ、痛いのである。

ここで描かれる喪失は、
泣き崩れるようなものではなく、
あとからじわじわくる、静かな喪失感

「もう戻れない」という事実が、
読後にそっと胸に居座る。


🌱希望

それでも、この物語は絶望で終わらない。

希望は、未来への明るい約束としてではなく、
「ちゃんと失った」という実感の中に生まれる。

恋をしたこと
大切だった時間
言えなかった言葉

それらが無駄ではなかった、と
主人公たちが静かに受け止める瞬間に、
確かな希望が宿る。

卒業とは、
何かを捨てて前に進むことじゃない。

失ったものを抱えたまま、
大人になることなのだと、
山中サトシさんの「卒業」は
そっと教えてくれる気がする。


恋心を、言えなかった感情として描き
喪失を、静かに残り続ける痛みとして刻み
希望を、それでも前に進める理由として示す

あの時の恋の輪郭をつかみたい、
そんなあなたにオススメの作品です。

以上、すみひろでした🐦✨

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