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総人口の減少を在住・在留外国人の増加は緩和している

 1)総人口の減少と在住外国人の増加
  在留外国人統計を先にみたが、よく話題になる日本の総人口は、これとは別に住民基本台帳により、在住外国人を含めて作成されている。
 他方でGDPは、日本国内での生産活動の評価なので、日本企業・日本人の海外での活動を除外している。このような統計の作成方法を前提にすると、1)在住外国人の存在・増加は、日本の総人口減少の緩和に役立っている。2)日本のGDPの減少は、日本の総人口の減少のほかに、日本人・日本企業の海外での活動の拡大による面もある、と理解すべきではないか。
 人口統計の場合はそれでも、日本人と外国人を区分けした統計も作成されるが、GDPの場合は、そんなものは作りようがない。在住国人だけでなく、日本に一時的に来日される外国人の方も含んでいる。
 他方で、日本人で海外でお住まいの方や、日本人の海外での経済活動は、海外の統計に含まれている。これは企業の生産活動も同じである。
 こうした統計の作成方法を前提にして、日本の総人口の推移や日本のGDPの推移を見る必要がある。
 総人口については、在住外国人の増加は、日本の総人口の減少を緩和している。とくに在住外国人は年齢層で若い人口が多いので、生産年齢人口の減少の緩和に役立っている。在留外国人の問題を考えるときに、外国人は日本の人口問題の緩和に役立っていることを考慮に入れて議論を進める必要がある。
 他方、日本の企業活動は、今、海外にかなりシフトしている。国内の生産活動だけで日本の経済活動の大きさを見ると、つまりGDPだけ考えているいると、日本人・日本企業の経済活動を過少評価してしまう可能性がある。
 以上2つの問題のうち、今回は日本の総人口の減少と在住・在留外国人増加によるその緩和との関係について述べたい。

2)外国人増加による総人口減少の緩和
 10月1日現在の住民基本台帳の数値でみると、日本の総人口は2008年10月1日の1億2808万人をpeakに減少に転じたとされる。つまり減少に転じてほぼ20年である。かつ近年、減少のspeedが上昇している(実際の人口減少率は下段の最後の図表、左から3段目 前年比で2009年マイナス0.04% 2014年マイナス0.14%   2024年マイナス0.44%)。
 これには高齢化の進展が関係している。高齢者ほど死亡率が高いので、人口の高齢化(=高齢者の人口比が上昇すること)が進むと(以下の図3)、人口全体の減少率は加速する。若い人が出産で少し頑張っても、死亡者数の増加には決して追い付かない。従って、日本の総人口は急速に減少するしかない。この問題を緩和している大きな要因が、在住外国人の増加である。
    最初に日本の総人口(在住外国人含む)での高齢化を確認する。

厚労省HPより

 まずこの数値は各年10月1日現在の数値。65歳以上の人口を示す高齢化は図表の期間にゆるやかにかつ一貫して上昇を続けている。この表でもうひとつの注目は生産年齢人口(15歳以上64歳以下)の比率である。この数値は1990年代後半から減少をはじめたが、2015年頃から減少がゆるやかだったことがわかる。
   この問題、総人口及び生産年齢人口の減少を、この間、やわらげてきたのは、在住外国人の増加である。
 以下は法務省が作成する在留外国人統計の年末値の表に見られるように、東アジア金融危機ー東日本大震災による減少(2009-2012)、コロナショックによる減少(2021-2021)を経験しつつ、大きな流れとしては2013年以降、急速に増えている。ただし2008年のpeakを超えるのは2015年以降である(下表およびサムネイル サムネイルは毎日新聞2025年8月6日)。

社会実情データ図録より

 住民基本台帳でみた外国人の人口年齢構成は、生産年齢人口のところが大きい。海外から日本に来て働いている、あるいは学んでいる人が主体なので、在留・在住外国人は、まさに生産年齢人口に偏っている。当然のことながら、そうした在留・在住外国人の増加によって、生産年齢人口の減少がとくに緩和され、総人口の減少も緩和されている。
     以下はその裏付け。小池司朗「近年における外国人人口の地域分布」『人口問題研究』78-3  2022年9月 p.422図3である。日本人と日本に住む外国人の年齢構成を示した人口ピラミッド(2020年)である。資料は「2020年の国勢調査」。

厚労省HPより日本の総人口の推移

 最後に以上の論点を上表(10月1日現在)で確認しよう。総人口の減少率は左から3段目である。近年の総人口減少率は0.4%台である。減少の大きな要因は自然増減での減少超過で、2024年をみると、年間で890万近くが減少超過である。これは高齢化を反映し、毎年数字が増えている。
 これを補っているのが社会増減での外国人の流入超過で2024年は342万人と書かれている。外国人の増減が総人口に反映されることで2024年の総人口減少は550万にとどまっている。


 




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福光 寛  中国経済思想摘記 main page: https://note.mu/hiroshifukumitsu  マガジン数は20。「マガジン」に入り「もっと見る」をクリック。mail : fukumitu アットマークseijo.ac.jp