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NETFLIX 大洪水 を見て

 ネット上の批評は散々だが、個人的には面白かった。ただ見ていて疑問も沢山。一つは主人公の上着に現れる数字の意味。ループした数だというので、上着に数字が表れるのも変だが、そこまではいいことにしよう。
 最後の21499という数字が21499回のループというところまではいいとして、それが60年と解説子が言うのがよくわからない。というのはこれはあくまで、スパコンの中で繰り返し行われるループだと思うのだが、なぜそれが60年という年数に換算されるのだろう。
 21499を365で割ると58.9。およそ60回。ただループに1日かかるというのはなぜだろうか。現場で主人公が死ぬまでの時間はいずれも数分でかつバラバラだろう。なぜ1日経過するのかよくわからない。
 もう一つわからないのは、主人公の子供は、人造人間らしいが、永遠に6歳の子供という設定が一方であるが、他方で、映像の上で、赤ちゃんからの成長が描かれている。この成長のプロセスがあるなら、6歳からさらに成長していいようにも感じる。なぜ6歳で成長が止まるのか(6歳をくりかえすのか)、そこでデータ回収になるのか、がよくわからない。
 またこの映画が示す想定は、おそらくこの危機を予知して、こっそり備えていた「賢い人達」がいたということだろう。ただその人たちの機能が、極限状況ですべて予定通り動いているという想定はどうしても甘いと思える。
    

  他方で、迫りくる津波の高さの表現であるとか、津波に飲み込まれた団地の表現とか、こうしたあたりのリアリティの高さは、映画を見て見飽きない面白さになる。 
 もう一つは,登場人物が、ループの中で互いを学習して、助け合うという想定である。また、人々の行動が、ループする度に変わってゆくという想定。この辺りも面白い。
 ただそこでまた再び疑問。この学習が、主人公を助ける人の間でだけ起こるのはなぜかがよくわからない。主人公を追う黒づくめの人や、空き巣強盗をする人たちはなぜ学習して、強くならないのだろう。また、主人公の超人的な潜水力、遊泳力がどこから来るのかは説明されない。
 最後の「落ち」だが、母親と子供の間の感情というのが、次の人類に伝える大事なものらしい。感情だけなら、最初からあるのだが、映画はその感情が強まり体験として成功するまでループを繰り返させている。ただそれをどこに記憶させ伝えるというのだろう。その感情を含めて人類はどのように再生できるのだろう。ここも沢山疑問が残る。
 疑問はたくさんあるが、すべてを説明せず、そうした疑問を観客自身に解かせるのも仕掛けかもしれない。考えさせてなお疑問が残る。というプロセスは面白い。結論として傑作という評価の方に1票を投じて置きたい。

Edward Leary, A Must See Thriller or Total Wash Out, Zapzee 2025/12/19

Film Review in Instagram: The Great Flood, 2025/12/20


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福光 寛  中国経済思想摘記 main page: https://note.mu/hiroshifukumitsu  マガジン数は20。「マガジン」に入り「もっと見る」をクリック。mail : fukumitu アットマークseijo.ac.jp

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