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モデルナmRNAコロナワクチンは胎盤を透過し、胎児に抗体を産生させる: Molecular Therapy Nucleic Acidsに掲載された論文から

妊婦に接種されたmRNAコロナワクチンが胎盤に移行した事例はすでに報告されています。ではコロナワクチンmRNAは胎児自身にも取り込まれ、その体内でスパイクタンパクを産生し得るのでしょうか?また胎児の体内でスパイクタンパクが発現した場合、胎児の免疫系はそれを抗原と認識して反応するのでしょうか?

ある胎児の血液や胎盤からワクチンmRNAまたはその産物が検出されなかったとしても、それがワクチンを接種した母親から胎児にワクチンmRNAが移行していない証明になるというわけではありません。mRNA-LNPはワクチン接種後最初の24時間で急速に循環系から減少し、実際、血中のmRNA-LNP濃度が50%減少するのに必要な時間は2.7~3.8時間程度です。そのため胎盤を通過するmRNA-LNPがあったとしても、それは母親がワクチン接種を受けてから24時間以内に通過する可能性が高いのです。Chenらは母親マウスにモデルナmRNAコロナワクチンを接種し、胎盤通過能力を再評価しました。この研究ではmRNAワクチンがマウスの胎盤を通過して胎児に取り込まれ、さらに胎児においてスパイクタンパクに対する抗体が産生されるという事が判明しました。

mRNA-1273 is placenta-permeable and immunogenic in the fetus
Chen et al. (2025) Molecular Therapy Nucleic Acids

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2162253125000435

mRNA-1273は胎盤透過性であり、胎児に免疫原性を示す

COVID-19 mRNAワクチンは、妊娠中の投与でも一般的に安全であると認識されている。しかし、その胎盤透過性薬物動態は依然として不明である。本研究では、妊娠マウスに筋肉内投与したmRNA-1273は、速やかに母体血中を循環し、1時間以内に胎盤を通過して胎児循環に広がった。胎児循環中のスパイクmRNAは4~6時間で消失したが、肝臓を中心とする胎児組織に蓄積し、スパイクタンパクに翻訳される可能性があった。出生後の新生児は抗スパイク免疫グロブリン (Ig) M、父親由来の抗スパイクIgG2a、および高まった抗スパイク細胞性免疫を備えており、胎盤通過型mRNA-1273は胎児において免疫原性を示した。妊娠中に投与されたmRNA-1273は、その用量依存的に胎児への胎盤通過と免疫原性に影響を及ぼし、mRNA-1273の用量が高くなるほど、胎盤を通過するmRNA-1273の量が増え、胎児が産生する内因性抗スパイクIgM/IgGの血清力価が高くなる事が明らかになった。したがって、妊娠中の母親へのmRNA-1273ワクチン接種は、新生児に受動免疫だけでなく能動免疫をも与える可能性がある。我々の結果は、mRNAワクチンの胎盤通過能力と胎児における免疫原性に関する新たな知見をもたらし、周産期の病原体から胎児を守るmRNA医薬の知識を深め、出生前のmRNA分子治療の可能性を広げるものである。

図1

妊娠14日目 (GD14) のマウスに4 μgのモデルナmRNAコロナワクチン (mRNA-1273) を単回筋肉内投与した後、胎児が分娩され、その胎児の血液中の胎盤通過型LNPが、抗ポリエチレングリコール (PEG) 抗体を用いて酵素免疫測定法 (ELISA) により解析されました。PEG化LNPは1時間以内に効率的に胎盤を通過して胎児の循環系に拡散しており、胎児の血流内では少なくとも3日間は持続されていました (図1)。

図2

母体へのワクチンの接種量が多いと胎児の血清中のPEGレベルも上昇する傾向が見られました (図2)。

図3

逆転写ポリメラーゼ連鎖反応 (RT-PCR) 法の解析により胎児からスパイクmRNAが検出されました。胎盤を通過したスパイクmRNAは主に胎児の肝臓に蓄積し、胎盤や体幹部の軟組織にも存在しているのが確認されました (図3)。

図4

免疫蛍光染色による解析ではPEG化LNPは胎児の肝細胞に蓄積しており、LNPを取り込んだ胎児の肝細胞からスパイクタンパクが発現していました (図4)。このように、胎盤を通して胎児に移行したmRNAは胎児の細胞で翻訳されてスパイクタンパクを産生する事が分かりました。

図5

そして母親に投与されたワクチンが高用量であると、低用量のものよりも胎児の肝臓におけるスパイクmRNAの蓄積も多かったのです (図5)。

筆者らはさらに胎児がスパイクタンパクに対して抗体を産生した事も確認しました。

図6

この研究により、妊娠中の母体マウスから胎盤を通してモデルナコロナワクチンが胎児に移行し、胎児の細胞でスパイクタンパクが発現し、胎児に抗体産生を誘発する事が分かりました (図6)。

前提としてヒトとマウスでは妊娠期間が大きく異なります。ヒトの妊娠期間は約40週 (約280日) ですが、マウスの妊娠期間はそれよりもはるかに短く、通常19日から21日です。また、胎児の体内でスパイクタンパクがどのくらい持続的に発現するかには個体差もあるでしょう。この研究ではマウスの胎児はスパイクタンパクに対する抗体を産生しましたが、発生のどの時期に胎児がスパイクタンパクと出会うかによっても免疫系の対処は異なるはずです。胎児期に出会った抗原に対しては免疫系が「自己抗原」と学習し、それに対するT細胞や抗体を作る事ができなくなる機序が存在するからです。そして、そうした個体は生まれながらにして「コロナウイルスに対する免疫不全」になる恐れがあるのです。

LNP/mRNAワクチンが胎盤を透過して胎児の体内に取り込まれるというこの研究結果は、LNP/mRNAワクチン技術の持つ潜在的な遺伝毒性を浮き彫りにしました。いずれはスパイクタンパクを新生児の全細胞で発現しているような例も人間で見つかる可能性が高いと私は考えていますが、そのような極端な例でない限りは汚染DNAのヒトゲノム統合が見つかったとしてもそれはあくまで氷山の一角でしょう。ヒトを構成する細胞の多様さ、ヒトゲノムの複雑さを考慮すると、たとえ人体においてmRNAコロナワクチンによるゲノム統合が起きていたとしても、実際ほとんどのケースでは技術的にその検出は簡単ではありません。そしてmRNAワクチンに混入しているDNA断片がヒトの子孫のゲノムを書き換えた場合、半永久的に人類に影響を及ぼす可能性があり、コロナワクチン汚染DNA問題が深刻である理由とはこの影響の大きさのためなのです。そしてこの汚染DNA問題とは、LNP/mRNA製剤に共通する致命的な欠点であるという事を我々は再認識する必要があります。



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*記事は個人の見解であり、所属組織を代表するものではありません。

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