プロフィール
土田ヒロミ Hiromi Tsuchida
略歴
1939 福井県生まれ
1963 福井大学工学部卒 ポーラ化粧品本舗入社、研究所勤務
1966 東京綜合写真専門学校卒業
1971 ポーラ化粧品本舗退社、以後フリーランス
1971-96 東京綜合写真専門学校教職
2000-2013 大阪芸術大学教授
現在 東京在住
1939年福井県生まれ。福井大学工学部卒業後、ポーラ化粧品本舗に入社。会社員の傍ら、東京総合写真専門学校で学び写真家としての活動を開始。1971年退社後写真家の道を選び、日本人の民族性を追及した『俗神』(1976年)を発表。「日本人としての自分自身の座標を確かめておきたかった」(『俗神』より)というこのシリーズは、福井で育ち、次第に都会へと根付いていく自己の確認、都市化が進むなかで失われていくアイデンティティの再確認がなされており、1970年代にニューヨーク近代美術館のコレクションに入るなど早くから国内外で評価を得る。その後、「俗神」と同じテーマでありながらも、視点が゙原点から到達点という対局をなしている「砂を数える」(1975-1990)で、日本人の「群衆の人」的文化に焦点をあて、過密化した都市のなかへ順応していく民衆の姿を写し出した。その後発表した主なシリーズに、日本経済のバブルの享楽的なパーティを取材した「パーティ」(1978-90)、日本の基幹産業の生産現場を記録した「産業考古学」(1991-2004)。生産の対の風景として国道沿いの消費の風景を記録した「Fake Scape」(1995-2000)、デジタルカラーでバブル崩壊後の群衆にカメラを向けた「新・砂を数える」(1996-2002年)、日本の祭りを記号的に捉えた「続・俗神(祭り)」(1989-2007)など、対象によって全く異なるアプローチを貫いているのは「ニッポンの考察」という主軸である。
また、伊奈信男賞を受賞したシリーズ「ヒロシマ」は、『原爆の子』(長田新編、岩波書店)に作文を寄せた被爆体験者の 33 年後のポートレイト「ヒロシマ1945-1979」(1979年)、爆心地の被爆の痕跡を残す風景の定点撮影「ヒロシマ・モニュメント」(1979-)、広島平和記念資料館におさめられている遺品などを撮影した「ヒロシマ・コレクション」(1981-)の三部作構成であり、ヒロシマを過去の出来事ではなく現在の視点から捉え、写真で「現在」・文字で「過去」を示す方法論は高い評価を受けている。
「ヒロシマ三部作」同様に長期継続するドキュメントとして、2011年の東日本大震災に伴う原発事故による被曝状況の継続記録「フクシマ2011-2017」は、十年毎に風景を定点撮影を継続する「ヒロシマ・モニュメント」と同質思考の作業。広島を相対化するため1999年から2019年までベルリン、2005年からエルサレムの取材を開始。これら海外への視点の拡張は、二十世紀の悲劇を象徴する三都市、核による破壊された広島、冷戦構造の下で国家が二分に破壊されたベルリン、そして、現在21世紀に至るまで宗教、文化の衝突が破壊を生んでいるエルサレム、世紀を象徴する三都市ヒロシマ、ベルリン、エルサレムを繋ぐことで「現代」を捉えようとする構想で進行中。
また、私的な記録として顔のセルフポートレイトを1986年から現在まで毎日一枚撮影の継続作業「Aging」で、時間と「Memontomori」という壮大なテーマに挑戦している。
受賞
1971 太陽賞
1978 伊奈信男賞
1984 日本写真協会賞 受賞
1986 JCJ奨励賞 受賞
2008 土門拳賞
2022 日本写真協会賞 功労賞
写真集・国内
1976 『俗神』(オットーズブックス社)
1979 『ヒロシマ1945~1979』(アサヒソノラマ社)
1980 『青い花』(世文社)
1985 『ヒロシマ』(佼成出版社)
1990 『砂を数える』(冬青社)
『パーティー』(IPC)
1995 『ヒロシマ・モニュメントⅡ』(冬青社)
『ヒロシマ・コレクション』(日本放送出版協会)
2001 『THE BERLIN WALL』(メディアファクトリー)
2004『改訂・俗神』(冬青社)
2005 『新・砂を数える』(冬青社)
『ヒロシマ2005』(日本放送出版協会)
2008 『土田ヒロミのニッポン』(東京都写真美術館)
2011 『BERLIN』(平凡社)
2018『フクシマ』(みすず書房)
『自閉空間』 Autistic Space, Zen Foto Gallery
2022 『Aging』(ふげん社)
2024 『ウロボロスのゆくえ』(Akio Nagasawa Publishing/Case Publishing)
2025 『Hiroshima Monument』(ふげん社)
『Hiroshima Collection』(NHK出版)
『ヒロシマ・コレクションー1945年、夏。』(中之島香雪美術館)
主な展覧会・国内 (「参加」記載はグループ展)
1971「自閉空間」個展 ニコンサロン(東京)
1978 「砂を数える」個展 ミノルタフォトスペース(東京)
「ヒロシマ1945~1979」個展 ニコンサロン(東京)
1980 「青い花」個展 ミノルタフォトスペース(東京)
1982 「ヒロシマ・コレクション」個展 ニコンサロン(東京)
1985 「砂を数える」個展 ニコンサロン(東京)
1990 「パーティ」個展 ミノルタフォトスペース(東京)
「東京・都市の視線」展参加 東京都写真美術館(東京)
1993 「ヒロシマ・モニュメントⅡ」個展 ニコンサロン(東京)
1994 「テント」個展 ニコンサロン(東京)
1995 「核・半減期」展 参加 東京都写真美術館(東京)
1997 「Aging」個展 ニコンサロン(東京)
1999 「土田ヒロミを数える-1」個展 ガーディアン・ガーデン(東京)
「ベルリン1999」個展 クリエイション・ギャラリーG8(東京)
2001 「日本発見-岡本太郎と戦後写真」展参加 岡本太郎美術館(川崎・神奈川
「安藤広重東海道五十三次における模写考」個展 ライトワークス(横浜・神奈川)
「土田ヒロミ回顧展」個展 大阪芸術大学ギャラリー(大阪)
2002 「FAKE-ASPECT」個展 ニコンサロン(東京)
「自閉空間」個展 パストレイズ(横浜・神奈川)
2004 「砂を数える」個展 JCⅡフォトサロン(東京)
2005 「俗神」個展 ギャラリー冬青(東京)
「新・砂を数える」個展 PR Galleryパストレイズ(東京?)
2006 「ヒロシマ2005」個展 ニコンサロン(東京)
2007 「土田ヒロミのニッポン」個展 東京都写真美術館(東京)
2008 「土田ヒロミのニッポン」個展 福井県立美術館(福井)
「土門拳賞受賞記念展」展(東京、大阪、酒田・山形)
2010 「俗神」個展 JCⅡフォトサロン(東京)
2012 「BERLIN」個展 ニコンサロン(東京)
2013 「俗神」個展 ギャラリー冬青(東京)
「フクシマin広島」 ギャラリーG、NSAギャラリー等(広島)
2014 「フクシマ」個展 ニコンサロン(東京、大阪)
「ヨコハマトリエンナーレ2014」参加 (横浜・神奈川)
2016 「フクシマ」個展 福島電力館ギャラリー(福島・福島)
2018 「フクシマ」個展 ニコンサロン(東京、大阪)
2020 「Aging」個展 ふげん社ギャラリー(東京)
2021「ウロボロスのゆくえ」個展 キャノンギャラリーS(東京)
2022 「ヒロシマ・コレクション」JCIIフォトサロン(東京)
2024 「Wall to Wall -エルサレム」Gallery Forest 東京綜合写真専門学校(横浜)
2025「俗神」フジフイルム スクエア 写真歴史博物館(東京)」
KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 参加(京都)
「ヒロシマ·コレクション」個展(中之島香雪美術館)(大阪)
「ヒロシマ·モニュメント」個展(LADS Gallery)(大阪)
「日常とその破壊ー平山郁夫·土田ヒロミ」(平山郁夫美術館)(広島)
「ヒロシマ·モニュメント」個展(ふげん社)(東京)
「不可視への眼差し」展参加(MOMENT)(奈良)
「ヒロシマ三部作」日本外国特派員協会(FCCJ)(東京)
主な展覧会・海外 (「個展」記載以外はグループ展)
1974 「ニュージャパニーズフォトグラフィー」展 ニューヨーク近代美術館(ニューヨーク・アメリカ) (traveled to 8 major cities in the U.S. and Canada)
1977 「現代日本写真家」展 参加 グラ-ツ市立美術館(グラーツ・オーストリア)
1979 「セルフ・ポートレート・ジャパン」展 参加 ICPギャラリー(ニューヨーク・アメリカ)
1983 「写真家によるシンポジュ-ム&写真」展 参加 (グラーツ・オーストリア)
1985 「ヒロシマ」個展 日本ユネスコ協会によるアメリカ各地巡回(アメリカ)
1986 「日本前衛芸術」展 参加 ポンピドゥ・センター(パリ・フランス)
1989 「Photography Now」展 参加 ビクトリア&アルバ-ト美術館(イギリス)
「ヒロシマ」個展 ギャラリーDB-S(アントワープ・ベルギー)
「EUROPALIA89' JAPAN」展 参加 アントワープ州立写真博物館(アントワープ・ベルギー)
1991 「俗神」個展 パリ国立図書館ギャラリー(パリ・フランス)
1993 「ヒロシマ」個展 カナダ現代写真美術館(オッタワ・カナダ)
1994 Foto Fest ’94(ヒューストン・アメリカ)
1995 「Nuclear Landscapes」展 参加 ポートランド美術館(オレゴン・アメリカ)
1996 「JAPAN TODAY」展 参加 ルイジアナ美術館(デンマーク)
1997「People and Landscape」土田ヒロミ:柴田敏雄の二人展 フィッチバーグ美術館(フィッチバーグ・アメリカ)
2000 「記録と記憶(Geschichte und Erinnerung)」展 参加 Historisches Museum(フランクフルト・ドイツ
2003 「The History of Japanese Photography」展 参加 ヒューストン現代美術館(ヒューストン・アメリカ)
「JAPON 1945-1975」展 参加 ヨーロッパ写真センター(パリ・フランス)
2005 「ENTERNIDAD fugitive」展 参加 (サンタフェ・ニューメキシコ、アメリカ)
2006 「浜谷浩・土田ヒロミ」二人展 パリ写真月間に参加 (パリ・フランス)
2008「Nuclear Dilemma exhibition」展 参加 赤十字博物館(パリ・フランス)以後、世界各地ツアー
IN-SECURITY The Nuclear Dilemma, Red Crescent Museum, Geneve, Switzerland (5-year international tour)
2009「PHOTO QUAI」展 参加 Museedu Quai Branly美術館(パリ・フランス)PHOTOQUAI 2009 - la biennale des images du monde, Musée du quai Branly, Paris, France
2011「Apocalypses, la disparition des villes de Dresde à Détroit (1944-2010)」Pavillon Populaire」(モンペリエ・フランス)
2014 「Conflict Time Photography」展 参加 TATE Modern(ロンドン・イギリス)Conflict-Time-Photography, テート・モダン(ロンドン・イギリス) (traveled to Museum Folkwang, Essen, and Staatliche Kunstsammlungen, Dresden, Germany)
フォルクヴァンク美術館(エッセン・ドイツ) ドレスデン国立美術館(ドレスデン、ドイツ)
「ヒロシマ・コレクション」(個展) SIDE GALLERY(ニューキャッスル・イギリス)
2017 MÉMOIRE ET LUMIÈRE PHOTOGRAPHIE JAPONAISE, 1950-2000, ヨーロッパ写真美術館(パリ・フランス)
2018 「Paris Photo」参加(ヒロシマコレクション)IBASHO Gallery グラン・パレ(パリ・フランス)Paris Photo, IBASHO Gallery, Grand Palais, Paris, France
2022-2023 第58回カーネギー・インターナショナル 参加
2024 L'Âge atomique/Atomique Age(原子力の時代)展参加 パリ市立近代美術館(パリ・フランス)
パブリックコレクション
東京都写真美術館(東京)
東京国立近代美術館(東京)
横浜美術館(神奈川)
川崎市民ミュージアム(神奈川)
福井県立美術館(福井)
土門拳記念館(山形)
沖縄県立博物館・美術館(沖縄)
広島市現代美術館(広島)
ボストン美術館(アメリカ)
ポール・ゲティ美術館(ロサンゼルス、アメリカ)
サンフランシスコ近代美術館(カリフォルニア、アメリカ)
ジョージ・イーストマン・ミュージアム(ニューヨーク、アメリカ)
プリンストン大学美術館(ニュージャージー、アメリカ)
ビジュアル・スタディーズ・ワークショップ(ニューヨーク、アメリカ)
カナダ国立美術館(オタワ、カナダ)
ヨーロッパ写真美術館(パリ、フランス)
テート・モダン(ロンドン、イギリス)
ビクトリア&アルバート美術館(ロンドン、イギリス)
ハンブルク美術工芸博物館(ハンブルク、ドイツ)
スミソニアン博物館(ワシントンD.C.、アメリカ)
ヒューストン美術館(ヒューストン、アメリカ)
カーネギー美術館(ピッツバーグ、アメリカ)
2025.11
