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【SUNO AI攻略】Sunoで“アニメ声”から脱出するまで。 🎧『焦燥の底』制作記録

🎧 はじめに

今回、Sunoを使って新曲『焦燥の底』を制作しました。

最初に目指していたのは、暗く内省的で、焦燥感のある現代的なロックサウンドです。
ただ、制作は思ったよりも簡単ではありませんでした。

特に苦戦したのが、ボーカルと曲調です。

何度生成しても、声が高くなったり、アニメソングのような雰囲気になったりして、当初イメージしていた「低音ハスキーでエモーショナルなロックボーカル」から大きく離れてしまいました。

この記事では、『焦燥の底』が完成するまでの試行錯誤をまとめます。


🎯 作りたかった曲のイメージ

今回の曲で最初に決めていた方向性は、次のようなものでした。

・ダークで内省的な雰囲気
・焦燥感のある歌詞
・エモーショナル・ポップロック
・オルタナティブ・ロック
・バラード要素を含むミディアムテンポ・ロック
・ドラマチックでエッジの効いた現代的なサウンド
・低音ハスキーで感情の振れ幅が大きい女性ボーカル

明るく爽やかな曲ではなく、夜の部屋でひとり、自分の中にある怒りや焦りと向き合っているような曲にしたいと思っていました。

⚠️ 最初の失敗:アニメソングっぽくなってしまう

最初は、Sunoのプロンプトに「electro-pop」「J-pop」「bright synth」「colorful」「uplifting」などの言葉を入れていました。

しかし、これが逆効果でした。

Sunoはこれらの言葉を、かなり高い確率でアニメソングやボカロ風のサウンドに解釈してしまいます。
特に女性ボーカルの場合、声が高く、可愛らしく、アニメ声のようになることが多くありました。

自分が欲しかったのは、可愛い声ではなく、もっと低くて、荒くて、胸の奥から出てくるような声です。

そのため、途中から方針を大きく変えました。

🔧 プロンプトをロック寄りに修正

最終的には、ジャンル指定を以下のように変更しました。

「Dark emotional pop rock」
「Alternative rock」
「Medium tempo」
「Ballad tension」
「Dramatic modern edge」

さらに、ボーカルについても、単に「low husky female vocal」と書くだけでは足りないと感じました。

そこで、次のような表現を加えました。

「gritty low alto rock voice」
「husky」
「raspy」
「smoky」
「chest voice」
「raw emotional phrasing」
「aggressive consonants」
「strained edges」

特に効果があったと感じたのは、「chest voice」と「gritty rock voice」です。

「低音ハスキー」とだけ書くと、Suno側ではまだ綺麗な女性ボーカルとして処理されることがあります。
しかし「胸声」「ロックボーカル」「荒さ」「ざらつき」まで指定すると、少しずつ求めていた方向に近づいていきました。

📝 最終的なStyleプロンプト

最終的に使った方向性は、以下のようなものです。

Dark emotional pop rock, alternative rock, medium tempo around 3 minutes, with ballad tension and dramatic modern edge. Use the uploaded MP3 as the main inspiration for mood, vocal attitude, energy curve, and arrangement intensity. Start with tense piano and low vocal, then build into heavy drums, distorted electric guitar layers, deep bass, dark synth textures, and cinematic rock dynamics. Not anime, not idol pop, not cute, not vocaloid, not bright opening theme. Female vocal must be a gritty low alto rock voice: husky, raspy, smoky, chest voice, raw emotional phrasing, aggressive consonants, strained edges, occasional shout-like intensity, mature and unstable, never sweet, never nasal, never high-pitched anime tone. Introspective, dark, urgent, dramatic, emotionally explosive chorus.

このプロンプトでは、最初に「どんなジャンルか」を明確にし、そのあとに「何を避けたいか」をかなり強く書いています。

Sunoでは、入れたい要素だけでなく、避けたい要素もはっきり書いた方が、意図した方向に寄せやすいと感じました。

✍️ 歌詞のテーマ

歌詞では、「焦燥感」と「自分を失いそうになる感覚」を中心にしました。

例えば、冒頭は次のような歌詞です。

息を止めていた
何も壊さないように
薄い笑顔の裏側で
また爪を立てていた

これは、毎日をなんとか壊さないようにやり過ごしているけれど、心の奥ではずっと苦しさを抱えている状態を描いています。

サビでは、次のように感情を爆発させています。

焦燥の底で 私はまだ燃えている
綺麗な言葉じゃ隠せないほど
この痛みは確かだった

この曲では、前向きな応援歌にはしたくありませんでした。
「大丈夫」「未来へ行こう」という明るさではなく、もっと泥臭く、壊れかけたままでも進むような感情を大事にしました。

🚫 著作権エラーへの対応

制作途中で、Sunoの「Your lyrics contain copyrighted material」というエラーにも遭遇しました。

最初にこの表示が出たときは、「もしかして本当に既存曲と似てしまったのか?」と思いました。
ただ、実際には必ずしも著作権侵害をしているという意味ではなく、Suno側の検出がかなり安全寄りに働いているため、既存曲っぽい構造や定番表現に反応している可能性があります。

今回も、特定の有名曲の歌詞を引用したわけではありません。
それでもエラーが出たので、歌詞全体の雰囲気やフレーズの組み合わせが、J-POPでよくある表現に近いと判定されたのだと思います。

特に引っかかりやすいと感じたのは、次のような要素です。

  • 同じ言葉を繰り返すサビ頭のフック

  • 「私は私」「未来へ」「光に変えて」などの自己肯定系フレーズ

  • 「夜」「朝焼け」「涙」「空」など、J-POPで頻出する情景語の連続

  • 抽象的で汎用性の高い言葉だけで構成されたサビ

  • 参照音源の雰囲気に寄せすぎたうえで、歌詞も王道J-POP構造になっている場合

たとえば、最初の案ではサビに次のような方向性のフレーズを入れていました。

抜け出して 抜け出して
透明な夜を越えて
叫びたい 叫びたい
私は私に戻っていく

このような反復フックは、メロディには乗せやすいのですが、既存のJ-POPやアニメソングにも多い構造です。
そのため、Suno側では「どこかの既存曲に近い」と判断されやすいのではないかと感じました。

そこで、反復で押すフックをやめて、より具体的な感情描写に変えました。

たとえば、

「抜け出して 抜け出して」

のような直接的な反復ではなく、

「焦燥の底で 私はまだ燃えている」

のように、曲のテーマそのものを一行で提示する形にしました。

また、

「私は私に戻っていく」
「この空は私のもの」
「光に変えて走ればいい」

といった前向きで汎用的な表現も避けました。
代わりに、

「綺麗な言葉じゃ隠せないほど」
「この痛みは確かだった」
「報われない日々の灰の中で」
「消えなかった声がある」

のように、より暗く、具体的で、この曲の世界観に寄った言葉へ置き換えています。

実際に修正するときは、次のような考え方で進めました。

1つ目は、反復フレーズを減らすことです。

サビで同じ言葉を繰り返すとキャッチーにはなりますが、既存曲との類似判定を受けやすくなる可能性があります。
特に「行こう 行こう」「叫びたい 叫びたい」「大丈夫 大丈夫」のような反復は、かなり一般的です。

2つ目は、抽象的な応援歌フレーズを避けることです。

「未来へ進もう」
「光を信じて」
「自分らしく生きよう」
「私はここにいる」

こういった言葉は単体では悪くありませんが、組み合わせると一気に既存のJ-POPらしさが強くなります。
今回は曲のテーマが「焦燥感」だったので、無理に前向きな言葉へ寄せず、痛みや違和感をそのまま残す方向にしました。

3つ目は、生活感や身体感覚を入れることです。

たとえば、

「喉の奥が少し錆びた」
「散らかった本音が見える」
「正しさなんて刃物を握りしめて傷ついた」

のように、抽象的な感情だけでなく、体の感覚や具体的なイメージを入れることで、歌詞の独自性が出やすくなります。

4つ目は、問題箇所を切り分けることです。

もしエラーが出た場合は、歌詞全体を一気に直すよりも、まずサビだけを大きく変えて試すのが効率的です。
それでも通らなければ、Aメロ、Bメロ、サビのように分けて、どこでエラーが出るかを確認します。

私の場合も、最初に怪しいと感じたのはサビでした。
サビは曲の中心なので、どうしても強い言葉や王道の表現を入れたくなります。
しかし、AIの検出ではそこが最も既存曲っぽく見えることがあります。

最終的には、単に「明るく前向きな歌詞」にするのではなく、この曲ならではの暗さ、焦り、痛みを残すことで、エラー回避だけでなく、作品としての個性も強くなったと思います。

Sunoで著作権エラーが出た場合は、「この歌詞はダメだった」と考えるよりも、
既存曲っぽく見える言い回しがどこかにあるのかもしれない
と捉えると、修正しやすいです。

特に、AI作曲ではサウンドだけでなく、歌詞の言葉選びもかなり重要です。
ありきたりな表現を少し避けて、その曲だけの温度感や痛みを入れることで、エラー回避にも、作品の完成度向上にもつながると感じました。

🔥 完成した曲について

『焦燥の底』は、自分の中ではかなり感情の濃い曲になりました。

明るく背中を押す曲ではなく、むしろ「まだ痛い」「まだ苦しい」「でも消えていない」という感情をそのまま鳴らす曲です。

AIで作った曲ではありますが、プロンプトを何度も修正し、言葉を選び直し、方向性を調整していく過程は、かなり人間的な作業でした。

実はこの曲を仕上げていた頃、土日は配信リリースの準備や宣伝作業に追われていて、まとまった制作時間を取るのが難しい状況でした。

それでも、どうしてもこの曲の方向性を形にしたくて、最後の調整は会社からの帰宅中、バスの中でSunoを開きながら進めていました。

揺れる車内でスマホを見ながら、プロンプトを直し、生成結果を確認し、また修正する。
落ち着いた制作環境とは言えませんでしたが、むしろその慌ただしさや疲労感が、この曲の「焦燥感」と重なっていたようにも思います。

特に今回感じたのは、AI作曲では「最初の一発で完成を狙う」のではなく、違和感を見つけて、言葉にして、少しずつ修正していくことが大事だということです。

『焦燥の底』は、その試行錯誤の中で生まれた一曲です。

✅ まとめ

今回の制作で学んだことは、以下の3つです。

  1. 「J-pop」「electro-pop」「bright」などは、アニメソング寄りになることがある

  2. 低音ハスキーボイスを狙うなら、「chest voice」「gritty」「raspy」「rock voice」まで具体的に書く

  3. 曲の雰囲気を作るには、ジャンル名よりも「温度感」「感情」「避けたい方向性」を明確にすることが大切

Sunoは簡単に曲を作れるツールですが、本当にイメージに近づけるには、プロンプト設計がかなり重要です。

焦燥の底』は、その試行錯誤の中で生まれた一曲です。

ぜひ聴いていただけると嬉しいです。

🎼 楽曲情報

  • タイトル:焦燥の底

  • 制作:hirokiSTYLE

  • 使用ツール:Suno

  • ジャンル:エモーショナル・ポップロック / オルタナティブ・ロック

  • テーマ:焦燥感、内省、痛み、自己喪失、消えない感情

🎧『焦燥の底』🎧

焦燥の底

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