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WBC分析 日本野球は次のフェーズに進めるか

WBC敗退を冷静に分析する


WBCから見えた日本野球の課題③

感情ではなく「確率」で見れば、日本の敗退は必然だった


今回の
World Baseball Classic
について、日本の敗退を感情的に語る声が多い。

しかし私は大会前から、日本の優勝確率はかなり低いと考えていた。
理由は大きく二つある。

投手力と打力の構造的問題だ。


① 想定よりさらに厳しくなった日本の投手力


日本代表は大会前から投手事情が厳しかった。

リリーフの主力である
      • 松井裕樹
• 平良海馬
• 石井大智


この3人が離脱した。

ただでさえ層の厚いとは言えないブルペンから、
勝ちパターン級の投手が3枚抜けた状態で大会に入った。

この状況で日本が勝つためには、いくつかの条件が必要だった。

まず絶対条件は、エースの支配的な投球だ。

理想は
• 5回0〜1失点
• できれば6回無失点

今回のブルペン事情を考えると、それくらいの内容が求められていた。

しかし
山本由伸
のベネズエラ戦は4回2失点。

もちろん悪い投球ではない。
ただ、今の日本のチーム事情を考えると「普通」では足りなかった。

さらにもう一つ必要だった条件がある。

誰かがヒーローのように長いイニングを抑える投手が現れること。

僕が候補として期待していたのが
• 高橋宏斗
• 宮城大弥
• 伊藤大海


だった。

しかし結果は
• 高橋、宮城は登板する前に敗退
• 伊藤は決勝打を浴びてしまう

つまり大会前に想定していた「必要条件」は成立しなかった。


② 投手コンディションの問題


今回の大会で気になったのは、投手のコンディションだった。

多くの投手が
• 球速が出ない
• 制球が安定しない
• 球威が弱い

という状態だった。

対照的だったのが前回大会。

あの時はむしろ
「どうやってここまで仕上げたのか」と思うほど、投手陣のコンディションが良かった。

今回は逆に、
全体的に状態が良い投手が少なかった。

この差は決して小さくない。


③ だからこの敗退は「誰かのせい」ではない


試合を振り返ると
• ベンチワーク
• 投手起用
• 采配


劇的に変わる余地はそれほど多くなかった。

あるとすれば
• 投手と打者の相性(これは次回以降)
• 起用タイミング

その程度だろう。

つまり今回の結果は
采配の問題というより、そもそもの戦力の問題だった可能性が高い。

確率として起きた結果であり、
感情的に語るべき問題ではない。



④ アンラッキー要素もあった


もちろん不運もあった。
前途の投手3人の離脱に加え

例えば
  • 近藤健介 の不振
• 鈴木誠也 の怪我


この二つは日本打線にとって大きな痛手だった。

本来なら打線の中心を担うはずの二人である。

この穴は小さくなかった。


⑤ それでも見えた光


それでも大会には明るい材料もあった。
• 森下翔太
• 佐藤輝明


この二人の活躍だ。

現在、
MLB所属選手とNPB所属選手の間にはまだ力の差がある。

しかし今回の大会を見る限り、
彼らにはその差を埋めるポテンシャルがある。

数年後、

もしかすると
大谷翔平君のような存在に近づく可能性を感じさせた。

日本野球にとって、この光は決して小さくない。


⑥ 日本野球の「8番9番問題」


ただし、もう一つ考えなければならない問題がある。

それは日本野球の打撃思想だ。
8番9番問題と書いたが、
厳密にはキャッチャー、ショート問題だ。

日本では長く

「キャッチャーとショートは打たなくても守れればいい」

という考え方がある。

守備ができれば十分、という文化だ。


しかし現代野球ではその考え方は通用しない。

アメリカ、ドミニカ、ベネズエラでは、捕手やショートでもホームランを打つ。

もちろん守備も超一流。

つまり現代野球では

打たなくていいポジションは存在しない。
というより、なぜその守備と打撃をトレードオフで考えるのだろうか?


投手力が劣るチームは、打つしかない。
しかし打線の下位が弱ければ得点力は限られる。

現に準決勝のアメリカードミニカ共和国戦でも2-1のロースコアながら3得点全てソロホームランでの得点である。


この問題は代表チームだけの問題ではない。

アマチュア野球からプロまで、日本野球全体の育成思想に関わるテーマだ。

もし国際大会で勝ち続けることを目指すなら

「守れるだけの選手」を育てる時代は終わりつつある。

守れて、そして長打も打てる。

その基準を全ポジションに求める必要がある。


結論


今回の敗退は
• 投手力
• コンディション
• 打撃構造

こうした複数の要因が重なった結果だった。

だからこそ、この大会は
感情ではなく分析で振り返る必要がある。

そうして初めて、日本野球は次に進める。

日本国民よ、
我が国が本当に野球の国であるならば、
建設的な“野球”そのものの議論をしよう。

感情的にならずに、
野球リテラシーの高い国の世論として
議論してほしいと心から願う。



Coach Aki

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