国民の2人に1人がアレルギー体質の時代に。メンタル・肌・体重まで変えた「神食品」2つの正体
気づいたら肌の調子が悪い、夜中に何度も目が覚める、食事に気をつけているのに体重が落ちない、季節の変わり目になると鼻や喉がムズムズする…。「最近、なんだか体がスッキリしない」と感じたことはありませんか。
私自身、仕事と3人の子育てに追われる毎日の中で、こうした不調がいくつも重なった時期がありました。「年齢のせいかな」「忙しいから仕方ないか」と片付けていたのですが、調べていくうちに、これらの不調の多くが「腸」と深く関わっていることを知りました。
今回は、メンタル・アレルギー・肌・体重・睡眠など、複数の悩みにアプローチできるとして注目されている2つの食品成分、「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」について、研究データをもとに詳しく解説していきます。
参考: 厚生労働省 アレルギー疾患対策の現状に関する資料 オランダ・ライデン大学 脳認知科学研究チームによるプロバイオティクス研究 カナダ・ラバル大学によるプロバイオティクスと体重管理に関する研究
「なんとなく不調」の正体は腸にあるかもしれません
日本人の2人に1人がアレルギー体質という現実
厚生労働省の最新の資料によると、現在、乳幼児から高齢者まで国民の約2人に1人が、気管支ぜんそく・アトピー性皮膚炎・花粉症・食物アレルギーなどのアレルギー疾患を抱えていると言われています。患者数はここ十数年で増加傾向にあり、もはや誰にとっても無関係ではいられない状況です。
アレルギー疾患が増えている背景には、腸内細菌の数や種類の減少、そして現代人の腸内環境の乱れが関係していると考えられています。鼻炎や喘息のような慢性的な炎症は現在の医学では完治させることが難しく、症状をコントロールしながら付き合っていくケースが多いのも実情です。
そんな中、腸内環境を整えるアプローチとして注目されているのが「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」です。
体重・メンタル・アレルギーに効く「プロバイオティクス」とは
発酵食品に含まれる"生きた菌"
プロバイオティクスとは、腸内フローラのバランスを整え、体に良い働きをもたらす生きた微生物を含む食品やサプリメントのことです。代表的な食品には、以下のようなものがあります。
ヨーグルト
甘酒
乳酸菌飲料
ぬか漬け
味噌
キムチ
納豆
これらの発酵食品には、乳酸菌・ビフィズス菌・酵母菌・麹菌といった有用菌が含まれており、継続的に摂ることでより効果が期待できるとされています。
「たまに食べる」では不十分なことも
発酵食品は、思い出したときにたまに食べる程度では、腸内環境の改善には届きにくいとされています。特に、食生活の乱れなどによって腸内環境が悪化している場合は、定期的な摂取が重要です。忙しくて食事だけでは難しいという方は、サプリメントで不足分を補うという選択肢もあります。
研究でわかったプロバイオティクスの4つの健康効果
①メンタルの安定をサポート
オランダ・ライデン大学の脳認知科学研究チームが発表した研究では、メンタルが健康な被験者を対象に、4週間にわたって複数種のプロバイオティクスサプリメントを摂取してもらう実験が行われました。摂取していないグループと比較したところ、プロバイオティクスを摂取したグループは、悲しい気分に対する否定的な反応が減少していたことがわかっています。
季節の変化や過労によるストレスでメンタルが不安定になりやすい方にとって、腸内環境を整えることはメンタルケアの一つの手段になるかもしれません。腸と脳は「腸脳相関」と呼ばれるほど密接に関わっているため、腸を整えることがメンタルの安定につながっても不思議ではないのです。
②アレルギー症状の緩和が期待できる
2017年にフロリダ大学が発表した論文では、健康だが季節性アレルギーを持つ人を対象に、アレルギーシーズン中の生活の質(QOL)が改善することが報告されています。詳しいメカニズムは研究中ですが、プロバイオティクスが免疫抑制細胞である「制御性T細胞」の働きを誘導し、免疫の過剰反応を抑えている可能性が考えられています。
また、別の研究ではプロバイオティクスがアレルギー性鼻炎にも有効であることが示されており、白血球やサイトカイン(細胞同士の情報伝達を担うタンパク質)の働きを調整することで、アレルギー症状の元となる免疫の過剰反応を抑えられる可能性があるとされています。
③肌トラブルの軽減につながる可能性
2013年に発表された研究では、プロバイオティクスを体内・体外から用いることで、湿疹・アトピー性皮膚炎・ニキビ・アレルギー性炎症といった皮膚トラブルを防ぐ、あるいは改善できる可能性が示唆されています。さらに、紫外線によるダメージや傷の保護といった面でも、一定の効果が期待されているとのことです。
④体重管理のサポートにも
カナダ・ラバル大学の研究者による論文では、同じ食事内容で過ごした女性のうち、プロバイオティクスサプリメントを摂取したグループは平均で約4.3kgの体重減少が見られたのに対し、プラセボ(効果のないもの)を摂取したグループの減少は約2.5kgだったと報告されています。
この差が生まれる理由として、プロバイオティクスには腸壁の透過性(腸の壁から未消化の食べ物が漏れ出してしまう状態)を抑える働きがあるとされ、これが肥満や2型糖尿病のリスクとも関連していると考えられています。
腸内細菌のエサになる「プレバイオティクス」の力
プレバイオティクスとは
プロバイオティクスとよく似た名前ですが、プレバイオティクスは腸内の善玉菌(ビフィズス菌や乳酸菌など)のエサとなり、その増殖を助ける成分のことです。代表的なものに、オリゴ糖や水溶性食物繊維があります。プロバイオティクスとプレバイオティクスを両方取り入れることで、相乗効果が期待できるとされています。
①メンタルヘルスの改善
ある研究では、メンタルが健康な女性を対象に、28日間プレバイオティクスを摂取してもらう実験が行われました。プラセボを摂取したグループと比較した結果、プレバイオティクスを摂取したグループは精神的にも体調的にも良好で、不安を感じる度合いも低かったことが報告されています。
また、不安やうつ病に関連するストレスホルモン「コルチゾール」の値も、プレバイオティクスを摂取したグループの方が低かったとされています。プレバイオティクスは人の体内では消化されない食物繊維の一種ですが、腸内の有用菌のエサとなることで、結果的に心の状態にも良い影響を与えると考えられています。
②睡眠の質を高める可能性
急性的なストレスは腸内細菌叢を乱す要因になるとされていますが、プレバイオティクスは有益な菌を増やすことで、ストレスによる腸内細菌のダメージを保護する働きがあると報告されています。動物を使った実験では、プレバイオティクスの摂取によってレム睡眠・ノンレム睡眠の両方が増加したという結果も出ています。睡眠に悩みを抱える方にとって、見逃せないポイントではないでしょうか。
今日からできる、無理のない取り入れ方
ここまで見てきたように、プロバイオティクスとプレバイオティクスは、メンタル・アレルギー・肌・体重・睡眠と、私たちの悩みの多くに関わっている可能性があります。とはいえ、いきなり食生活を大きく変えるのは難しいものです。
私自身は、まず1日1回、ヨーグルトや味噌汁、納豆などの発酵食品をどれか1つ取り入れることから始めました。それに加えて、オリゴ糖や食物繊維が豊富な野菜・きのこ・海藻類を意識的に選ぶようにしています。毎日完璧にこなす必要はなく、続けやすい方法を見つけることが大切だと感じています。
食事だけで補うのが難しいと感じる場合は、プロバイオティクスやプレバイオティクスを含んだサプリメントを取り入れるのも一つの方法です。腸を整えることは、見えにくい不調にじっくり向き合うための土台づくりなのかもしれません。
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