甘いもの・コーヒーで元気にならない理由|疲労時のNG習慣10選と即実践できる回復術
仕事から帰ってきて
「あー疲れた、甘いものでも食べよう」
「ついでにコーヒーも」
——そんなふうに、疲れた自分へのご褒美として甘いものやカフェインに手を伸ばしていませんか?
それ、まさに自分のことだと感じた方は少なくないはずです。実は、疲れているときほど「良かれと思って」やっていることが、かえって体の回復を妨げているケースが多いのです。
私自身も独立してからは体力勝負の日が続き、疲れた夜につい甘いものとコーヒーに頼ってしまう時期がありました。
今回は、疲労時に避けたい食べ物・飲み物と、本当に体を回復させるための食習慣について、最新の知見を交えながらお伝えしていきます。
この記事で分かること
疲れているときに体の中で何が起きているのか
良かれと思って摂りがちなNG食品・飲み物10選
疲労回復に役立つとされる栄養素と食材
今日から実践できる胃に優しい食習慣のコツ
参考:日本人の食事摂取基準(2025年版)、日本食品標準成分表(八訂増補2023年版)、厚生労働省公表資料
疲れているとき、体の中では何が起きているのか
疲労を感じているとき、実は脳だけでなく筋肉や内臓の機能も低下している可能性が高いといわれています。中でも見落とされがちなのが「胃腸の疲れ」です。胃腸は日々休みなく働き続けている臓器であり、ストレスの影響も受けやすいという特徴があります。私も独立してから体力仕事が続いた時期、なんとなく胃が重い日が増えて初めて「疲れは胃にも出るのだ」と実感しました。
疲れているときは全身の血流が悪くなりやすく、それに伴って内臓の働きも弱まりがちです。つまり、疲れた体は「消化する力そのもの」が落ちている状態だといえます。それにもかかわらず、元気をつけようとジューシーなお肉や刺激の強い食事を選んでしまうと、弱った胃腸にはかえって大きな負担となり、疲労がさらに加速してしまう恐れがあるのです。
さらに厄介なのは、この悪循環に本人がなかなか気づけない点です。「疲れているから、がっつり食べて元気を出そう」という発想自体は自然なものですが、胃腸が弱っている状態でハイカロリー・高刺激な食事を続けると、消化にエネルギーを奪われ、体の中でエネルギーが十分に作られにくくなるとも言われています。結果として、体重の増加や慢性的なだるさにつながってしまうケースも少なくありません。「疲れたから食べる」から「疲れたときこそ選んで食べる」へと意識を切り替えることが、回復への第一歩になります。
疲れているときに避けたい食べ物7選
疲労時は「消化に良いもの」を選ぶことが回復への近道です。以下の食品は、体が元気なときには問題なくても、疲れているときには胃腸への負担が大きくなりやすいとされています。
塩辛い食べ物:塩分の強い食事は胃の粘膜を保護する粘液を傷つけやすく、慢性的な炎症のリスクにつながるとも指摘されています。塩分摂取量が多い人ほど胃への負担が大きいという報告もあり、疲れているときは薄味を意識し、だしの旨みで満足感を補うのがおすすめです。
食物繊維の豊富な食べ物:普段は積極的に摂りたい食物繊維も、消化に時間がかかるため、胃腸が弱っているときは負担になりやすい食材です。量を控えめにし、よく噛む、加熱して柔らかくするなどの工夫をすると安心です。
脂肪分の多い食べ物:脂質は糖質やたんぱく質に比べて消化の開始が遅く、胃の中に長く留まりやすいという性質があります。腹持ちが良い一方で、疲れた胃腸には長時間の負担となってしまいます。
スパイシーな食べ物:辛味による刺激は口の中だけでなく胃壁にも及び、胃酸の分泌を過剰に促してしまうことがあるとされています。汗をかいてすっきりしたい気持ちは分かりますが、疲労時は避けた方が無難です。
柑橘類:酸味が胃酸の分泌を促しやすく、さらに果肉のつぶつぶ構造が消化しにくいという特徴もあります。元気なときのビタミン補給に留めておくのが良さそうです。
冷たい食べ物:疲労時は血流の低下により体温も下がりやすい状態です。そこに冷たい食品が加わると内臓がさらに冷え、機能低下を招きやすくなります。
甘いもの:疲れたときについ手が伸びる甘いものですが、糖質を大量に摂ると血糖値が急上昇したのち急降下する「血糖値の乱高下」が起こりやすいとされています。一時的に元気になったように感じても、その後にどっと疲れや気分の落ち込みを感じやすくなるのはこのためです。SNSでも話題になる「血糖値スパイク」という言葉は、まさにこの急上昇・急降下の状態を指しており、疲労感を悪化させる一因として近年注目が集まっています。
こうして並べてみると、疲れたときに手が伸びやすい食べ物の多くが、実は胃腸への負担が大きいものだったと気づかされます。特別な食材ではなく、日常的によく口にするものばかりだからこそ、無意識に「疲労を長引かせる選択」をしてしまいやすいのです。まずは自分がどのパターンに当てはまりやすいかを振り返ってみることが、食習慣を見直す第一歩になります。
疲れているときに避けたい飲み物3選
食べ物と同様に、飲み物の選び方も回復の鍵を握ります。
コーヒー・紅茶・緑茶・栄養ドリンク:カフェインを含む飲み物は、体が元気なときはポリフェノールなどの恩恵も期待できますが、疲れているときはカフェインの刺激が強く出やすく、胃を荒らす要因になり得ます。栄養ドリンクは「疲れきる前」に飲むのがポイントです。
アルコール:疲れた日の一杯は魅力的ですが、アルコールも胃液の分泌を促す刺激物のひとつです。お酒は体調が万全なときに楽しむのが理想的です。
炭酸水:炭酸のシュワシュワ感は元気なときには消化を促進するとも言われますが、疲れた胃には刺激が強すぎる場合があります。疲労時はノンカフェインで冷たすぎない常温の水を選ぶと胃に優しく過ごせます。
飲み物は食べ物以上に無意識に選びがちなものです。「疲れたから濃いコーヒーを一杯」「仕事終わりのビールが楽しみ」という習慣そのものを否定する必要はありませんが、体が発するサインに合わせてタイミングを調整するだけでも、胃腸への負担はぐっと軽くなります。疲れがピークに達する前の早めのタイミングでカフェインを摂る、休日にアルコールの量を控えめにするなど、無理のない範囲で取り入れてみてください。
疲労回復のためにこそ摂りたい栄養素
疲れているときに「何を避けるか」と同じくらい大切なのが「何を選ぶか」です。特に注目したいのが次の2つの栄養素です。
イミダゾールジペプチド:たんぱく質を構成する成分のひとつで、疲労回復への関わりが近年注目されています。鶏むね肉やかつお、まぐろといった動物性食品に含まれるとされており、加熱してさっぱりと味付けすることで胃腸への負担を抑えながら取り入れやすくなります。
ビタミンB1:豚肉やうなぎに多く含まれ、糖質の代謝に欠かせない栄養素です。厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」2025年版でも、糖質中心の食生活を送る人は不足しやすい栄養素として位置づけられています。ご飯やパン、お酒やジュースなど糖質の多い食生活が続いている場合は特に意識して補いたいところです。豚肉、玄米、ナッツ、大豆などを日々の食事に取り入れ、動物性・植物性の両方のたんぱく質をバランス良く摂ることがポイントです。
「食べない」という選択肢も回復の一助に
現代人は食べ過ぎの傾向にあるともいわれており、消化に多くのエネルギーを使うことでかえって疲労感が抜けにくくなるケースも指摘されています。本当に疲れきっているときは、無理に食事量を増やすのではなく、一食を軽くする、あるいは量を減らすといった選択も効果的とされています。疲れた体をいたわる第一歩は、まず胃腸を休ませてあげることなのかもしれません。
「疲れたときこそしっかり食べなければ」という思い込みは根強いものですが、体が求めているのは量ではなく「消化しやすさ」である場合が多いのです。例えば、夕食を茶碗蒸しやおかゆ、具だくさんの温かいスープなど、胃腸に優しいメニューに置き換えるだけでも、翌朝の体の軽さが変わってくることがあります。忙しい日々の中でタイパを重視したくなる気持ちは自然ですが、こと胃腸の回復に関しては、あえて「引き算」の食事を選ぶことが結果的に近道になるケースも多いのです。
今日からできる疲労回復の食習慣チェックリスト
最後に、日常で意識しやすいポイントを整理しておきます。
疲れを感じたら、まず「濃い味・脂っこい・冷たい」の3拍子がそろっていないかチェックする
甘いものが欲しくなったら、血糖値が急上昇しにくい低GIのおやつやナッツ類に置き換えてみる
鶏むね肉やかつお、まぐろなどイミダゾールジペプチドを含む食材を週の中でローテーションに取り入れる
豚肉や玄米、大豆製品でビタミンB1を補い、糖質過多の食生活に偏っていないか見直す
どうしても食欲がないときは、無理に食べず一食を軽めにして胃腸を休ませる
こうした小さな選択の積み重ねが、翌日の体の軽さややる気の違いとして表れてきます。特別な準備は必要なく、今日の夕食から一つでも取り入れられそうなものから始めてみるのがおすすめです。
まとめ
疲れているときの体は、脳だけでなく筋肉・内臓・胃腸のすべてが本来の力を発揮しにくい状態にあります。それにもかかわらず、塩辛いもの・脂っこいもの・甘いものやカフェイン、アルコールなどで無理に元気を補おうとすると、かえって疲労を長引かせてしまう可能性があります。疲れた日こそ、消化に優しい食事を選び、イミダゾールジペプチドやビタミンB1を意識しながら、必要であれば食事量そのものを見直す。そうした小さな積み重ねが、明日への回復力につながっていきます。今日紹介した内容を、ぜひご自身の生活に少しずつ取り入れてみてください。
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