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第1話:まだ、言葉にせんでええと思った日

言葉にしようとして、やめたことがある。
正確には、「やめた」というより、
まだそのままにしておきたかった。
何か出来事があったわけでも、
大きな決断をしたわけでもない。
ただ、胸の奥に引っかかっている感覚があって、
それを無理に言葉にした瞬間、
少しだけ嘘になる気がした。
言葉は便利やけれど、
早すぎると、
本来そこにあったはずの余白まで
削ってしまうことがある。
「どう思ったん?」と聞かれて、
答えられなかった日がある。
答えたくなかったわけでも、
分からなかったわけでもない。
ただ、その問いに
今の自分はまだ追いついていなかった。
沈黙は、逃げではないと思っている。
少なくとも、
自分にとっては
そういう時間も必要やった。
言葉にせんかったからこそ、
まだ壊れていない感覚がある。
名前をつけてしまわなかったから、
今も、かすかに動いている想いがある。
この連載では、
そういう「手前」の話を書いていく。
まだ整理されていないもの。
まだ説明できない感覚。
まだ、誰にも渡していない言葉。
急がなくていいと思っている。
ここでは、
言葉になるまでの時間そのものを
大切にしたい。
今日は、
まだ言葉にせんでええと思った。
それだけの話です。


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#内省する時間
#書くことで考える
#自分と向き合う
#静かな生き方
#等身大の言葉

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