それでも、言葉を渡すという選択──沈黙のあとに、まだ残っている人
言葉を出せない時間が、
長く続いてしまった人へ。
このnoteは、
うまく書く方法や、
前に進むための答えを
用意したものではありません。
沈黙を大切にしてきた人が、
それでも言葉を渡すとしたら、
どんな姿勢で在ればいいのか。
言葉を安売りせず、
消費されることからも逃げず、
それでも外に出すという選択について、
これまで書いてこなかった部分を
まとめました。
読み終えても、
何かを決めなくて大丈夫です。
ただ、
「途中にいるままでいい」
そう思える場所として、
ここに置いています。
第1章
途中で立ち止まったままの人へ
ここまで、
言葉にならない時間について
いくつかの文章を書いてきました。
読んでくれた人の中には、
「分かる気がする」と思った人も、
「自分のことを言われているみたいで、
少ししんどくなった」
という人もいたかもしれません。
でも、それは自然な反応です。
途中にいる、という状態は、
安心できる場所ではないからです。
何かを決めたわけでもない。
前に進んだ実感もない。
でも、もう
元の場所にも戻れない気がしている。
この宙ぶらりんの感じが、
人を一番不安にさせます。
多くの人は、
この不安を消すために
「早く言葉にしよう」とします。
理由をつける。
意味をまとめる。
説明できる形にする。
そうすれば、
一応は前に進んだ“感じ”が
手に入るからです。
でも、
それが本当に
自分を楽にするとは限りません。
言葉にした瞬間、
どこかで
「違う気がする」と感じたことは
ないでしょうか。
分かりやすく説明できたのに、
なぜか、
内側が少し空っぽになる感じ。
それは、
あなたが未熟だからでも、
考えが足りないからでもありません。
まだ、渡す段階じゃなかった。
それだけのことです。
第2章
言葉を持つことと、渡すことは違う
私たちはよく、
「言葉にできた=前に進んだ」
と思いがちです。
でも、
言葉を持つことと、
言葉を渡すことは、
まったく別の行為です。
言葉を持つ、というのは、
自分の内側で
輪郭を掴み始めること。
一方で、
言葉を渡す、というのは、
誰かの時間の中に
その言葉を置くことです。
ここに、
大きな違いがあります。
渡された言葉は、
相手に解釈され、
消費され、
場合によっては
誤解されます。
つまり、
もう自分のものではなくなる。
だから多くの人は、
言葉を渡す直前で
怖くなります。
・ちゃんと届くだろうか
・軽く扱われないだろうか
・自分が否定されないだろうか
この怖さは、
弱さではありません。
むしろ、
言葉を大切にしている人ほど
感じるものです。
もしあなたが今、
「書けるのに、出せない」
「考えはあるのに、言えない」
状態にいるなら、
それは
能力の問題ではなく、
誠実さの問題かもしれません。
ここから先の話は、
「どうやってうまく書くか」ではありません。
沈黙を裏切らずに、
それでも言葉を出すとしたら、
どんな姿勢で在ればいいのか。
その話になります。
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