神経はストレッチで柔らかくなる?🧠 フロッシングで坐骨神経が変わる可能性を示した最新研究
🎥 1分動画でささっと見たい方はこちら👇
https://youtube.com/shorts/laOOYMdtGDw
神経も「硬くなる」って知っていますか?🤔
ストレッチというと、多くの方は
筋肉を柔らかくする💪
関節を動きやすくする🦵
というイメージを持たれていると思います。
実際、その通りで、普通の静的ストレッチでも筋肉はしっかり柔らかくなり、関節可動域も改善します。
しかし臨床では、
「筋肉というより神経の動きが悪くて症状が出ているのでは?」
と思われる場面も少なくありません。
そんな時に注目されるのが神経フロッシング(Neural Flossing)です🧠✨
今回紹介する論文は、
「神経を動かすストレッチで、本当に神経そのものが柔らかくなるのか?」
を調べた、とても興味深い研究です。
しかも…
📅 2026年6月29日にオンライン公開されたばかりの出来立てホヤホヤの論文です!
神経フロッシングって何?🧵
フロッシング(Flossing)は、
神経を強く引っ張るというより、
神経を周囲の組織の中で「スーッ」と滑らせる(グライディングさせる)運動です。
歯のフロスのように、
神経が周囲を滑るイメージなので「フロッシング」と呼ばれています😊
一方で比較された「テンショニング」は、
神経を持続的に引っ張る方法です。
つまり今回は、
🦵普通の静的ストレッチ
🧠神経を引っ張る方法(テンショニング)
🧠神経を滑らせる方法(フロッシング)
この3種類を比較しています。
どんな研究?🔬
対象は健康な若い成人20名。
それぞれが
静的ストレッチ
神経テンショニング
神経フロッシング
を、
最大強度(痛みが出る直前)
やや弱め(90%)
で実施しました。
さらに超音波エラストグラフィという技術を使い、
坐骨神経の硬さ
ハムストリングス(大腿二頭筋)の硬さ
を直接測定しています。
結果① 神経が柔らかくなったのはフロッシングだけ!🧠✨
今回最大の発見はこちら。
坐骨神経の硬さが有意に低下したのは、最大強度の神経フロッシングだけでした。
静的ストレッチでは変わらず、
テンショニングでも変わらず、
神経を「滑らせる」運動だけが神経そのものに変化を与えたのです。
これは非常に面白い結果です😊
結果② 筋肉はどの方法でも柔らかくなる💪
一方で筋肉はどうだったのでしょう?
こちらは予想通り、
✅ 静的ストレッチ
✅ テンショニング
✅ フロッシング
どれを行っても
ハムストリングスの硬さは低下しました。
つまり、
筋肉を柔らかくしたいだけなら、
特別に神経フロッシングを選ばなくても十分効果があります。
結果③ 柔軟性もみんな改善!🙌
さらに、
ハムストリングスの柔軟性
前屈能力
などは、
どのストレッチでも改善しました。
ただし、
神経の動きを反映しやすいSlump Testでは、
最大強度フロッシングが静的ストレッチより優れた改善を示しました。
つまり、
「神経の動き」を狙うなら、
やはりフロッシングにメリットがありそうです😊
この研究からわかること💡
今回の結果をまとめると、
✅ 筋肉を柔らかくしたいなら普通のストレッチでも十分
✅ 神経そのものをターゲットにしたいならフロッシングが有望
ということになります。
臨床では、
「筋肉は十分柔らかいのに症状が残る」
「神経症状っぽい」
そんなケースもあります。
そうした場面では、
神経を対象にしたアプローチを考える価値があるかもしれません😊
僕が面白いと思ったポイント✍️
ここが今回一番興味深かったところです。
これまで
「神経フロッシングって効くよね」
という話は多くありました。
しかし、
神経そのものの硬さを直接測定して変化を示した研究は決して多くありません。
今回の研究では、
超音波エラストグラフィを用いて
「坐骨神経そのものが柔らかくなった」
ことを示した点が非常に価値があると思いました。
つまり、
筋肉だけでは説明できない変化を
神経組織レベルで捉えようとした研究なのです😊
ただし、長期効果はまだ分かっていません📚
ここはぜひ知っておいていただきたいポイントです。
今回の研究で確認されたのは、あくまで運動直後(即時効果)です。
ほかの末梢神経では、
Khademiら(2023)が、手根管症候群の患者さんに対する正中神経モビライゼーションの即時効果を報告しています。
また、
Ballestero-Pérezら(2017)のシステマティックレビューでは、手根管症候群に対するnerve gliding exercises(神経グライディング)の有効性が示されています。
さらに今回の論文では、
De Ridderら(2020)の6週間プログラムも引用されており、ニューラルスライダー(フロッシング)がハムストリング柔軟性を改善したことが紹介されています。
ただし、この研究で改善したのは柔軟性であり、神経そのものの硬さが長期的にどう変化したかまでは調べられていません。
実は、
神経硬度そのものの長期変化については、今回引用されている文献の中にも明確なエビデンスは見当たりません。
著者らも論文の最後で、
長期効果や臨床的意義については今後さらに研究が必要である
と述べています。
私たちも今後この分野を研究していきたいと思っていますが、
ぜひ皆さんも一緒に新しいエビデンスを追いかけていただけたら嬉しいです😊
まとめ🌸
今回の研究から分かったことは、
🧠 神経をターゲットにするならフロッシングが有望
💪 筋肉への効果は通常のストレッチでも十分
📈 柔軟性はどちらでも改善する
📚 ただし神経硬度への長期的な影響はまだ分かっておらず、今後の研究が期待される
ということでした。
神経と筋肉は似ているようで、実は別の組織です。
これからは、
「硬い=筋肉だけ」
ではなく、
神経という視点も臨床ではますます重要になっていくのかもしれません😊
📚参考文献📖
Hitier M, Vieira DCL, Cometti C, Durigan JLQ, Babault N. Technique-specific reduction of sciatic nerve stiffness through neurodynamic stretches at submaximal and maximal intensity in asymptomatic individuals. European Journal of Applied Physiology. 2026.
Khademi S, et al. The sono-elastography evaluation of the immediate effects of neurodynamic mobilization technique on median nerve stiffness in patients with carpal tunnel syndrome. Journal of Bodywork and Movement Therapies. 2023.
Ballestero-Pérez R, et al. Effectiveness of nerve gliding exercises on carpal tunnel syndrome: A systematic review. Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics. 2017.
De Ridder R, et al. Neurodynamic sliders promote flexibility in tight hamstring syndrome. European Journal of Sport Science. 2020.

