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『チ。―地球の運動について―』が教えてくれる、体験と文字の尊さ(2025/5/11)#132

最近読んでハマったマンガ、『チ。 -地球の運動について-』。
これに関連した展示がお台場の日本科学未来館で開催されていたので見に行ってきました。

今回は『チ。』の魅力について、展示にも触れつつ語るとともに、私が個人的に好きなセリフを引用しつつ、現代において大事なことを考えてみました。


『チ。』には、読みやすい長さの中に、色々な意味が込められている!

そもそも『チ。』とは、どんなマンガなのか。
ひとことで言うと15世紀のヨーロッパを舞台に、地動説を信じた人たちが命を懸けて真理を追い求める姿を描いた歴史フィクションです。

実際の歴史では、16世紀にコペルニクスが地動説を提唱し始め、ガリレオガリレイや、ニュートンなどによって補強されていきましたので、コペルニクス以前の時代が舞台となった物語ということになります。

複数の主人公が、地(チ)動説に関する「知(チ)」について深めるも、地動説を認めない勢力の追及により「血(チ)」を流しつつ、その知のバトンを次の人に渡していく様子は、次の展開が気になり、全8巻という程よい分量なこともあり、一気に読めてしまいます。

上述の「チ」のトリプルミーニングは、作品中に出てくるのですが、このように「こういう意味だったのか!」みたいに思わせる記述が明示・暗示含めて散りばめられているのも本作品の魅力です。
(全8巻というのも、作品の時代に確認されていた太陽系の星の数(太陽・地球・月・水星・金星・火星・木星・土星)と同じですし、現在の太陽系の惑星の数(上述の星から太陽・月を抜いて、天王星・海王星を加えたもの)とも同じで、何か意味ありげです)

そんなこともあって、展示会に行った後、GWに2周目も読んでしまいました笑

『チ。』の世界観と、天体に関する展示に触れる

展示会では、そんな『チ。』の登場人物のセリフのパネルとともに、天体に関するパネル展示や、作品に関連する体験ができます。

マンガの中でも、実際の歴史でも、金星の観察が地動説の証明に重要な役割を担うのですが、その金星の満ち欠けを観察できるような実験コーナーもあったりして楽しめます。

が、展示の多くの部分は『チ。』の世界観に基づくものになっているので、ご興味ある方は、原作に目を通してから行くことをおススメします(現在、アニメの再放送もNHKEテレで行われているところです)。

このような具合にアニメのシーンとセリフを組み合わせた展示が壁一面に

『チ。』の魅力のひとつは、印象的なセリフの数々

先述の通り、登場人物のセリフが展示物になる程なので、実際の作品中のセリフも印象に残るものが多く、読んだ人それぞれに「このセリフが好き」というのはあるのではないでしょうか。

私にも好きなセリフがあり、(電子書籍で読んでるので)電子書籍のアプリ上にしおりをつけまくってるのですが、その1つが「文字は奇跡」というもの。

登場した当初は文字が読めなかったオグジーに対し、ヨレンタが文字のすばらしさについて伝えたとき(第3巻)に出てきます。
一部を抜粋すると「文字になった思考はこの世に残って、ずっと未来の誰かを動かすことだってある。そんなの…まるで、奇跡じゃないですか」と。

これに触発されたオグジーは、文字を習い、地動説に触れて感動したことを書き記し、その内容が後の時代の人たちを動かすのですが、詳細は割愛します。

やはり文字は奇跡ですね
(この場面は先述のエピソードから、さらに時間が経過した後にヨレンタが述べたもの)

文字は奇跡

で、「文字は奇跡」というのが実際の歴史にも、現代にも通ずる話かと思います。

展示にも出ていたのですが、この時代「活版印刷」という技術が発明され、それ以前と比較し、大量に文字を世の中に残すことができるようになります。

この技術で最初に普及した出版物がキリスト教の「聖書」とされていて、キリスト教の布教に活版印刷は大いに貢献します。

ただその一方でこの技術により、多くの出版物が増えたため、これが「キリスト教的な世界感」を相対化させたともされています。

つまり人々が、出版物を通じて多くの情報に触れることにより、価値観を多様化させ、ヨーロッパにおけるキリスト教の一極支配という時代が終わっていく流れにつながります。

まさに「文字」が時代を動かしたということにエピソードです。

AIが大量に文字を生成する時代に、大事なことは?

さて、現代は活版印刷の頃と比較にならないくらいに文字であふれる世の中となっています。さらには今や、AIがヒトの代わりに文字を生成するような時代になってしまいました。

が、それでも「ヒトが自分で文字を書く意味はある」、ということを前回の記事で書いています。

地動説のような大掛かりな話ではないですが、現代も「変化」の中には「文字がある」のだなあと、『チ。』の世界観に触れて感じたところです。

ところで、この「変化」について考えている一連の記述は、トヨタ産業技術記念館、日本科学未来館での体験、そしてマンガ『チ。』の購読などがインプット元となっています。トヨタと『チ。』がつながるって、よく分からない感じです。

でも、こういう「よく分からないところを繋げて考える」ことが、AIが多くの情報を整理しアウトプットしてくれる時代において大事な営みだとも思います。

そして色々なところに出かけ、体験をすることが「繋げる元ネタとなる点」を増やすことになります。

まあ、意図して点を打ってるわけでないので、つながらないままの体験もあるかもしれないですが、その体験単体で楽しいので、それも良しということで。

では今回は以上です。『チ。』に興味を持たれた方はぜひ一度、目を通してみてください!


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