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本場のトルコ料理を味わう旅

トルコを旅してきた。

旅の目的は、大きくふたつ。
そのうちのひとつは、食べもの、つまりトルコ料理のこと。

トルコ料理というと、日本でもポピュラーになったドネルケバブなどのケバブ類。あとは様々な前菜のメゼのうちのいくつか。このあたりは日本でも食べられることが多いけれど、正直、日本のトルコ料理店ではどこもメニューが似たものばかりで、もっと現地ローカルなものがあるはず、と思っていた。

そんな折、2023年に『食で巡るトルコ/岡崎伸也』を読んだ。

岡崎伸也さんのことはこの本を読むまで存じ上げていなかったが、長らくトルコの各地を巡る中で、それぞれの土地のローカルな食べ物まで網羅的に紹介されている。この本を読むまで、トルコには81もの県があることも知らなかったし、章立てされた県のそれぞれで独自の料理があったりもして、知らない料理ばかりなのにも驚いた。

何度も読み返しているうちに、やはり一度は本場トルコで料理を食べてみたい、と思いつつも数年。連休中にどこに行こうかと思ったときに、やはりトルコにしようと決めた。


普段から、その土地の「普通の人たち」が食べているものがどんなものなのか気になっている。なので、今回もおしゃれな高級レストランなどには目もくれず。また、ケバブ類は割と同じ系統に寄ってしまうのと、野菜好きとしてはやはり野菜料理が気になる性質なので、いわゆるケバブ類はそんなに求めなかった。ケバブは、ストリートフードのお店なら手ごろな値段だけれど、レストラン的なところで食べるとかなりの値段になるので、そのあたりの現実的な理由もあったり。

結果として、多く足を運ぶことになったのが「ロカンタ(lokanta)」と呼ばれる大衆食堂。その多くが朝6時くらいから開いていて、朝から夜まで、様々な料理を比較的安価で提供している。ちなみに、朝はスープだけというお店が多い。

ロカンタの入り口にて

ロカンタの魅力は、なんといってもずらりと並んだ料理たち。メニューが読めなくても、食べたい料理を指さしながら注文できる。パンはたいてい無料で提供されるので(無料ではなくてもとても安い)、2,3皿選んで、パンをつければお好み定食のようなスタイルが完成する。

どれを食べようか、迷う時間も楽しい

この並んだ料理を見ながら、あれはどんな味だろう、こっちの料理も気になる、などとあれこれ考えながら選ぶのが楽しい。また、食べれなかったとしても、こんな料理もあるのか、と知ることもできるし、気にとめておいてどこか別の機会で選んだりすることもあった。

みんなササッと食べてパッと去っていく

客が多い店では、他の人がどんな料理を選んでいるのかを見て、選ばれている料理の傾向をチェックしてみたり。あの料理、みんな頼むなあ、とかとか。トルコの「普通の人たち」が食べている料理の傾向がつかめて、とても興味深かった。

朝は1杯のスープから

ロカンタの朝は、スープだけの提供だったりもする。朝は、スープ1杯にパンを食べて、それで終わり。そんなスタイルの人が多いらしい。栄養バランス的にちょっと心もとない気もするけれど、最もスタンダードなレンズ豆のスープは、豆なのでタンパク質もそれなりに摂れているのだろう。なにより、そのホッとする味は、日本の味噌汁と同じような位置づけに感じられた。


スープを頼むといろいろと付いてくるお店も

ロカンタの各種料理とともに、トルコ料理の中で気に入ったのが、スープ(チョルバ)。レンズ豆のスープ(メルジメッキ・チョルバス)や花嫁のスープ(エゾゲリン・チョルバス)と呼ばれるレンズ豆+トマト+ブルグルのスープなどが定番。そして、肉や内臓を使った各種スープたち。羊の頭と脚のスープ(ケッレ・パチャ)やトリッパのスープ(イシュケンベ)、そしてかなりスパイシーな羊肉と米のスープ(ベイラン)などなど……。

アンカラで通ったスープのお店

これからの夏の季節にどうなのかはちょっと分からないけれど、秋・冬・春のシーズンであれば、これらのスープ類はいつでも美味しくいただけると思う。特に、とんでもなく寒かったアンカラではほぼ毎食スープを付けて暖をとっていたのだけど、そのホッとする味と、付け合わせのパンをスープにひたして食べたときの幸福感は、ちょっと想像していた以上だった。

ちょっと意外だったのは、野菜の具がたくさん入っているスープは見当たらなかったこと。肉のスープの場合は具だくさんのもあるけれど、野菜の場合はたいていポタージュ上にされていた。ハーブ類は後から入れるからか、形がそのまま残っているものも多かった。日本だと、野菜は具だくさんスープにすることが多いように思うのだけど、どうだろう。自分の観測範囲が狭いのかも? ともあれ、トルコのスープはポタージュ状が基本のように思えた。

タルハナ・チョルバス。ヨーグルトとトマト玉ねぎなどを発酵させたペーストを使う。
これはトルコ料理の中でも是非とも食べてみたかったもの。
想像以上に複雑でとても味わい深かった。

各地の地方色もあり、いまではあまり見なくなったという伝統料理もあり、一方で先進的な新しいメニューもあり。さすが世界三大料理といわれるトルコ料理、いろいろ食べたけどまだまだ奥が深い。本に載っていた料理で、出会えたものも多いけれど、出会えなかったものもまだまだ多い。またいつか本場のトルコ料理を体験しに再訪してみたい。


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