Mac mini M4 で使う「Windows App」完全ガイド:リモートデスクトップ接続をマスターしよう
自己紹介にも書いていますが、私は長年WindowsとLinuxをメインに使い、最近Mac mini M4を購入しMacの世界に足を踏み入れました。Macの洗練されたUIやAppleデバイス間の連携は素晴らしく、現在はメインマシンとして使用していますが、それでも既存のWindows11やLinuxマシンは継続して使用しています。Windows11やLinuxマシンを使用する際に、モニター入力やキーボード、マウスを切り替えるのは煩雑に感じていました。
これまでは、Macでリモートデスクトップ接続というとMicrosoft純正の「Microsoft Remote Desktop」アプリがありましたが、より新しく、多機能な「Windows App」が2024年9月にリリースされました。このアプリは、Windowsだけでなく、Linux(GNOMEデスクトップ)へも接続できる優れものです。
この記事では、Mac mini M4をメインマシンとして活用しているけれど、時々WindowsやLinuxも使いたい、モニターやキーボード・マウスを切り替えるのが面倒、という私のようなユーザーに向けて、「Windows App」のインストールから、Windows 11とArch Linuxそれぞれへの具体的な接続設定、そして多くの人がつまずきがちな日本語入力の問題まで、誰でも簡単に実践できるよう丁寧に解説します。
なお、これまでの記事をまとめたマガジンはこちらです。
始めに結論を
この記事で実現することと、そのためのポイントを先にまとめておきます。
ゴール: macOSの「Windows App」から、WindowsとLinuxへ快適にリモートデスクトップ接続する。
Windowsへの接続: 接続される側のWindowsで「リモートデスクトップ」を有効にする。
Linuxへの接続: 接続される側のLinux(GNOME)で「デスクトップ共有」を有効にする。
日本語入力の問題: 接続先のOS側で、IMEのショートカットキーを変更することで解決する。
セキュリティ: 公共のネットワークから接続する場合は、必ずVPNを利用する。
それでは、具体的な手順を見ていきましょう!
【ステップ1:準備】macOSに「Windows App」をインストールしよう
何はともあれ、まずはMacに「Windows App」をインストールする必要があります。このプロセスは非常に簡単です。
Homebrew でインストール
Homebrewをインストール済みの場合はコマンド一つでインストールできます。
brew install --cask windows-appパスワードを要求されますので入力します。
App Store でインストール
お使いのMacで App Store を起動します。
ウィンドウ右上の検索バーに「Windows App」と入力して検索します。
Microsoft Corporationが提供している「Windows App」が表示されるので、「入手」 ボタンをクリックします。Apple IDのパスワードやTouch IDが求められる場合があります。

これだけで、Mac側の準備は完了です。
【ステップ2:実践編1】Windows 11へのリモート接続設定
まずは、最も利用シーンが多いであろう、Windows PCへの接続方法から解説します。
接続される側(Windows 11)での設定
macOSから接続を受け入れるために、Windows側でいくつかの設定が必要です。
1) リモートデスクトップを有効にする
`Win + I`キーを押して「設定」アプリを開きます。
左側のメニューから「システム」を選び、リストの中から「リモート デスクトップ」をクリックします。

「リモート デスクトップ」という項目のトグルスイッチを オン に切り替えます。確認のダイアログが表示されたら、「確認」をクリックします。
【補足】セキュリティを強化するため、「デバイスが接続にネットワークレベル認証を使用することを要求する (推奨)」にチェックが入っていることを確認してください。これにより、より安全な接続が保証されます。

2) 接続情報を確認する
接続するためには、Windows PCを特定するための情報が必要です。これには「コンピューター名」または「IPアドレス」のいずれかを使用します。
コンピューター名: 「設定」→「システム」の最上部に表示されています。
IPアドレス: コマンドプロンプトやPowerShellを起動し、`ipconfig`と入力してEnterキーを押します。「IPv4 アドレス」という項目に表示される `192.168.x.x` のような形式の数字がそれです。
どちらかの情報をメモしておきましょう。個人的には、IPアドレスを使用する方が確実 だと思います。ただし、IPアドレスは変わってしまう可能性があるため、固定IPにするか、ルーターの設定でIPアドレスを固定しておくと、今後の接続が楽になるのでおすすめです。
3) ユーザーアカウントの確認
リモートデスクトップ接続には、パスワードが設定されたユーザーアカウントが必須です。もしパスワードを設定していない場合は、必ず設定しておきましょう。
通常は Microsoft Account を使用していると思います。
接続する側(macOS)での設定
次に、Mac側で先ほどインストールした「Windows App」を設定します。
Launchpadやアプリケーションフォルダから Windows App を起動します。

メイン画面に表示される右上の 「+ (追加)」 ボタンをクリックし、表示されるメニューから 「Add PC」 を選択します。

Add PC 設定画面が表示されます。(キャプチャ画面は Edit PC ですが Add PC と設定内容は変わりません)

「PC name」の入力欄に、先ほど確認したWindows PCの IPアドレスまたはコンピューター名 を入力します。
「Credentials (認証情報)」の項目では、「Ask when required(毎回確認する)」のままでも良いですし、「+」ボタンからWindowsのユーザー名とパスワードを保存しておくこともできます。
「Friendly name」に分かりやすい名前を入力しておくと区別しやすくなります。
右下の 「Add」 (Edit PC の場合は Save) ボタンをクリックすると、メイン画面に接続先のPCアイコンが作成されます。
このアイコンをダブルクリックすると、接続が開始されます。初回接続時には証明書の警告が表示されることがありますが、「接続」をクリックして進んでください。
無事にWindowsのデスクトップ画面が表示されれば成功です!
【ステップ3:実践編2】Arch Linux (GNOME) へのリモート接続設定
次に、GNOMEデスクトップ環境のArch Linuxへ接続する方法です。「Windows App」はRDP(リモートデスクトッププロトコル)を利用するため、Linux側でRDP接続を受け入れるための設定を行います。
なお、今回の方法は GNOME 48 の場合の設定です。
接続される側(Arch Linux)での設定
1) GNOMEデスクトップ共有を有効にする

GNOMEの「設定」を開き、左側のメニューから「システム」を選択し、「リモートデスクトップ」に移動します。

ウィンドウ上部のタブの「デスクトップ共有」を選択します。
「デスクトップ共有」と「リモートコントロール」スイッチを オン にします。
「ログインの詳細」の項目に、「ユーザー名」と「パスワード」を設定します。
このユーザー名とパスワードはログインユーザーとは別に設定します。これが接続時に必要になる情報なので、必ず控えておきましょう。
2) (推奨)コマンドラインで接続情報を確認する
セキュリティを強固にするためにパスワードを複雑にした場合には、より確実に情報を確認するために、ssh で Linux に接続し、ターミナルから以下のコマンドを実行することをお勧めします。
grdctl status --show-credentialsこのコマンドを実行すると、現在の共有ステータスと、接続に必要な認証情報(ユーザー名・パスワード)が明確に表示されます。
接続する側(macOS)での設定
設定方法は、Windowsの場合と同じですので手順は省略します。アイコンをダブルクリックするとMacの画面上にLinuxのデスクトップが表示されるはずです。
Windows11 と Arch Linux (GNOME) の両方に、macOS の Windows App アプリを使用してリモートデスクトップ接続できるようになりました。
【トラブルシューティング】よくある問題と解決策
リモートデスクトップでは、特有の問題が発生することがあります。ここでは代表的なものを2つ紹介します。
問題1:日本語入力(IME)の切り替えができない!
これは非常によくある問題です。原因は、macOS側のショートカットキー(`control + space`など)と、リモート先のOSのショートカットキーが競合してしまうためです。
この最も効果的な解決策は、接続先のOS側(Windows/Linux)で、IMEの切り替えショートカットキーを、macOSで使わないキーの組み合わせ(例:「Shift + SPACE」など)に変更することです。これにより、キー入力の競合を避けることができます。
問題2:Linux接続時、画面ロックすると接続が切れる!
これはGNOMEの仕様によるものです。セキュリティ的には正しい挙動ですが、作業中に少し席を立っただけで接続が切れてしまうのは不便なこともあります。
この問題を回避するには、Extension Manager から `Allow Locked Remote Desktop` というGNOME拡張機能をインストールします。スクリーンセーバーが動作しても接続はされたままとなり、ユーザー認証すればそのまま継続して使用できます。


問題3:Linux (GNOME) 起動直後に接続できない! (2026年3月7日追記)
Linux (GNOME) の起動直後にはリモートデスクトップ接続に失敗します。この原因は、Linux (GNOME) へのログイン認証が通って初めてリモートデスクトップ接続が可能になるためです。
ssh やコマンドの知識が多少必要ですが、回避方法がありましたのでリンクします。
Linux (GNOME) はモニターに接続していないと GDM が起動しません。ダミーHDMIプラグがあると、上記リンク先の方法で起動直後からリモートデスクトップを使用できるようになります。
Windows は GUI とセットなので、ダミー HDMI プラグが無くても接続可能です。
【重要】セキュリティに関する注意点
リモートデスクトップは外部からPCを操作できる非常に便利な機能ですが、一歩間違えれば大きなセキュリティリスクにもなります。ローカル環境で使う場合はそれほど問題となりませんが、リモートから接続する場合には以下の点は必ず守るようにしてください。
強力なパスワード: 接続に利用するアカウントには、必ず推測されにくい、長く複雑なパスワードを設定してください。
VPNの利用: 自宅やオフィスの外(カフェや公共のWi-Fiなど)から接続する場合は、通信が暗号化されていないため、第三者に情報を盗み見られる危険性があります。これを防ぐために、必ずVPNを経由して接続してください。
接続後の管理: リモートデスクトップを使い終わったら、必ず接続ウィンドウを閉じて 「切断」 するだけでなく、可能であればリモート先のOSから 「サインアウト」 または 「シャットダウン」 する習慣をつけましょう。
結び
今回は、「Windows App」を使って、macOSからWindowsやLinuxのデスクトップ環境へシームレスにアクセスする方法を解説しました。
個人的には、このアプリの登場によって、OSの垣根を越えた作業がこれまで以上にスムーズになり、Macを母艦としながら他のOSの資産を有効活用できるようになったと感じています。特に、Linuxデスクトップにまで接続できることは、複数OSを跨いで作業する私のような人にとっては、モニター・キーボード・マウスを切り替えることなく作業できるのは非常に快適になります。
この記事を参考にして、皆さんもぜひ安全で効率的なリモートデスクトップ環境を構築してみてください。この記事が、あなたのお役に立てれば幸いです。
最後まで読んで頂いてありがとうございます!
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