旧帝大、マーチ、学会は使えない。即時処断!!職務時間中、お祈りの時間を貰えるのは、宗教上の配慮としてタバコ休憩と同様、当然なんですかー僕が学会おばさんに休憩時間に含めないのは、特定宗教人種の差別(優遇)ですよと厳しく伝えた日ー学会の差別的人間性だけは本当に犯罪的で教育できない!高卒は違法機器に助成金が使えるとか言い出して、本当に『学会、元やくざは詐欺師』だった。早めに牢屋の中で人格矯正処分が必要。

第1章:八時間の境界線

​午後三時十五分。オフィスビル八階のフロアに、わずかに冷めたコーヒーの香りと、規則的なタイピング音が満ちていた。

​主人公である僕——中堅のシステム運用オペレーターとしてこの会社に勤めて八年になる木暮(こぐれ)は、パソコンの画面に並ぶサーバーの稼働ログを追っていた。

​ふと視線を左手にやると、隣のデスクは空席だった。そこは半年前に入社したインドネシア出身のエンジニア、ラディの席だ。彼は一日数回、あらかじめ決められた時間に小会議室へ向かい、お祈りを捧げる。時間にして十五分から二十分程度。彼にとってそれは信仰上の不可欠な義務であり、会社も「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進を掲げ、これを「宗教上の必要な配慮」として容認していた。

​一方で、僕の右斜め前のデスクも空席だった。ベテラン社員の「学会のおばさん」こと谷口さん(60代手前)だ。彼女は社内でも声が大きく、自身の宗教活動や人脈を隠そうともしない人物で、面倒見が良い反面、気に入らない相手やルールに対しては徹底的に自説を主張するタイプだった。彼女はその時、いつものようにタバコ仲間と連れ立って、地下の喫煙所へ向かっていた。

​「……またか」

​僕は小さくため息をつき、手元の時計を見た。

ラディのお祈り休憩は本日三回目で、計四十五分。

谷口さんたちのタバコ休憩は本日四回目で、計一時間近く。

​彼らが席を外している間、突発的な電話対応やシステムの監視、緊急のアラート処理はすべて、デスクに残された僕や数名の非喫煙・非信仰の社員に回ってくる。

​「木暮さん、すいません、またアラート鳴ってます」

後輩の女子社員が困惑した顔で声をかけてきた。

​「了解、僕が受けるよ」

​キーボードを叩きながら、僕の頭の中で長年くすぶっていた小さな疑問が、はっきりと形を取り始めていた。

​多様性への配慮。信教の自由。あるいは喫煙者のリフレッシュ。それ自体を否定するつもりはない。だが、「それらに費やされた時間が、なぜそのまま“勤務時間”として換算され、時給や給与が発生し、その穴埋めを他の社員が無償の負荷として背負わなければならないのか?」

​お祈りの時間も、タバコ休憩も、業務から完全に離れている以上、本来は「無給の休憩時間(あるいはフレックスでの時間補填対象)」とすべきではないのか。配慮と優遇は違うはずだ。

​そしてその日、運命の定例会議がやってきた。

​第2章:聖域と慣習

​「それでは次の議題ですが……業務中の離席時間と勤怠管理のルール化について、木暮さんから提起があります」

​夕方四時半。ガラス張りの中会議室で、チームの定例ミーティングが始まった。参加者はチーフの僕、課長、同僚数名、そして谷口さんだ。ラディは別の作業で不在だった。

​僕は用意していた資料を画面に投影した。

​「業務効率化と公平な負担分配のための提案です。現在、当チームでは『喫煙のための離席』および『宗教上の礼拝等のための離席』が日常的に行われています。これら自体を禁止することを提案するつもりはありません。しかし、現状はこれらが『勤務時間内』として処理されており、離席しない社員との間に実質労働時間の格差と、突発対応の負担の偏りが発生しています」

​僕は静かに、しかし明確なトーンで続けた。

​「提案として、業務外の個人的理由(喫煙・私的なお祈り等)による10分以上の離席については、中抜け(無給休憩)としてタイムカードに記録するか、あるいは終業時間をその分延長して補填する運用に統一することを提案します」

​会議室が一瞬、静まり返った。

課長が気まずそうに首をひねる。

​「いやあ、木暮くん。タバコは昔からの慣習だし、お祈りに関してはさ……本社のHR(人事部)からも『宗教上の配慮として、法的にハラスメントや差別にならないよう柔軟に対応すること』って通達が出てるじゃない? お祈りの時間を休憩扱いにして給与を引いたりしたら、それこそ『宗教差別だ』って問題になりかねないんじゃないかな」

​課長が日和った発言をしたその時、隣から鋭い鼻鳴らしが聞こえた。

谷口さんだった。彼女は肘を組み、不機嫌さを隠そうともせずに僕を睨みつけていた。

​「ちょっと、木暮さん。あなた本気でそんなこと言ってるの?」

​谷口さんの声が会議室に響いた。

​「ラディくんのお祈りはね、彼らの文化であり信仰なのよ? それを『給与から引く』とか『居残りで働け』なんて、世界基準のダイバーシティに反するでしょうが。宗教に対する理解がなさすぎるんじゃないの? 憲法でも信教の自由は保障されているのよ!」

​谷口さんは一気に捲し立てた。彼女自身、特定の宗教団体(いわゆる学会)の熱心な信者であり、日頃から「宗教的権利」や「弱者への配慮」という言葉を都合よく使う傾向があった。彼女にとって、宗教的行事やそれに伴う主張は、絶対に侵されてはならない「聖域」なのだ。

​「谷口さん」と僕は落ち着いて返した。

「信教の自由も、配慮の必要性も理解しています。僕が言っているのは『お祈りをするな』ということではありません。『お祈りをする時間を、業務時間とみなすか否か』という制度の話です」

​「同じことでしょ!」谷口さんは机を叩いた。

「お祈りの時間を勤務時間から除外して無給にするなんて、実質的にお祈りを妨害してるのと同じじゃない! 宗教的なマイノリティに対する『差別』よ! あなた、自分がどれだけ冷酷で差別的な発言をしてるか分かってるの!?」

​谷口さんの「差別」という強烈な単語に、課長は露骨におろおろとし始めた。

​第3章:正義の仮面

​「それにね」谷口さんは攻撃の手を緩めなかった。

「タバコだってそうよ。喫煙所でのコミュニケーションがどれだけ業務のスムーズな連携に役立っているか分かってないの? たかだか数分のリフレッシュをちまちまタイムカードで計算するなんて、器が小さすぎるわ。私たちがいない間に電話を取るのがそんなに嫌なわけ? お互い様でしょうが!」

​「お互い様、ではありません」

僕ははっきりと否定した。

​「非喫煙者はタバコ休憩を取りません。僕もお祈りの時間は取りません。一方通行の負担を『お互い様』と呼ぶのは論理のすり替えです。それに、谷口さんは『差別』とおっしゃいましたね」

​僕は姿勢を正し、谷口さんの目を真っ直ぐに見つめた。ここからが、僕が今日ずっと準備してきた論理の核心だった。

​「谷口さん。あなたが仰る『配慮』が、もし特定の人たちだけに認められた『特別な給料の発生する不活動時間』であるならば、それこそが真の差別です」

​「……はあ? 何言ってるのよ」

​「法律や労働基準法において、労働時間とは『使用者の指揮命令下に置かれている時間』を指します。お祈りをしている時間や、地下でタバコを吸って雑談している時間は、会社の指揮命令下ですか? 違いますよね。完全に私的な時間です」

​「だから、それは宗教上の配慮だって……!」

​「配慮とは『その行動を行う機会を保証すること』であって『働いていない時間にも給与を支払い、他の社員にその補填を強制すること』ではありません」

​僕は声を一段低くし、静かに、だが部屋全体に響く厳しさを持って言葉を紡いだ。

​「職務時間中にお祈りの時間を貰えるのは、宗教上の配慮としてタバコ休憩と同様、当然なんだから勤務時間に含めろ——そう主張して他の社員と同等の労働として扱うことこそが、特定の宗教や人種に対する『不当な優遇』であり、配慮を受けないその他の社員に対する『逆差別』ですよ」

​第4章:決戦の瞬間

​会議室の空気が、凍りついた。

​谷口さんの顔が怒りと驚きで真っ赤に染まっていく。

「なっ……私に対する……ううん、学会や宗教全体に対する侮辱!? 差別ですって!? 私は正しい権利の話をしているのよ! あなた、自分が何を言っているのか分かっているの!?」

​「分かっています」

僕は退かなかった。

​「谷口さんは『差別』という言葉を盾にして、ご自身の都合の良い優遇措置を正当化しようとしています。仮に、特定の宗教信者やお祈りをする人種だけが『勤務時間中に1日1時間、業務を免除されて満額の給与をもらえる』というルールが成立したら、それは何ですか? 宗教を持たない人間、あるいは勤務中に祈祷を必要としない宗教の人間に対する『制度的差別』以外の何物でもありません」

​「な、なんて極論を……!」

​「極論ではありません。タバコ休憩も同じです。ニコチン依存という個人的な事情を持つ人だけが、1日1時間の有給休憩を追加で得ている状態です。なぜ『祈る人』や『吸う人』だけが、8時間労働のうち実質7時間しか働かずに8時間分の給与をもらい、残された人間が実質9時間分の負担を背負って8時間分の給与しか貰えないのですか?」

​「それは……それは社会的な配慮とか、文化の尊重とか……!」

​「尊重はします」僕は頷いた。

「ですから、お祈りの時間を確保するために、勤務時間を前後にずらすフレックスの適用や、昼休みを分割して充てることを提案しています。時間の確保という『配慮』は100%行います。しかし、『働いていない時間に賃金を払い、他人に穴埋めをさせる』という『優遇』は拒否します。配慮と優遇を混同しないでください。特定の属性を持つ者だけを特別扱いすることは、ダイバーシティ(多様性)ではなく、単なる『特権の付与』です」

​谷口さんは言葉を詰まらせた。

彼女がこれまで誰も反論できない最強の武器として使ってきた「宗教」「配慮」「差別」という言葉が、そのまま彼女自身の「身勝手な優遇要求」を突く刃として跳ね返されたからだ。

​「課長」僕は怯える上司に視線を向けた。

「HRに確認してください。『宗教上の配慮として、礼拝時間を有休・勤務時間扱いとしなければならない法的な義務があるのか』と。絶対にありません。労働法における『機会の保証』と『賃金の支払い義務』は別です。もし会社がこれを勤務時間として認めるというなら、離席しない社員に対して『特別手当』を支給するか、非喫煙・非宗教者の離席リフレッシュ時間も同等に認めてください。そうでないなら、明確な差別構造が存在することになります」

​課長はハンカチで額の汗を拭いながら、小さく頷いた。

「あ、うん……確かに、木暮くんの言う論理も一理あるな……。単に『ダメ』と言うのではなく、時間を補填する運用にするなら、法的な『差別』には当たらないはずだし……」

​「課長まで何を言ってるのよ!」谷口さんが叫んだ。

​「谷口さん」僕は最後に、冷ややかとも言える落ち着いた声で伝えた。

​「あなたが本当に自分の信仰や宗教活動に誇りを持っているのなら、その聖なる時間を『他人の労働にタダ乗りするための口実』にしないでください。正当な権利を主張するなら、正当な義務を果たした上で行うべきです。それを通そうとするのは、特定宗教・人種の優遇であり、僕たちに対する差別です。僕はこれ以上、その不公平を看過しません」

​第5章:新しい朝

​谷口さんは何も言い返せなかった。荒い息をつきながら僕を睨みつけていたが、論理的に完全に退路を断たれたことを悟ったのか、やがて視線を落とし、唇を噛み締めた。

​その後、会議は幕を閉じた。

​翌週、HRとの協議を経て、我がチームで一つの試行ルールが適用されることになった。

​私的離席(喫煙・お祈り・私的電話等)の可視化と時間補填

​10分以上の離席は勤怠システムに「中抜け」として記録する。

​離席した分の時間は、当日の定時以降に延長して勤務するか、フレックスタイム制度を利用して精算する。

​礼拝スペースの提供や時間の確保自体は全社的に100%保障する(配慮の継続)。

​このルールが発表された日、職場の空気は劇的に変わった。

​ラディは素直にルールを受け入れた。彼はもともと真面目な性格であり、「お祈りの時間をちゃんと確保してもらえるなら、その分遅く残って仕事をするのは当然のことです。神様も不誠実な労働を望みません」と笑って言った。彼は夕方、お祈りをした分の三十分延長して黙々とコードを書き、すっきりと帰宅するようになった。

​一方、谷口さんたちのタバコ休憩は劇的に減った。

今まで無意識に1日5〜6回行っていた喫煙が、「行った分だけ残業(あるいは減額)になる」となった瞬間、彼女たちは「1日1〜2回、昼休みか定時後」に激減させたのだ。いかにそれが「必要なリフレッシュ」ではなく「単なる甘えとサボり」であったかが証明された瞬間だった。

​そして何より、残された僕たちの負担感と、胸のつかえが消えた。

​夕方五時半。

定時を告げるチャイムが鳴る。

​僕は画面のログを確認し、システムが正常に動いているのを見てからパソコンをシャットダウンした。隣の席ではラディが「お疲れ様です、木暮さん。僕はあと20分補填して帰ります」と爽やかに声をかけてきた。

​「お疲れ様、ラディ。無理しないでね」

​僕が鞄を持って立ち上がると、遠くの席で谷口さんが苦々しい顔でこちらを見ていたが、もう以前のように理不尽な主張で職場を支配する威圧感はなかった。

​『配慮』とは、誰かの犠牲の上に成り立つものではない。

互いの違いを認め、ルールの上で対等に立ち、同じコストを支払うこと——それこそが、本当の意味での「公平」であり「多様性の尊重」なのだ。

​オフィスの外に出ると、夏の夕空が赤く澄み渡っていた。

僕は深く息を吸い込み、軽やかな足取りで駅へと向かって歩き出した。

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