痛み止めの薬が欲しい時〜あなたはどっちを選ぶ?ロキソニン?イブ?よくある選び間違いについて
ドラッグコーナーには、毎日「痛み止めください」と言って、薬を買いに来るお客さんが大勢います。
棚にズラッと並んだ薬を前にして「どれがいいんだろう…」と迷ってる人も⋯
特によく名前を聞くのが ロキソニンS と イブA錠(イブプロフェン)。
どちらも「痛み止め」として売られているのに、何が違うの?と思いますよね。
とにかく「いちばん効く薬が欲しい」という方もおられると思いますが、思い込みで買っていく人も多いようです。
今日は鎮痛薬のよくある「選び間違い」を5つご紹介します!
そもそも何が違うの?まず基本から

ロキソニンSの主成分であるロキソプロフェンと、イブA錠の主成分であるイブプロフェンは、どちらも「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」という種類の薬です。
これらは、体内で痛みの原因となる物質(プロスタグランジン)が作られるのを抑えることで、炎症を鎮め、痛みを和らげる作用があります。
成分は異なりますが、痛みを抑える基本的な仕組みは似ているんですね。
よくある選び間違い5選
❶「ロキソニンのほうが強いから、とりあえずロキソニン」
→ これ、実は胃に要注意です
「強い薬のほうが早く効くはず!」と思ってロキソニンを選ぶ方は多いかもしれません。
しかし、ロキソニンSの主成分であるロキソプロフェンは、体内で吸収されてから効果を発揮する「プロドラッグ」という特徴を持っています 。
これにより、胃の中での直接的な刺激は抑えられますが、体内で活性化された後は、胃の粘膜を守る作用も弱めてしまうため、空腹時に服用すると胃に負担がかかる可能性があります。
ロキソニンもイブも、NSAIDsである以上、胃への負担が起こる可能性は共通しています。
胃が弱い方や、食事をとれないときに飲む場合は、特に注意が必要でしょう。
なお、市販のロキソニンには胃をまもる成分が追加された「ロキソニンSプラス」という商品も販売されていますので、そちらを選ぶこともできます。
「強ければいい」ではなく、自分の体質に合う薬を選ぶのが大事です。

❷「生理痛には絶対イブ!」と思い込んでいる
→ イブもロキソニンも生理痛に使えます
「イブ=生理痛の薬」というイメージをお持ちの方も多いでしょう。
CMなどの影響もあって、生理痛にイブを選ぶ方が非常に多いです。
でも実は、ロキソニンも生理痛に適応があります。
イブプロフェンは、生理痛の原因となるプロスタグランジンの生成を抑える作用が比較的強く、生理痛の緩和に広く用いられてきました。
ロキソプロフェンも生理痛に効果を発揮しますが、普段服用している鎮痛剤で効果があるのなら、無理に別の薬を選ぶ必要はありません。
ご自身の症状や体質に合った薬を選ぶことが重要です。
❸「頭痛にはどちらでもOK」と思っている
→ 緊張型頭痛と片頭痛では対応が変わります
• 緊張型頭痛 (肩こりや疲れからくる締 め付けられるような痛み):NSAIDs全般が効果を発揮しやすいとされています。
• 片頭痛 (ズキンズキンと脈打つような痛み):痛みが始まったら早めに服用するのが効果的です。
市販薬では効果が限定的な場合もあります。
片頭痛ではない頭痛には、ロキソニンでもイブや他の鎮痛薬でもどれでも使うことができます。
しかし、片頭痛が頻繁にある方は、市販薬に頼りすぎると「薬物乱用頭痛」になることも。
頭痛の頻度が多い場合や、市販の頭痛薬を飲んでもあまり効かない時は、医療機関で適切な診断を受け、処方薬を検討することをお勧めします。
❹「同じ日にロキソニンとイブを両方飲んだ」
→ これは絶対NGです!
「効かなかったから別の薬も飲もう」はとても危険。
ロキソニンもイブも同じNSAIDsなので、重ねて飲むと副作用のリスクが上がるだけで、効果は増えません。
同じ系統の痛み止めを併用するのはNG。
「効かない」と感じたら、用量を見直すか、薬剤師や登録販売者に相談しましょう。
❺ かぜ薬と一緒に飲むという盲点
市販のかぜ薬には、すでに解熱鎮痛成分(イブプロフェンやアセトアミノフェンなど)が含まれていることが非常に多いです。
このことを知らずに、かぜ薬とロキソニンやイブなどの単独の痛み止めを一緒に飲んでしまうと、同じ成分を過剰に摂取することになり、思わぬ副作用を引き起こすリスクが高まります。
かぜ薬を服用している場合は、追加で痛み止めを飲む前に、必ず薬剤師や登録販売者に相談し、成分の重複がないか確認するようにしましょう。
補足情報として
ロキソニンを飲んではいけない人・注意が必要な人
ロキソニンSは優れた解熱鎮痛薬ですが、すべての人が安全に使えるわけではありません。
次の人は服用できません
ロキソプロフェンや他の解熱鎮痛薬でアレルギー症状を起こしたことがある人
喘息を起こしたことがある人(アスピリン喘息など)
15歳未満の子ども
医療機関で胃・十二指腸潰瘍の治療を受けている人
妊娠後期(出産予定日12週以内)の人
ロキソニンSは効果が高い反面、副作用のリスクもあるため、添付文書をよく確認して使用することが大切です。
ロキソニンSが薬剤師からしか購入できない理由
ロキソニンSは「第1類医薬品」に分類されています。
第1類医薬品とは、副作用や相互作用などについて特に注意が必要な医薬品です。
ロキソニンSには次のようなリスクがあります。
胃潰瘍や胃出血
腎機能への影響
重いアレルギー反応(ショック、アナフィラキシー)
喘息発作の誘発
そのため、購入時には薬剤師が使用者の体調や持病、服用中の薬を確認し、適切に使用できるか判断することが法律で定められています。
一方、イブA錠は「指定第2類医薬品」に分類されており、薬剤師だけでなく登録販売者からも購入できます。
つまり、
効果の強さだけで第1類医薬品になっているわけではない
安全に使用するために専門的な確認が必要と考えられている
「薬が強いから薬剤師しか売れない」というわけではなく、副作用リスクや使用上の注意点が多いため、第1類医薬品に分類されています。
まとめ
「痛み止め」といっても、その人の体質・症状・状況によって、最適な薬は変わります。
薬によっては、胃潰瘍の既往がある方、喘息のある方、妊娠中の方は使用できない場合があります。
「なんとなくいつもこれ」で選んでいた方は、ぜひ今日の内容を参考にしてみてください😊
「どっちが自分に合ってるか分からない」という方は、ドラッグストアの薬剤師か登録販売者に気軽に聞いてみるのが一番です。
専門家があなたの状況に合わせて、適切なアドバイスをしてくれるでしょう。
※ この記事は一般的な情報提供を目的としており、医療・服薬指導の代替となるものではありません。
持病がある方・妊娠中の方・他の薬を服用中の方は、必ず医師や薬剤師にご相談ください。
