秋花粉は春と何が違う?「花粉症=春」ではない、秋の花粉を知る
「あの、アレルギーの鼻炎薬ありますか?」
ある日、こんなお客さんが来られました。
夏が終わって、少し涼しくなってきた頃。
朝起きると、くしゃみが出る。
鼻水が止まらない。
なんとなく目もかゆい。
「風邪をひいたかな?」
そう思っていたのに、外に出るとさらに鼻がムズムズする。
もしかすると、それは秋の花粉かもしれません。
花粉症といえば、春。
スギやヒノキを思い浮かべる人が多いと思います。
でも、花粉が飛ぶのは春だけではありません。
では、秋にはどんな花粉が飛んでいるのでしょうか?
そして、春の花粉症とは何が違うのでしょう?
春と秋では、原因となる植物が違う
まず、一番大きな違いは原因となる植物です。
春の花粉症でよく知られているのは、スギやヒノキ。
一方、秋の花粉症では、
ブタクサ
ヨモギ
カナムグラ
などが代表的です。
アレルギーポータルによると、スギは3月頃、ヒノキは4月頃がピークとなる一方、ブタクサ属・ヨモギ属・カナムグラなどは、地域や気象条件などによって時期は前後しますが、8~10月頃に飛散します。
つまり、
「花粉症=春」ではありません。
春にも秋にも花粉症はありますが、飛んでいる花粉の種類が違うのです。
秋花粉は「どこにいたか」もヒントになる
秋の花粉を考えるとき、春とは少し違った視点があります。
春のスギやヒノキの花粉の場合は、天気予報の際に「花粉飛散情報」を目にすることが多いですね。
でも秋には「そんなニュース聞いたことがない」と思われませんか?
秋の花粉の原因になるブタクサやヨモギ、イネ科の植物などは、河川敷や空き地、道路脇など、身近な場所で見かけることがあります。
それで、「その日にどこにいたか」が重要な情報源となります。
たとえば、
「河川敷を散歩したあとから鼻がムズムズする」
「草の多い公園で長時間過ごした日は症状が強い」
「草むらで遊んだあと、くしゃみが止まらなくなった」
そんなことが毎年同じ時期に起きるなら、秋の花粉との関係を考えるきっかけになります。
もちろん花粉がどのくらい飛ぶか、どこまで移動するかは、植物の種類や花粉の性質、風、地形、気象条件などによって変わります。
ただ、秋は、
「今日は花粉が多いかな?」だけでなく、「今日はどんな場所に行ったかな?」
という視点を持ってみると秋の花粉症に気づくきっかけとなるかもしれません。
症状は、春の花粉症とよく似ている
秋の花粉症だからといって、春とは違う症状が出るわけではなく、代表的なのは
くしゃみ
鼻水
鼻づまり
目のかゆみ
など。
「秋だから風邪かな?」と思っていたら、実は花粉症だった、という可能性もあります。
さらに、花粉以外にもダニなどのハウスダスト、カビ、風邪などの感染症、その他のアレルゲンが症状に関係することがあります。
そのため、
「秋に症状が出た」というだけでは、原因を花粉と決めることはできません。
秋の時期は、朝晩思ったより冷え込んだりする地域もあり、気温差で風邪を引く場合も少なくありません。
風邪などの感染症か?秋の花粉症なのか?見分けがつきにくい場合もあります。
ですから症状が長く続く、強い、生活に支障があるという場合には、医療機関に相談し、アレルギーの原因を調べてもらうのも一つの方法です。
秋花粉だから「症状が軽い」とは限らない
「スギ花粉に比べれば、秋の花粉はそれほど大したことがないのでは?」
そう思う人もいるかもしれません。
でも、これも一概には言えません。
花粉症の症状は、花粉の種類だけで決まるものではなく、
どの花粉に反応するのか
どのくらい花粉にさらされたのか
その人のアレルギー体質
気象条件
など、さまざまな要因が関係します。
そのため、
「秋花粉だから症状が軽い」とは言い切れないようです。
秋の花粉でも、くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどで辛いと感じる方もおられます。
対策の基本は、春も秋も同じ
では、秋の花粉症にはどう対策すればいいのでしょうか?
基本的な考え方は、春と変わりません。
「花粉をできるだけ浴びない、家の中に持ち込まない」
これが基本です。
環境省も、花粉が付きにくく露出の少ない服装、帰宅後の手洗い・洗顔・洗髪、換気方法の工夫、洗濯物や布団の外干しを控えることなどを対策として示しています。
そして秋なら、もう一つ意識したいのが、
「原因になりそうな植物がある場所に長時間いるときは注意する」
ということ。
河川敷、空き地、草むら、道路脇、草の多い公園などに行ったあと、毎年のように症状が強くなるのであれば、その時期や場所を少し意識してみましょう。
「秋なのに花粉症?」と思ったら
もし毎年、秋になると鼻や目の症状が出るなら、こんなことを振り返ってみてください。
毎年、同じ時期に症状が出る
外にいると症状が悪化する
草の多い場所に行ったあとに症状が強くなる
くしゃみや鼻水が繰り返し出る
目のかゆみを伴う
当てはまるものがあれば、花粉症の可能性を考える材料になります。
ただし、これはあくまで「気づくためのチェックポイント」です。
発熱や強い倦怠感がある場合など、花粉症以外の原因が考えられる場合もあります。
症状が続いたり、つらかったりする場合は、耳鼻咽喉科やアレルギーを扱う医療機関などに相談しましょう。
おわりに
花粉症といえば春、というイメージがありますが、秋にも花粉症はあります。
春はスギやヒノキ、秋はブタクサやヨモギ、カナムグラなど。
原因となる植物が違えば、花粉が飛ぶ時期も変わります。
秋に鼻水やくしゃみが出たときは、風邪との見分けがつきにくい場合もあります。
市販薬を購入したいと思うときには、「どんな症状か?」だけでなく、「いつから症状が出た?」「どんな場面でひどくなるか?」
などを伝えると、薬剤師や登録販売者に相談する際の大切な情報になります。
「花粉症は春のもの」と思い込まず、秋にも花粉が飛んでいることを知っておく。
それだけでも、自分の症状に気づくきっかけになるかもしれません。
※この記事は秋の花粉症について一般的な情報を紹介するものです。
症状の原因を診断するものではありません。
症状が続く場合やつらい場合は、医療機関などにご相談ください。
