【じーじは見た!】前編:令和7年版の環境白書を見てみた!
Z世代応援団、未来世代応援のじーじです!
さて、今年も環境白書発行の季節になりました。
昨年と同じ日、6月7日に国会報告を終えて環境白書が発行されました。
今年もその内容を確認して環境トレンドを確認してみましょう。
1️⃣ まずは第1部の目次比較!
毎年冒頭第1部の項目タイトルに注目しています。
今年の特徴は、昨年までのタイトルからがらっと変わった点にあります。
勝手解釈ですが、トランプ大統領誕生による米国のパリ協定離脱を受けて、それでも気候変動対応に日本は積極的に取り組んでいきたいという環境省の強い想いを感じるタイトルではありました。
(令和3年)第1章 経済社会のリデザイン(再設計)と3つの移行
(令和4年)第1章 1.5℃に向けて
(令和5年)第1章 気候変動と生物多様性の現状と国際的な動向
(令和6年)第1章 第六次環境基本計画が目指すもの
(令和7年)第1章 「市場」~環境とビジネス~
(令和3年)第2章 脱炭素社会・循環経済・分散型社会への3つの移行
(令和4年)第2章 脱炭素、循環経済、分散・自然共生という多角的な切り口によるアプローチ
(令和5年)第2章 持続可能な経済社会システムの実現に向けた取組
(令和6年)第2章 自然再興・炭素中立・循環経済の統合に向けて
(令和7年)第2章 「政府」~循環経済・自然再興・炭素中立の統合に向けた取組~
(令和3年)第3章 地域や私たちが始める持続可能な社会づくり
(令和4年)第3章 私たちが変える持続可能な地域とライフスタイル
(令和5年)第3章 持続可能な地域と暮らしの実現
(令和6年)第3章 持続可能な地域と暮らしの実現
(令和7年)第4章 「国民」 ~地域・暮らしでの環境・経済・社会の統合的向上の実践・実装~
(令和3年)第4章 東日本大震災から10年を迎えた被災地の復興と環境再生の取組
(令和4年)第4章 東日本大震災・原発事故からの復興・再生に向けた取組
(令和5年)第4章 東日本大震災・原発事故からの復興・再生に向けた取組
(令和6年)第4章 東日本大震災・原発事故からの復興と環境再生の取組
(令和7年)第4章 東日本大震災・能登半島地震からの復興・創生
今年の第1部は、かなりメッセージ性の強いタイトルに変わりました。
第1章は、「市場」です。副タイトルを「環境とビジネス」として、米国のパリ協定離脱を受けて、国連や政府主導ではなく、市場に委ねるしかないという苦しい想いが現れています。
第2章は、「政府」です。副タイトルを「循環経済・自然再興・炭素中立の統合に向けた取組」として立法措置の方向性を示しました。
第3章は、「国民」です。人類の直面している3大危機を「気候危機」「生物多様性危機」「汚染危機」とした上で、国民ひとり一人の行動変容を求めています。
第4章は、「東日本大震災・能登半島地震からの復興・創生」です。昨年までは東日本大震災と原発事故からの復興・再生のタイトルでしたが、原発事故の名称が消え、能登半島地震に置き換わりました。そして「再生」ではなく、「創生」という言葉に置き換わりました。
第1章から中味を確認していきましょう。
2️⃣ 第1章「市場」
第1節 世界・我が国の環境問題と経済的影響
第2節 我が国の地球温暖化対策の目指す方向
第3節 持続可能な社会に向けたグリーンな消費
第4節 持続可能な社会への移行に必要な科学技術・イノベーション、スタートアップ支援
第1章のタイトルは「市場」です。
戦後80年の日本を前半40年と後半40年に分けると、戦後復興・急成長の40年と世界第2位の経済大国からの凋落の40年に分けることができます。
市場に任せると言いながら、その市場の方向性を導くのは時の政府、与党による政治の方向性が後半40年を決定づけました。
後半40年に日本社会に訪れたのは、給料の上がらない「人を安くこき使う競争を繰り広げる」企業を是とし、「投資をするなら国内ではなく海外」を是とする企業行動でした。
更に、国土の特徴から日本は自然災害に脆いだけでなく、自然災害に適応する国づくり(被害を最小限に食い止める)をしづらい選挙制度(どの地方にも満遍なく公平に予算配置)のために国土面積に比して自然災害による経済損失の規模が大きな国になりました。

上記被害額を3年遡って阪神淡路大震災を加えるとどうなるのでしょうか?
そんな日本を「市場」に任せるのなら政府がしっかりしないと日本の凋落は止まりません。
3️⃣ 市場に委ねる方向性
第1章をもう少し深堀りしてみましょう。
下記は、2013年以降の日本における温室効果ガスの実質排出量が順調に減り続け、10億トンを切るまでにあと1歩となっているグラフです。

誇らしいグラフに見えますが、製造業衰退の歴史のグラフです。個々の企業努力もありますが、国内でのモノづくりを諦めざるを得なくて投資先を海外へ移しただけのことです。
気が付いたら身の回りにはメイドイン中国の製品で溢れています。国内企業を代表する世界規模の企業であり、凋落の40年の間に急拡大してアパレル業界を牽引してきたユニクロのファーストリテイリングも中国で生産したものを日本へ輸入してくるビジネスモデル(コスパがいい)で発展してきた訳です。そうすると今後は、ユニクロよりも安い中国ブランド シーイン(SHEIN)の躍進を止められません。
今の若者にとってどこで生産したものなのか、日本企業か中国企業かなんて関係ないのです。日本ブランドだから購入している訳ではないのです。
次のグラフは、日本が世界に約束をしている脱炭素のロードマップです。

与党政治の無策ぶりに順調に衰退してきた日本ですが、コロナ禍で日本が世界の中でも遅れた国であることが国民にバレてしまいました。
経済活動を停止せざるを得なかった緊急事態宣言の後、コロナ禍の3年間に一般会計予算に加えてコロナ補正予算120兆円(年約40兆円)の政府支出をする羽目になりました。
そうしたところ、中国を見習ってQRコード決済が普及し、医師会の反対を押し切ってマイナカードと保険証の連動、DX(デジタルトランスフォーメーション)と呼ばれる分野への投資拡大などによって、行政や医療の効率が上がり始めました。
すると、何と30年ぶりの賃上げ水準を実現してしまいました。
そして「衰退」ではなく「成長」の芽も現れ始めました。
データセンターや半導体への投資やAI分野への投資という新たに電力需要増が予想される分野が牽引する経済発展が見えてきたのです。
ところが、基幹産業である自動車や鉄という日本の屋台骨を脅かすトランプ関税の嵐、電力需要は増えるのに原発稼働できずの中で温室効果ガスの排出削減を日本はどうするのかなど、新たな課題に政治は直面しています。
世界を見渡しても、日本国内だけは白物家電など多くの家電製品が日本メーカー製で、自動車に至っては高い非関税障壁によって日本車ばかりが走っています。そんなガラパゴス日本ですが、衰退しながらも共助の素晴らしい社会でした。しかし、そんな社会規範も揺らいできました。
そんな日本において、環境の一番大事なところを「市場」に委ねる姿勢を政府が取るならば、国内メーカーは総崩れになるかもしれません。
環境白書を見ていても今年は腹が立ってきました。
2章以降は、明日にしましょう。
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