気候変動問題の盲点⑧:持続可能な事業としての植林は地味?
植林は、植えっぱなしの環境植林を寄付を募ってやればいいと思っていませんか?
持続可能な事業としての植林がどうして注目されないのかを探っていきましょう。
✅光合成は地球がくれた贈り物⁉

皆さんは、光合成の化学式をご存知ですか?
詳しく説明できませんが、未だに植物以外の人工光合成が実現できていないこと(CO2を閉じ込めるしくみを人工光合成と言っている場合はありますが、この化学式が実現できている訳ではありません)から、地球が生んでくれた生命の不思議な仕組みなのだろうと思っています。
地球の贈り物だということが、光合成の化学式を見てもらうとよく分かります。
太陽の光エネルギーを利用して二酸化炭素と水から炭水化物(ブドウ糖 )などを生成して廃棄物として酸素を吐き出してくれるという何ともありがたい機能です。
仮に光合成を人工的に実現できるなら今の気候変動問題は解決できるかもしれません。
しかし、光合成の非常に複雑な過程を人工的には実現できないので、植物の力を借りるというのが最も経済合理性にかなったやりかたです。
樹木は、光合成で成長していきます。植生の中でも二酸化炭素の吸収力が大きな植物の代表選手です。
気候変動枠組み条約締約国会議は、既に25回を数え、IPCCでは30年以上に及ぶ気候変動の研究を続けていながら、これだけ吸収源として有効な手段がありながら、注目されないのは何故なのでしょうか?
✅植えっぱなしの環境植林では持続しない⁉

気候変動に世界中が協調して取り組むために世界が苦心してきた様子をみていきましょう。
1.1992年の地球サミットの段階では、先に発展をした先進国が化石燃料を燃焼したエネルギーをふんだんに使って先に豊かな世の中を享受したのに発展途上国の化石燃料使用を制限はできないという対立があり「先進国の排出削減努力」が世界協調の妥協点でした。
1990年に6千6百万トンだった中国の鉄鋼生産量は、2019年には9億9千6百万トンに達する経済発展を遂げました。
ちなみにその間で、中国の二酸化炭素排出量は、1990年の23億トンから2019年の98億トンに増えました。
しかし、その経済発展を責められませんし、このままでは気候変動も止まりません。
2.まず、先進国が排出削減努力を先に行い、その技術を発展途上国に供与して温室効果ガス削減や吸収に効果を上げたら協力した先進国側の排出削減にカウントするしくみ、CDM(クリーン・ディベロップメント・メカニズム)が京都議定書の中に設けられました。
✅排出削減努力と同じくらい大切な植林⁉

3.技術開発というご褒美の待っている排出削減の方が吸収源よりも注目されたのだと思います。
例えば、技術進歩のお陰で太陽光発電や風力発電等のクリーン電力技術は、この20年間に非常に進歩しました。
国によっては、火力発電よりも安価な電力に育ちました。
また、蓄電池技術も発展し、吉野さんがノーベル賞を受賞したリチウムイオン電池技術の進歩は、トヨタの時価総額を上回るテスラの成長の原動力になりました。
4.金融市場でも温室効果ガスの排出権取引という新たなマーケット開発にとっても、一山いくらの植林の世界ではなく、燃料消費から精度の高い計算が可能な排出削減の方が都合が良かったのだと思います。
皆さんは、IPCC(気候変動問題の政府間パネル)ルールでは、木は伐採時点で蓄積されていた炭素をすべて大気中に排出したことにする伐採即排出ルールが取られているのをご存知だったでしょうか?
次回は、その点をみていきましょう。
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