ちょっとブレーク:COP29は結局どうなった?
心はZ世代! 身体は還暦過ぎた昭和人! Z世代応援団のじーじです⁉️
さて、地球温暖化を世界中で協力して「何とか22世紀も産業革命前からの温度上昇を1.5度以内でとどめよう」というのがパリ協定のねらいであり、気候変動枠組条約締約国会議の努めです。
その第29回の締約国会議CO29がアゼルバイジャンで開催されていましたが、最近では珍しいくらい注目されませんでした。しかし、会期を延長して24日に気候資金の拠出目標を2035年までに年3,000億ドル(約45兆円)とする合意文書に至ったとして閉幕した結果は、結構報道されるでしょう。
年間45兆円もの気候資金なのに途上国からは非難の声が上がっていますが、よくぞ合意に達したなというのが正直な感想です。無い袖は振れないのに、日本はどうするんだろうかと今から心配になります。
今回は、トランプさんが大統領に選出された後のCOPであり、米国はトランプさんの公約どおりにパリ協定から離脱してくるだろうと予見されていたため、最初から報道は盛り上がりに欠けました。
気候資金と呼ばれる途上国支援の資金拠出が主要テーマとなったファイナンスCOPとも言われていただけに、米国が離脱するのに今後の資金拠出を合意できるわけがないとの雰囲気がありました。
パリ協定は、京都議定書の教訓を活かして、先進国だけでなく途上国もGHG排出削減の取り組みに取り込もうとした点に特徴があります。
途上国は先進国に対して「お前ら化石燃料を燃やしまくって経済発展したくせに、俺たちがこれから経済発展していくのに化石燃料を燃やすなとは、いい加減にせいよ」との気持ちがある訳で、だけど途上国の協力なしにGHG(温室効果ガス)の排出削減は進まないジレンマがあります。
その折衷案が気候資金だったのです。
NDC(Nationally Determined Contribution:国が決定した<気候変動対策への>貢献)は、各国が22世紀の地球も産業革命前に比べて気温上昇を2℃未満で極力1.5℃以内にするように協力して、全ての国が野心的なコミットメントを国連に届けようねという各国の約束です。
先進国、例えば日本のような国にとってのNDCは、2030年までに達成する年間のGHG排出量目標一本なので、要するに排出量のキャップ目標です。日本は2013年比46%削減の7億6千万トン(t-CO2e)を届け出ています。
これは国際公約なので必ず達成しなければならない約束です。
ところが途上国は、これから経済発展をしなくてはならないので電力需要も動力(熱)需要も増えていく前提です。だからBaU排出量(Business as Usual:現状の電源構成・燃料構成で2030年を迎えた時のGHG排出量予測)に対して、無条件の削減目標と条件付き目標の2本立てを国連に届け出ています。
例えば経済発展著しいインドネシアの場合、条件付きと無条件のNDCをこんな風に届け出ています。
(1)無条件NDC
・第1回NDCで2030年までに29%の削減目標⇒2022年に、2030年までに31.89%の削減へ目標引き上げ
(2)条件付きNDC
・第1回NDCでは2030年までに41%削減目標⇒2022年に、2030年までに43.2%の削減へ目標引き上げ
つまり、無条件NDCが自助努力、この条件付きNDCが気候資金が入ってくれば可能という条件付きの目標なのです。
先進国は、2020年までに毎年1,000億ドル(15兆円)を気候資金として拠出することを目標に取り組みを進めた結果、2022年にようやく1,000億ドルを突破しましたが、日本は2021年・22年の2年間で224億ドルの貢献をしています。(世界の拠出目標の約11.2%を引き受けていることになります)
これがCOP29が始まった時には、毎年1兆ドル(150兆円)なんていう話が出てきました。もはや日本が協力したくても「ない袖は振れない」レベルの数字です。米国がいなくなるのに無責任に同意できるレベルの話ではなくなりました。
合意した気候資金3,000億ドル/年(45兆円)だって凄い金額です。日本が米国抜きで負担するなら5~6兆円/年規模になるでしょう。高校無償化が飛んでいきますし、自国の目標達成への助成が飛んでいきます。
更に先進国は目標を更に野心的に情報修正しろと迫られます。

上記のグラフの赤い部分が、途上国が気候資金を使って対策を実施した場合のGHG排出低減の予測範囲であり、グレーが無条件NDCの範囲です。
2℃や1.5℃未満に気温上昇を抑えるためのパスウェイ(ブルーやグリーン)とは、随分離れていますよね。要するにもっと早くやっておけば良かったという状況なんです。そうすれば、こんな途方もない気候資金も必要なかったろうし、今となってはもう無理なんじゃないという空気です。
当面は、米国の各州が連邦政府とは違って脱炭素政策を維持し、グローバル企業を中心に、儲けだけでなく、社会課題解決も企業の存在意義だとパーパスに掲げる企業が、競争力を高めつつ主体的に脱炭素を進めていくことに期待するしかないですね。
☆☆☆
(感謝)
▼きしゃこく先生のしゃかせん「毎昼12時」「Real World Teacher」「您是老師」でじーじの記事を紹介いただきました。きしゃこく先生、ありがとうございます。若者が選挙に行った結果、大きな変化が起こりました。過半数割れ与党が、積極財政を103万円の壁を壊したり、規制緩和をしたりではなく、給付拡大でお金配りの積極財政をするなら少数政党が伸びた甲斐がないよね。積極財政で何をするかが重要であってバラマキ強化では若者が失望します。

▼ななさんのかわいいイラストを【じーじの準備】シリーズのヘッダー画像に使わせてもらっています。ななさんありがとうございます。

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