【じーじは見た!】前編:夢のエネルギー ~ フュージョンエネルギー・イノベーション戦略 ~を見てみた!
Z世代応援団、未来世代応援のじーじです!
高市政権、支持率70%超えのスタートだそうです。好感持たれていますね。
さて、今回は、その高市首相が自民党総裁選で熱弁していた「日本がエネルギー自給率100%も夢ではない」というフュージョンエネルギー(核融合エネルギー)のお話です。
今年の6月に政府は「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を改定して、官民で産業育成を目指しています。
日本にとって非常に重要な研究テーマであるので文部科学省が力を入れていて、経済産業省(資源エネルギー庁)にとっても希望の星のはずなのですが、縦割り行政よろしく、両省それぞれが主管する外郭団体の設立ラッシュなんですよ。あかんよ、天下り先確保のための設置争いしていたら。。。
スタートアップにとっても予算を付けてもらいやすい状況を利用しない手はないのでとても盛り上がっています。
さて、そんな「フュージョンエネルギー・イノベーション戦略」を見てみましょう。
前・後編にお付き合いください。
1️⃣ フュージョンエネルギーって何?
核融合とは、質量の小さい原子核同士が融合して、別の重い原子核に変わるとともに、とても大きなエネルギーを発生する反応です。これは、核融合反応が起きる前の質量より、反応後の質量がわずかに小さくなり、その差に相当する質量がエネルギー(E = mc2)に変わるからです。この核融合反応は宇宙における普遍的なエネルギーの源であり、太陽などの恒星の内部では4つの水素からヘリウムが生成される核融合反応が起きていて、50億年以上にわたりエネルギーを生成し続けています。
何となく文章だけ読めば、水素をぶつけて反応させればいいので簡単なんじゃないのと思われるかもしれませんが、これが結構大変なんです。太陽の内部でもそう簡単には核融合反応が起こっている訳ではなく、核融合で生じたエネルギーが太陽の内部から表面に出て地球に光が届くまでに数十万年掛かります。
私たちが見ている太陽の光は、何十万年も前に核融合したエネルギーなんですよ。
ちょっと脱線してしまいましたが、話を戻しましょう。
核融合にはまず、福島原発事故で話題になった自然界には非常に稀な存在のトリチウムという三重水素と重水素の衝突が必要なんですよ。
自然界から簡単に供給できないとすれば人工的に創り出さなければなりませんから世間の拒否反応は絶対にありますよね。


核融合とは、水素のような軽い原子核どうしがくっついて(融合して)、ヘリウムなどのより重い原子核に変わることです。

融合反応が起きる前の重水素(D)と三重水素(T)の重さ(質量)より、融合反応が起こった後のヘリウムと中性子の重さの方が軽いので、その差の分だけの質量がエネルギー(E=mc2)に代わるというのが核融合エネルギー、フュージョンエネルギーなのです。この実現には1億度以上の高温(プラズマ状態)が必要です。

トリチウムを含んだ福島のALPS処理水のトリチウム濃度は、放出前に約700 Bq(ベクレル)/L未満に希釈されているにも拘わらず大騒ぎです。これは、国の安全規制(60,000 Bq/L)やWHOの飲料水基準(10,000 Bq/L)を大きく下回っていますが、そんな大騒ぎになるトリチウムを人工的に供給しなければならない核融合、絶対にSNS界隈では危険性ばかりを煽る人が妨害してくるでしょうね。
2️⃣ 核融合の技術的課題は何?
まず第一に核融合反応で得られるエネルギーが反応を維持する(連続して核融合が起こる状態)ために使うエネルギーを上回る(ブレークイーブンを上回る)発電ができてこそ、商業的な持続可能性が現実味を帯びてきます。
第二の課題は、エネルギー収支の黒字状態を長時間・安定的に維持することです。これが非常に難しく、プラズマを閉じ込める地場の制御、中性子による炉壁の劣化、トリチウムの供給と回収という難しい問題が絡んできます。
第三の課題は、コストパフォーマンスの良さを確保することでしょう。どんなに技術的に優れていても、各家庭の1ヶ月の電気代に100万円も請求されるようでは、何のメリットもありません。
3️⃣ 地場制御の方式で日本はガラパゴス狙い
フュージョンエネルギー(核融合エネルギー)の磁場制御には、磁場閉じ込め方式、慣性閉じ込め方式、そして半導体方式の3つがあります。
それぞれの方式は、核融合反応を起こすためのプラズマをどのように安定して閉じ込めるかの方法論が異なります。
● 磁場閉じ込め方式(Magnetic Confinement)
磁力線を利用して、プラズマを容器に触れさせないように閉じ込める方法です。「トカマク型」や「ヘリカル型」などの装置が代表的で、核融合研究の主流です。
● 慣性閉じ込め方式(Inertial Confinement)
燃料ペレットに強力なレーザーや粒子ビームを照射し、その爆縮効果で核融合反応を起こす方法です。核融合反応が短時間で起こるため、爆発的な力で閉じ込めます。
● 半導体方式
半導体素子を応用して核融合反応を制御しようという、比較的新しい概念です。プラズマ閉じ込めではなく、電磁波や磁場を制御することで核融合を促進する方式です。
日本のフュージョンエネルギー・イノベーション戦略に入る前に解説が長くなってしまいました。続きは後編にしますね。
最後に、トカマク方式とヘリカル方式という有望な方式の中で、どうも日本だけは世界の潮流のトカマク方式一点張りではなく、ヘリカル方式を有望視したスタートアップ支援に賭けているところがあります。だけどヘリカル一本足ではなく、トカマクも捨てずに八方美人戦略のようにも思えるので、予算も少ないのにあれもこれもで大丈夫?と思うのですが、どうか後編をお楽しみに。

核融合科学研究所 ・教授 長壁正樹氏の講演資料より抜粋
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