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深夜のひとりごと 第64夜 :明日ありと思ひ過ごしし怠りを 集めてなげく年の暮かな 《久世》



年末の空気は、いつも独特だ。

寒さの中に何かが終わり、
そして
何かが始まる準備の気配が漂う。



こうした季節の移ろいを
以前よりも静かに受け止めるように
なった。


振り返れば、

年末年始は何かと忙しく、
けれどどこか楽しい時間だった。



若い頃は、
家族と過ごすその賑やかな時間が
当たり前だと思っていた。



大掃除の慌ただしさ、
台所から漂う料理の匂い、
子どもたちの笑い声や駆け回る足音。


それらが作り出す空間は、
当たり前のようにそこにあった。


けれど、今振り返ると、

それが特別な光景だったのだと
気づく。



失ってから
初めて 
眩しかった時を知る


妻との穏やかな日々も、
子どもたちが成長して
巣立っていく過程も、

日々の中で過ぎていった。


でも、それらが過ぎ去ったあとに、
あの時間がどれほど豊かだったのかが
見えてくる。



今、お茶をすすりながら、
窓の外の静かな街を眺める。

昔の年末とは違うが、
これはこれで悪くない。



過去を思い出して胸に刻むことで、
少しずつ受け入れていくのが
今の自分だ。



あの頃の「眩しい時」も
今の静かなひと時も
どちらも私にとっては
かけがえのない時間なのだ。



何ごとを
待つとはなしに明け暮れて 
今年も今日になりにけるかな

源国信




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