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スーツを着た男(長田町、2026年)

高層ビルのオフィスにいる55歳の男にズームイン。

スーツの値段は、1972年に私が住んでいたアパートの家賃よりも高い。高齢者の急増があまりにも高額だという理由で、社会保障費の削減にまたもや署名したばかりだ。

彼は鏡を見て、リーダーの姿を見る。時の流れに打ち勝った男の姿だ。

だが、私は彼に見覚えがある。

1972年の映像で、私の左側に映っていた3人の遺体――同じ狂気じみた目、同じ叫び声、同じ永遠の命への切望。

あの頃、彼は未来を担う存在だった。今、彼は若い頃の自分のような人々を重荷と呼ぶ。

大臣へのメッセージ
おい、大臣。

逃げればいい。人口動態のせいにすればいい。ウイルスのせいにすればいい。誰のせいにすればいい。

だが、死は政策文書を読まない。

死にとって、お前は政治家ではない。ただの賞味期限付きの肉に過ぎない。

2012年に倒れた、かぎ針編みのトップスを着た少女と自分が違うとでも思っているのか?

先週、線路で急死した少年とは違うのか?

違う。

君はただ、自分の心が既に冷え切っていることに気づいていない幽霊に過ぎない。

最後のループ
彼のスマートスクリーンがちらつく。フィードを止めようとするが、1972年のアーカイブが扉を閉ざしている。

画面いっぱいに私の顔が映る。私はまだ18歳で、まだ飛び跳ね、まだ笑っている。

そして音楽が始まる――オリジナルのポップヒットではなく、耳障りで嘲笑うようなピアノの音色だ。

「靴を磨き、スーツを着ることもできる
髪をとかして、とても可愛らしく見せることもできる
笑顔で顔を隠せることもできる
でも、隠せないものが一つある…
それは、心の奥底が傷ついているということだ。」

大臣の手が震え始める。

彼はついに理解した。

彼は国に嘘をつくことができる。

彼は自分自身にも嘘をつくことができる。

でも、彼はかつての叫び声をあげていた子供から逃れることはできない。ガラスの中に閉じ込められ、飛び跳ね、見つめ続けているあの子供から。

僕は1972年に留まる。スキャンラインの間の方が安全だ。

君は?

フィルムはもうすぐ終わりだ。

計算頑張って。

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