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雨に打たせるという選択― 自然を使う管理 ―

私はときどき、あえて植物を雨に打たせる。

屋外で育てているからできる管理だが、放任ではない。
これは意図的な選択。

雨に当てることには、いくつかのメリットがある。


まず、葉の洗浄効果。

上から下へ十分な水量で流れる雨は、
埃や花粉、微細な汚れをしっかり落とす。
霧吹きよりも“流す力”が強い。

結果として受光効率が整い、
光合成の条件が自然に近づく。

次に、害虫の抑制。

ハダニやアブラムシは乾燥と停滞を好む。
雨の水圧は物理的にそれらを洗い流す。
完全防除ではないが、増えにくい環境づくりにはなる。

さらに、用土のリセット。

雨水は基本的に軟水。
水道水に比べカルシウムやマグネシウムが少ない。

そのため、鉢内に蓄積した余分な塩類や肥料分を
穏やかに洗い流す働きがある。

そして、雨の成分。

雨は純水ではない。
空気中の窒素酸化物などを取り込み、
微量ながら硝酸態窒素を含むことがある。

量としてはごくわずかだが、
自然界ではこれも立派な窒素供給の一部。

いわば、天然のごく薄い液肥のようなもの。

では、酸性雨はどうなのか。

確かに現在の雨は弱酸性。
しかし多くはpH5前後で、
短時間の降雨が直ちに植物を傷めることは少ない。

むしろ弱酸性の水は、
用土中のミネラルを溶出させやすくし、
微量要素の可給性を高める側面もある。

もちろん、長期間の強い酸性降雨や
工業地帯などの特殊環境では話は別。

だが一般的な環境であれば、
過度に恐れる必要はないと考えている。

そしてもう一つ。
自然のリズム。

重力とともに落ちてくる水。
風と組み合わさり、当たり、流れ、乾く。

その一連のプロセスを体験させることは、
室内では再現しにくい環境刺激になる。

ただし、無条件ではない。

低温が続くとき。
用土が乾ききっていないとき。
長雨になる予報のとき。

そういう日は避ける。

雨に当てるのは、選べる日だけ。

私は葉水をしない。
けれど、雨は使う。


自然ができることは、自然に任せる。
その上で、必要なところだけ人が介入する。

それが、私の管理のバランス。

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