磯の香りと潮の香り〜青森・蕪島で感じた微生物の力〜
パンデミック騒動の真実と、僕の講演テーマ
2009年6月。EM開発者・比嘉照夫先生とともに、青森県八戸市で講演を行いました。
ちょうどその頃、世間ではH1N1型の新型インフルエンザ・パンデミックの話題で持ちきりでした。
僕の講演では、その「パンデミック騒動がいかに滑稽な茶番か」をテーマにお話ししました。
巧みに仕組まれた“見えないウイルスの恐怖”によって、メディアと政府が連携し、人々の不安をあおって支配していく──まさにいつもの構図です。
この時にも、Germ theory(病原菌説)とTerrain theory(環境説)という、感染症に対する二つの捉え方を紹介しました。
とはいえ、当時は正直なところ僕自身も当初はこの新型ウイルスに多少の不安を感じていました。
そこで、アメリカにいる友人に電話して尋ねてみたのです。
「米国でとんでもなく怖いウイルス(H1N1)が出回ってるって聞いたけど?」
「ああ、あれは普通の風邪と変わらないよ。」
「え?日本じゃ、ものすごく恐ろしいウイルスだって大騒ぎなんだけど…?」
「あー、それ知ってる。君らは大変だな。マスク屋さんはだいぶ儲かっただろう?」
拍子抜けするような返事でした。
ちなみに、アメリカでは当時すでに「マスクは感染予防に有効ではない」というのが常識になっていて、むしろマスクをしている人=感染者または重症者というイメージが強く、公共の場で日本人のように全員がマスクをしている光景は、滑稽に映っていたそうです。
このやり取りも講演の中で紹介し、健康であればどんな感染症にも負けないという原則を伝えました。
そのために重要なのが、腸内フローラを整えること。
そして、その腸内環境を健やかに保つために、EM技術が非常に有効であることも、改めて力強くお伝えしました。
発表前夜──比嘉先生との本音の会話
実はこの講演の前夜、比嘉先生と夕食をご一緒する機会がありました。
その場で、以前から心の中に引っかかっていたある疑問を、思い切って先生に投げかけたのです。
「先生、このすごいEMの技術を発見されて…
どうして命を狙われなかったんですか?」
というのも、世の中ではしばしば、石油を不要にするような代替技術や、医薬品に取って代わる自然療法が登場したとき、
その開発者が不審死を遂げるという話が後を絶ちません。
既得権を持つ巨大産業にとって「都合の悪い存在」は、表に出られないよう排除されてきた事例が多く存在するのです。
僕の質問に対して、比嘉先生はにこやかに、しかし意味深な口調でこう答えてくれました。
「僕はね、運が良かったんですよ。
EMが出てきた当初、世界中から“鼻くそレベル”って笑われてましたからね。
その間に、培養方法などもすべて公開して、世界中に広めちゃったんです。
だから彼らが“これはまずい”と気づいたときには、もうどうしようもないくらい世界に広がっていた。
だから僕は、今こうして生きていられるんです。」
その言葉を聞いて、僕は心から感動しました。
秘密にせず、独占せず、すべてを公開して人類に解放したEM技術。
それは単なるテクノロジーの話ではなく、比嘉照夫という人の生き方そのものなのだと、深く胸に刻まれた夜でした。
磯の香りがしない海──蕪島での気づき
講演の合間、比嘉先生に誘われて訪れたのが、地元の蕪島(かぶしま)海水浴場でした。
海岸に降り立つと、先生がぽつりとこう問いかけたのです。
「杉本先生、ここは磯の香りがしないでしょ?」
確かに、私が昔よく海水浴に行っていた江の島のような“あの磯の匂い”がまったくしないのです。
それを伝えると、先生は静かに言いました。
「あの匂いはね、海が腐ったときの臭いなんですよ。」
――海が腐る? えー!?
あの“磯の香り”は、海が近づいた証じゃなくて、腐敗のサインだったのか!
生きてきて40年、私はずっとあれが“海の香り”だと思っていました。
それがまさか、腐った海のにおいだったとは──衝撃でした。
私はEMと出会って以来、家族とともに何度も沖縄を訪れ、数々の美しいビーチに足を運んできました。
お気に入りは、津堅島キャロットアイランドのビーチです。
思い返してみると、沖縄の海では一度も“磯臭さ”を感じたことがありません。
あの清々しく澄んだ海風は、海が健やかに保たれている証だったのかもしれません。
海を蘇らせる微生物、そして人の健康へ
実はこの蕪島海水浴場も、かつては大腸菌の異常発生により、長らく遊泳禁止となっていた場所でした。
ところが、地元の製麺工場「熊さんラーメン」さんが中心となって、
EMの活性液を川に継続的に流し続けたことで、海が少しずつ蘇ってきたのです。
当初は「ラーメンの汁を捨ててるのか」と揶揄されていたこともあったそうですが、その陰には、地元の人々の地道な努力と信念がありました。
私はそのとき、かつて車で江の島に近づいたときに感じていた“磯の香り”に、「海が近づいてきた!」と無邪気に喜んでいた自分を、恥ずかしく思い返しました。
まさかあれが、腐敗のにおいだったとは──。
この青森への旅で、私はあらためて微生物たちの力に深く感銘を受けたのです。
海を蘇らせるその力は、人の腸内フローラを通じて健康にもつながっている。
まさに、自然と人との調和を取り戻す鍵は、微生物たちの営みにあったのです。
「予防」に目を向けない社会への違和感
講演の最後に、僕はこう問いかけました。
「癌では毎日1,000人、自殺では毎日100人が命を落としているのに、
なぜそこには注目が集まらないのか?
インフルエンザで数人亡くなっただけで、なぜあんなにも大騒ぎするのか?」
そして、再びアメリカの友人の言葉を紹介しました。
「日本人って変わってるよね。
病気を見つけることや治すことには一生懸命なのに、
なぜ病気にならないための予防や、健康を取り戻すことには、
お金も時間もかけないんだろう?」
健康な身体には、どんな病気にも負けない力がある。
その力を支えているのが、目には見えない微生物たちの営みです。
この青森の旅は、私の中で改めて、
微生物とともに生きる意味を深く刻んでくれた出来事となりました。
