シャボン玉石けん、環境省へ要望書を提出

「第一種指定有害物質」候補に石けんが議論される中、科学的知見に基づく再評価を求める

2025年、シャボン玉石けん株式会社は、石けんがPRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)の「第一種指定有害物質」の候補として議論されている現状を受け、環境省に対し要望書と有害性報告書(石けん成分および製品について)を直接提出しました。


PRTR制度とは

PRTR制度は、環境中に排出・移動される有害化学物質の量を事業者が把握し、行政へ報告することを義務づけた仕組み。対象物質は人の健康や生態系への影響が懸念される化学物質です。


石けんが議論の対象に

近年、一部の化学物質規制の議論の中で、石けんに含まれる成分が環境や生態系への影響の可能性から検討対象に加えられています。しかし、石けんは古くから人々の生活に密着してきた製品であり、使用後は生分解されやすいという特性を持っています。


海外の事例 — 米国では「薬用石けん」が禁止

米国では2016年、FDA(米食品医薬品局)がトリクロサンなどを含む薬用石けんの販売を禁止しました。理由は「殺菌成分による健康リスク」と「通常の石けん・水洗いと比較して優位性がない」という科学的判断です。以降、普通の石けんによる手洗いが推奨されています。
この事例は、石けんの安全性と有効性を裏付ける象徴的な例といえます。


先代・森田前社長との出会い

私がシャボン玉石けんに深く共感するきっかけとなったのは、先代・森田前社長と直接お会いして伺ったお話です。

森田前社長は、かつて原因不明の皮膚炎に長年悩まされていました。いくつもの皮膚科に通っても原因は特定できず、ステロイド剤で症状を抑えるだけの生活が続いていたそうです。当時のシャボン玉石けんは今のような無添加石けんではなく、合成洗剤を製造・販売し、月8000万円もの売り上げを誇っていたといいます。


転機 — 国鉄九州からの依頼

そんな折、主要取引先だった国鉄九州(現JR九州)から「合成洗剤で車体を洗うと錆が出やすい。自然の石けんで洗剤を作れないか」と依頼がありました。
取引先の要望に応え、無添加の石けんを製造。自宅の洗濯にも自然とその石けんを使うようになったところ、長年の皮膚炎が嘘のように治まったのです。原因は、自社の合成洗剤で洗った衣類だったことが判明しました。

さらに、自宅の排水溝をのぞくと、今まで見たこともないメダカやミジンコが生息していることに気づき、

「自分たちはなんて恐ろしいものを世に出していたのか!」
と衝撃を受けたそうです。


信念の決断と苦難

森田社長は即座に「無添加石けんだけで事業を行う」と方針転換。しかし、社員からは「社長、マジですか?」「ドル箱を捨てるんですか?」と猛反発。
売り上げは月8000万円から80万円へ、社員は100人ほどから5人にまで減少しました。それでも社長は「良いものは必ず売れる」と信じ、方針を曲げませんでした。黒字に戻るまで15年以上の歳月を要したといいます。


私がシャボン玉石けんを使い続ける理由

この話を聞いて以来、私は自宅でも診療所でもシャボン玉石けん以外は使わないと決めました。
それは単なる商品選びではなく、「健康と環境を守る生き方」の選択だったからです。


EM技術との出会いと融合

実は、私と森田社長が出会えた背景にはもう一つ理由があります。
シャボン玉石けんには長年、「どうしても作れなかったもの」がありました。それが液体石けんです。液体化すると酸化が早まり、防腐剤を入れざるを得ません。しかし、EM(有用微生物群)の抗酸化力を活用することで、防腐剤を使わず自然素材だけで液体石けんを完成させることができたのです。
こうして、シャボン玉石けんとEM技術は必然的に融合し、新たな展開が始まりました。


未来へのメッセージ

今回の環境省への要望は、単に一企業の利益を守るためではありません。石けんという、人と自然に優しい生活文化を次世代に引き継ぐための行動です。森田前社長が信念で切り拓いた道を、私たちも守り、広げていく必要があります。

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