見出し画像

ひとやすみ:美女(AI&本物)に埋め込まれた数式(術式)~内積と基底ベクトル~

1記事の準備に何週間もかかるので息切れしました(マンガは1か月)。毎日、書く人はすごいです。
さて、多数の人の顔を合成していくと美人になるという話はご存じかと思います。人気漫画の画像も実物化にすると美男美女になります。
AIで画像を出力していくと、同じような画像(量産型美人)の出力を強化し、キャラもオリジナリティがなく似たものばかりになります。これらのひみつは、前記事でご説明したAIのメカニズムで説明できます。     今回は、美女(AI&本物)の数学的記述を、ベクトル解析と脳科学の視点から説明します。美とは何か?、哲学的な話にもつながります。
まずは、あなたの考えをまとめてから、答え合わせをしましょう。


1.基底(基本)ベクトルに秘密が隠されている

前記事で説明したように、プロンプト(文字)を裁断して、トークンにすると、各々、IDが与えられたベクトルになります。数千近い次元になると説明しましたが、基底ベクトルが増えたわけではありません
例えば、母親、父親、女子、男子の4つの言葉は、たがいに独立ではないことがわかりますよね。AIでは、各々がベクトルであり次元を増やしています。人間ならば、直感で、男と女を説明変数(中間値の議論はNG)、親と子を別の説明変数にしたりします。
基底ベクトルは、大きさが1の直交ベクトルであり、二次元ならば、x軸、y軸に各々存在します。その中間の平面にベクトルがあっても、二つのベクトルの合成で表現できます。
AIでは、この合成ベクトルで表現できるものも新しい次元としてあらかじめ用意しておき、超高次元の固定された空間を持つように、あらかじめにあらゆる言葉や概念を、無理やりに配置し次元を増やしています。したがって、AIの数学的な基底ベクトルは人間のそれとは意味が違います(注:生成結果を見る人間にはある)。
例えば、人間にとって、赤色(255,0,0)が基底ベクトルで、RGBが各々基底ベクトルになる(厳密には違うが細かい点は省略)のに対し、AIにとっては、「赤」だけでなく、「リンゴの赤」、「フェラーリの赤」、「夕焼けの赤」も各々異なるベクトルです

2.高次元は低次元を無限に内包する

前記事で、類似した言葉や画像は、似たような数値のベクトルになるように調整され、宇宙の星座のようになると説明しました。
データサイエンスでは、近い位置にあるものをわけるために、境界線に近づけば、引き離すような処理をすると学びます。ここで、本物の星座を見てください。我々は二次元でみているので、実は遠くに離れている星々が、近接して投影(ここで気づくとすごい)されていることを知っています(暗記しています)。ここに、言われれば当たり前の重要なヒントがあります。次元を増やすと低次元で区別できないことも説明可能ということです。3次元でみれば2次元の星座を正確に理解できます。なぜ、ベクトル解析の概念がAIの理解に必要か見えてきましたか?
平面には、あらゆる直線が内包できるし、三次元空間は、あらゆる平面を内包できるのです。当り前のことですが考えたことはあるでしょうか?

3.高校数学で学ぶ「内積」の真の理解

高校3年生のほとんどの生徒が受験前にちょっとだけ触れるのが数Cです。数Cでは、ベクトルと内積が扱われます。AIの頭の中身を知り、使いこなす(使われない)準備がされます。大学でもベクトル解析はAIを学ぶための基礎です。
内積は、二つのベクトル間の積であり、二つのベクトルの大きさと間をなす角度Θを用いたcos(Θ)の掛け算になります。ベクトルの掛け算ですが、結果は大きさの量になります。これは、射影とも呼ばれています。太陽を法線方向において他方のベクトル上に影がある的な感じです。

内積の定義

この式や意味を暗記で終える人がほとんどですが、重要なのは、見たい方向の成分(大きさ)を見れる点です。基底ベクトルがあると基底ベクトルの方向の大きさが出力されます。AIの計算では、ベクトル空間の計算に、逆行列でなく、内積が使われています。
中学数学では、連立方程式を解く方法を学びました。この真の意図は、変数の数だけ方程式を解きなさいということです。したがって、物理の問題の解法は、暗記でなく、変数の数(自由度に着目)を見極めて、力のバランスを示す方程式を変数の数だけ作ります。最終的には、xyz軸の各軸方向とその回転で6個の変数に対して、6個の方程式を作れば、運動を完全に記述し、制御を考えることができます(ドローンの6軸加速度センサ)。哲学者として有名なデカルトが我思うゆえに我ありと語り、直交座標も見つけた理由は深そうです。もしかしたら、はじめて、脳内に次元があることを発見した人かもしれないとミュールは考えます。
さて、連立方程式を、一度に解く方法として、行列および逆行列を学びました。逆行列は、回転(拡大縮小の可能性も)させて、x軸とy軸での交点を見つける作業です。サラスの公式は面積を求めて規格化するために逆行列の分母にあります。AIで扱う次元は巨大であり、逆行列のような全体を解き明かす計算は現実的ではありません(ユーザーは画像生成を待てません)。
そこで、AIは、内積(射影)を用いることで、あるデータとあるデータが『どれくらい似ているか(同じ方向成分を持っているか)』という類似度や、必要な特徴だけを瞬時に抽出して計算を進めています。余談ですが、途中で修正の指示(プロンプト)をすると新しいベクトルとの内積で大きくベクトルの位置がずれることもあります。

まずは、内積を使うこと、および、内積で特定方向成分(類似性)だけを抽出することを覚えておいてください。

4.内積で基底ベクトルが浮かび上がる…マンガは低次元情報

画像生成では、繰り返し演算すると内積する作業が続きます。これは、上記の基底ベクトルへの射影を強化する作業に対応します。
したがって、繰り返す回数を増やすと最終的な画像は、基底ベクトルを抽出するような作業になります(同じような創作的な価値のない出力)。
そもそも、マンガやイラストの画像はノイズや外れ値が削ぎ落された低次元の情報です。あっというまに基底ベクトルをあぶりだします。平均的像ばかりが炙りだされて、美人(=典型的なAI美人)として人間は認知します。

この基底ベクトルが美人を記述する数式だとミュールは考えますこの基底ベクトルとの類似性で人は美人かどうかを判定すると思われます。なお、この暴論は極めて科学に近づいた空想科学です(すまん、学術論文はもう書くのは疲れたし、先取権は興味なし)。しかし、最初に述べたように、AIにとって基底ベクトルという概念は人間のそれとは違います。おやっ?

5.AIは美人とか知らない。人間の認知の次元で決まってた!?

スイスのBlue Brain Projectなどの研究では、神経回路のつながりを代数的トポロジーで解析した結果、脳内に最大11次元にも及ぶ幾何学的な「空洞(キャビティ)」や構造物が一時的に形成されていることが示唆されています。
この研究成果とのつながりは論理飛躍がありますが、11次元の基底ベクトルを満たせば、人類すべてに愛される美人になると思われます。
また、AIの出力される画像は、人間が見ると最終的に似たものになる理由になるかと思います。これは美人に限りません。
つまり、AIの演算を通じた実験で、大脳の秘密があぶりだされた可能性が高いと考えます。

6.基底ベクトルから外れたベクトルを埋め込むと本物感と魅力が増す(個人差あり)。

ミュールの描く世紀末SFマンガの主人公も実物化の生成をしました。ただし、基底ベクトルから外れたノイズ的なベクトルも混ぜた術式です。以下の図に例示したのが主人公エレナの実物化画像です。基底ベクトルで出力されるAI美人よりは、はるかに地味であるが、多様性のある、AI的には高次元な女性です。これを本物感があるかどうかは11次元の感性のスイッチの入り方で違うと思うし、どの次元の基底ベクトル(遺伝子が絡んでるかも)が欠損しているかによって求めるものが違うかもしれません。

図1 主人公エレナの実物化(基底ベクトル以外がかなり残っている)
図2 天才釣りガールエレナ(物理法則である流体力学重視で釣りを極め、釣りはサイエンスであるという名言を語る小学生高学年の女の子。)
図3 天才野球少女エレナ(世紀末SFマンガでは、第2章で登場する天才野球少女ルナの好敵手、ルナの方は、ベクトル解析を極めた投球術を示し、圧倒する中学生の女の子である)

7.最後に ~データ的に汚いほど、高次元で本物感が増す。~

最後の言葉が全てです。加工することはよいことではありません。ミュールのお仕事は、人間が入力するきれいな加工したデータでなく、真実をAIに見せることです。Temperatureでの調整は加工後は意味がないです。
ノイズの作り方は色々とあります。「夕暮れの微かな光」、「世紀末の」、「錆びついた」などの言葉との内積を取るとより高次な赤を出力します。これが、「本物感」や「すごみ」として認識されるわけです。現代文の国語力が問われますね
美人に隠された数式(術式)について、興味を持たれたでしょうか?   ひとやすみでも全力で思考してしまうミュールはかなりくたくたです。回復したら、また創作をします。あくまでも証明なしでは空想科学であることをお忘れなく。
どちらかというと、回遊して、面白い記事、感性(ベクトル)が近い記事に、スキを押すのが、私の充実な日々です。しばらく回遊いたします。

AIのひみつシリーズ(無料)を見てから本記事を見ると理解度が増します。
高次な理解は、低次な次元をすべて内包しますので、新しいアイデア(ノウハウ)を提案できます。魚をあげるのでなく釣り方を教えるのが大事です。

今回の発見(人類にとっての一歩)

AIを通じた大脳の数学的推定から、「美女」さらには「美」の認知に、11次元空間に浮かぶ、完璧な基底ベクトルのセットの存在が推定された。
数学は美を記述する言葉だが、基底ベクトルそのものは沈黙している。私たちはただ、内積という対話を通じてその存在を感じ取ることしかできない。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集