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dounikasuru4
小さなクワガタ
扉の前に虫がいた。
ひっくり返っていて何者か分からない。
よくよく近づいてみる。
クワガタだ。小さいクワガタ。
2cmちょい。いや、3cmくらいかな。
ひっくり返っているけど…、と
一度素通りしようとした。
でも、この子はずっとひっくり返ったまま、
動けないままここで過ごしてしまうのか、?
身動きの取れないまま、
誰かに踏んづけられるのを待つのか?
そんなことを考えたら、放置は出来ない。
よし、その姿からひっくり返そう。
さすがに手掴みする勇気はなかった。
私は靴を履いていたので、上手く使えば
この子をひっくり返せるかもしれない。
けれど、私の思い通り出来ることはなく、
クワガタの位置を地味にずらすだけ。
これじゃ、だめだ。
何か掴めるものがあったら
それに捕まってひっくり返るかな。
下へ移動すれば木の枝とか、自然が落ちている。
でも、それをするのが少々面倒くさかった。
それならば、手でひっくり返そう。
そう決意した。
でも、掴むのは流石に出来ないから、
端っこをちょこんと上にふぃっ、とする
イメージでひっくり返す事にした。
でも、クワガタさんの足はギザギザしている。
だから、手なんか触れたら引っ付いてきた。
うぃぃ、!って心の中で思いながら、
すぐ手を引く。
よかった、ひっくり返った。
足を地面につけて、こちらを向いている。
なんだ。なんか言いたげじゃないか。
少々乱暴だったって?
ごめんよ、まぁ許して欲しい。
そんなことを思いつつ、
扉に近かったのでもう少し離れて欲しい。
えいやっとずらそうとしてみたけど、
なんだかいじめてるみたいで、
痛めつけてんじゃないかなと思って、やめた。
その時点でも、ほんの少し扉から離れたから
もう安心だぁろう。
何時間か経った今、
あの小さなクワガタの姿はない。
無事、自然のあるとこへ帰っててくれよな。
