「色と言の葉のしおり」 ー黄水仙のやわらかな光にふれる日ー

◆黄水仙(きすいせん)
HEX:#F9D36E

やわらかな光を含んだ、
明るく澄んだ黄色。
強く照らす太陽のような輝きではなく、
朝の空気にそっと溶け込むような、
やさしくひらく光の色。
白を含んだやわらかさの中に、
かすかなあたたかさを宿しながら、
静かに世界を明るくしていく。
まだ眠っているものにふれるように、
そっと差し込むその光は、
急かすことなく、
ただ“ここにいていい”と伝えてくる。
軽やかで、やさしくて、
それでいてそっと前へと進ませる、
あたたかなはじまりの色。
黄水仙のやさしさ
黄水仙のやさしさは、
“そっと背中をあたためてくれること”。
前に進まなきゃと思いながら、
まだ動き出せずにいるときに、
強く引っ張ることなく、
やわらかな光でそっとふれてくる。
急かさず、無理に励まさず、
ただ静かにぬくもりを重ねながら、
固まっていた心を
ゆるやかにほどいていく。
気づくと呼吸がひらいて、
少しだけ足を前に出してみようと、
そんな気持ちが芽生えていく。
止まっていた時間を
やさしく動かしていく
あたたかな光。
黄水仙の弱さ
黄水仙の弱さは、
“光の方へ向かいすぎてしまうこと”。
あたたかさを感じる方へ、
やわらかく心をひらいていくうちに、
強い光ばかりを
求めてしまうことがある。
やさしさやぬくもりにふれるほどに、
そこに在りつづけようとして、
まだ冷たいままの部分や、
整っていない想いを、
置き去りにしてしまうこともある。
その姿は美しくもあるけれど、
同時に、
自分の内側に残る影を、
気づきにくくしてしまう。
でもその弱さは、
光に惹かれてしまうほどに、
あたたかさを求めているということ。
そのまっすぐさは、
やさしさの中にある、
やわらかく揺れる本音。
黄水仙の強さ
黄水仙の強さは、
“やわらかなままで、
光を受け取りつづけること”。
強く照らされても、
その光に押し流されることなく、
自分の形を保ったまま、
静かに受け止めていく。
咲くことを急がず、
ひらいたままで在りつづけるその姿は、
やわらかさの中にある、確かな意志。
外の光にふれながらも、
そのまま自分の内側に取り込み、
少しずつ、
自分の色として満たしていく。
大きく変わろうとしなくても、
受け取りつづけることで、
静かに満ちていく力。
やさしさを失わずに、
自分を育てていくための、
あたたかくしなやかな強さ。
黄水仙は、
やわらかな光で、
止まっていた心をそっと動かしてくれる色。

