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【36歳からの人生の作り方】#2 絶望の中で見つけた一粒の光。私を鳥籠から連れ出した「たった一つの習慣」

36歳まで、わたしはただ「趣味で絵を描いている専業主婦」だった。

それがイラストレーターになり、46歳で漫画家になり、51歳でインタビューライターになり、気づけば4冊の本を出し、NHKで教え、新聞やテレビでコラムを書くまでになった。

この20年間に、わたしが心がけてきたこと、やってきたこと、やらなかったことを、少しずつ書いていきたいと思う。

そんなわたしの背景について、前回の記事には書いた。

今日は、今の自分に変化するための大きなきっかけとなったできごとをいくつか書きたいと思う。


「苦行」のような手工芸の世界にいた理由


わたしは20年前(36歳当時)、植物画(ボタニカルアート=博物画の一種)と洋食器の絵付けという「細密な絵」を描いていた。

たとえば洋食器の絵付けとは、ざっとこんな感じである。

(このくだり、読み飛ばしてもいいけど、のちの比較のために、この画像のイメージだけは覚えておいて欲しい)

鳥好きなので、鳥多めの作品たち(2004年~2006年頃)


これらの作品たちは今も自宅にあり、今見てもなかなかの力作ではあるが、ほとんど使わない。たまにちょっとお高いケーキなど買ったときに、しずしずと登場するくらい。


過去の経験が今に生きる——細かな手工芸へのリスペクト


わたしは現在、取材ライターとして、伝統工芸の分野で技術を継承している方々に取材することがある。そうした方々への尽きないリスペクトがあるのも、自分自身がこうした工芸の世界の鍛錬を身をもって経験してきたからに他ならない。

ではなぜ、わたしがこのクッソめんどくさい(失礼)絵付けや細かな細密画の世界に身を置いていたのか。もちろん好きだったのは確かだけど、今思うと「呪いにかけられた」のかもしれないのだ。


わたしを縛り続けた18歳の呪縛


その「呪い」は、さらに18年前(今から38年前)にさかのぼる。

18歳のとき、旅先で地元テレビ局のクルーに声をかけられて、番組の取材で「占いの館」のサクラになったことがある。

手相を見てもらった結果、こう言われたのだ。

「あなたは絵を辞めてはダメ。きっとモノになるわ。けれどあなたの才能は、『個性的なものを描いて注目される』というより、『丁寧にコツコツと描く』感じね」

それだけでなく、その占い師さんは帰りがけにわたしの腕をつかんで「絶対に絵を辞めないでね」とダメ押しした。

18歳のころのわたし。まだフィルム写真で化石だわね。一応オリーブ少女だったのよ🐤


しかし、それきりそんなことは忘れてしまった。


田舎暮らしが壊したライフプラン


友人が、占いの予言通り23歳で結婚した時に、「あの占い、もしや当たるのでは?」と仲間内はざわめいたのだ。

25歳で結婚し、絵付けと細密画に出会ったわたしが「もしや、これこそ丁寧にコツコツ描く絵…?」と無理矢理「答え」を見出そうとしたのも自然な流れである。

しかし、はじめて10年も経つ頃には疲れてしまった。理由がある。目標を見失ってしまったのだ。

30代前半のわたしの目標は植物画や絵付けの先生になることだった。けれど、住んでいたのは都内から2時間近くかかる田舎。

絵付けはものすごくお金がかかるし受講料も高い。そんな教室をこの街で開いたところで、一体誰が習いに来るというのだろうか・・・

完全に人生が詰んだ、と感じた。


誰からも必要とされない哀しみ


ここまでを簡単にまとめると、
「占いで『丁寧に細かく描く絵で大成する』と言われたわたしは、その後、絵付けと細密画を習い始めた。しかし将来がまったく見えず、詰んだ」
という感じである。

「詰んだ」というと大げさに聞こえるかもしれない。経済的には恵まれていたし、確かに無理して働く必要はなかった。

しかし、多忙を極める夫は平日家で食事をすることもまれで、わたしがいなくても何も困らない。自分は誰からも必要とされていないんじゃないか・・・そんな気持ちを抱えながら、一体どうすれば前向きに生きられるだろうかと考えた。


ブログではじめた「ひよこ日記」🐤


その結果、わたしは決めた。しんどい毎日の中でも心が死なないように、一日ひとつだけでいいから「何かおもしろいこと」を見つけよう、と。

34歳の年、日本でブログサービスがはじまった。そこでわたしは、見つけた「おもしろいこと」をネタに、ブログで「ひよこの絵日記」を描き始めたのである。

ひよこって、これよ、これ。

「なんじゃこりゃ!」


え?前項までの優雅で美しい世界との落差が大きすぎてついていけない?・・・大変申し訳ございません。

でもこれが、辛い日々の、たった一つの支えだった。

まさか、この子がわたしを、こんなに遠くまで連れてきてくれるとは(笑)

そう、このひよこ日記を書いたことがきっかけで、わたしの人生は思いもよらない方向に回り始めるのだ。

そんな話は、また次回。

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陽菜ひよ子 / インタビューライター&イラストレーター もし、この記事を読んで「面白い」「役に立った」と感じたら、ぜひサポートをお願い致します。頂いたご支援は、今後もこのような記事を書くために、大切に使わせていただきます。

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